【桐壷98-③】呼応表現☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【桐壷98-③】呼応表現☆

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■【いささか】

■【よに~じ】

■【を】

■【ゆゑ】

■【あまた】

■【さるまじ】

■【果て果て】

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     アップ

さあ、この意味がすぐに頭に浮かびますか?

 

下に今回の意味が書いてありますので、それを見る前に、ちょっと自分で思い返してみてください!

 

意味がすぐに出てこないようであれば、

【桐壺98-①】イラスト訳

【桐壺98-②】イラスト解釈

もう一度、読み返しておいてくださいね♪

 

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今回は、「よに~じ」の呼応表現についてです。

 

世に」は、これだけが出てきたら、「実に」という意の副詞です。

「世(名詞)」+「に(助詞)」で、「世の中で」という意の場合もあります。

 

ですが、下に「ず」「じ」「まじ」などの打消の語を伴って、「決して~ない」という全否定の表現になるんです。

 

こういう副詞は、陳述の副詞として、文法書等に載っています。

【おほかた~(打消)】

【さらに~(打消)】
【絶えて~(打消)】
【つゆ~(打消)】
【世に~(打消)】

今でいう、「全然~ない」という表現ですよね。

 

注意してほしいのは、ほとんどの語が、単独で出てくる時とは多少意味が違うということ。

 

①「梨の花、世にすさまじきものにして、近うもてなさず」

(枕草子・木の花は)

 

②「暑きこと、世に知らぬほどなり」
(枕草子・小白河といふ所は)

 

う~ん;;区別がつきにくいですね(・Θ・;)

 

いつもやってるイラスト訳では、各文節ごとに文法を照らし合わせられるようになっています。

こういう練習を日々することにより、おのずと見分けが付いてくるんです。

 

これが、国語力

 

①「梨の花、世にすさまじきものにして、近うもてなさず」

訳)梨の花は、実に面白みのないものとして、身近で鑑賞したりしない。

(※「世に」は「世(名詞」+「に(助詞)」という解釈もあります)

 

②「暑きこと、世に知らほどなり」
訳)この暑いことといったら、全く経験のないことである。


②の場合、「ぬ」が打消の助動詞「ず」の連体形であることを見抜かなければいけません!

(※「ぬ」の識別は、こちら→

 

ちなみに、①の「すさまじき」は、打消推量「まじ」ではありませんよ!

∑(゚Д゚)

【すさまじ】

…(形容詞)つまらない
 

文節ごとの原文・口語訳の照らし合わせを通じて、直前・直後のことばのつながりから、まぎらわしい文法の識別ができるようになってくださいね♪

 

あいでしたラブラブ

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■【いささか】…少し

■【よに~じ】…決して~あるまい

■【を】…~のに、~のを

■【ゆゑ(故)】…原因、由緒

■【あまた】…たくさん

■【さるまじ】…そうする必要のない

■【果て果て】…あげくの果て

     ダウン

【原文】

世にいささかも人の心を曲げたることはあらと思ふ、ただこの人のゆゑにて、あまた さるまじき人の恨みを負ひ果て果ては、

※重要古語一覧はこちら⇒

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※最後に、原文を自分の力で口語訳できるかどうか、確認しておいてください。

今日も、読んでくださり、ありがとうございましたラブラブ