【桐壺81-③】係り結びの省略②
おかえりなさいあいです。
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■【ほど】
■【経(ふ)】
■【(未然形)+ば】
■【うち~】
■【や】
■【添ふ】
■【わりなし】
■【わざ】
■【なむ】
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今日も「係り結びの省略」を説明したいと思います☆
きのう、基本的な係り結びの法則【結びの省略】についてお話しました。(※参考;【桐壺80-③】結びの省略はこちら )
ほど経ばすこしうち紛るることもやと、
この、【や】は、引用の接続助詞「と」の前にあるので、
こんなふうに、帝の心中語となり、
文末になります。
文末に「や」が用いられる場合、
①係助詞〔係り結びの省略〕
②間投助詞〔詠嘆(~なぁ)〕
の2つが考えられます。
「間投助詞」というのは、文の中にあとから放り込む助詞。
なので、もし②の間投助詞なら、「や」を取り除いても、意味が通じなくてはなしません。
「や」を取り除いてみると…
「ほど 経ばすこしうち紛るることも。」と、
文の途中で終わってるような形になります;;
よって、②ではなく
①係助詞〔係り結びの省略〕
になるのです☆
係助詞「や」の場合、疑問・反語の訳出になります。
まずは「~だろうか?」と疑問で訳出し、文脈に応じて、反語を付随させて訳出していくようにしましょうね♪
疑問・反語の識別については、いずれまたお話します☆
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いと忍びがたきはわりなきわざになむ。
【なむの識別 】
①未然形+なむ→~てほしい〔願望の終助詞〕
②連用形+なむ→きっと~だろう〔確述用法〕
③それ以外の接続→強調〔係り結びの省略〕
この3つのパターンは、見分けが難しい場合もあります
(;゚;∀;゚;)
でも、何度も読み慣れていくうちに、
楽々と見分けられるようになってきますよ♪
今回は、「わりなきわざに」に、「なむ」がくっつく形。
「わざ」は名詞なので、下設の「に」は、格助詞か、断定の助動詞「なり」の連用形ですね。
「に」を断定の助動詞ととらえ、
「わざで(ございます)」と加えたら、
とてもスムーズに訳が通るようです(*^_^*)
こういうのを、係り結びの省略用法といいます。
慣れるまで、なかなか難しいと思いますが、
このイラスト訳に毎日目を通してたら、
自然と頭に訳が出来るようになってきますよん♪
今回でも、2つも出てきたんですから!
ヽ(゚◇゚ )ノ
あいでした
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■【ほど】…時
■【経(ふ)】…(時間が)たつ
■【(未然形)+ば】…~すれば
■【うち~】…なんとなく~
■【や】…係助詞【疑問)
■【添ふ】…(年月)がたつに従って
■【わりなし】…どうしようもない
■【わざ】…こと
■【なむ】…係助詞(強調)
【原文】
「ほど 経ばすこしうち紛るることもやと、待ち過ぐす月日に添へて、いと忍びがたきはわりなき わざになむ。…
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