【桐壺77-②】解釈~露けさ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【桐壺77-②】解釈~露けさ

おはようございます音譜あいです。

 

 

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【原文】

若宮いとおぼつかなく露けき中に過ぐしたまふも、心苦しう思さるるを、とく 参りたまへ』など、

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今日は「露けき宅」のお話です☆

 

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【これまでのあらすじ】

いつの時代でしたか、桐壺更衣という正妻格ではないお妃が、時の桐壺帝のご寵愛を一身に受けていました。が、人々の反感からか、更衣は幼い御子を遺して亡くなってしまいます。更衣を忘れられない帝は、秋の夕月夜、靫負命婦を桐壺のご実家に遣いに出しました。

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若宮いとおぼつかなく

 

【おぼつかなし】

①ぼんやりしている

②気がかりだ、不安だ

③会いたい、もどかしい

    アップ

この単語は、文脈でコロコロ意味が変わるんです><

 

今回は「若宮(=光源氏)が主語なので、

帝の気持ちとしては、

③会いたい、もどかしい

がピッタシですね♪

源氏物語~ゆるいイラスト訳~ 古典の偏差値を20上げる方法

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露けき中に過ぐしたまふも、

 

【露けし】

露にぬれてしっとりしている

 

もちろん、桐壺ママの邸宅が、

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…八重葎も、露に濡れてるという記述がありました。

 

この意だけでとらえてもいいのですが、

 

「露に濡れる」→「涙」

     アップ

こういうイメージにつながっていくのが古典の世界☆

 

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桐壺の実家では、桐壺更衣の死という悲しみが、家全体を包んでいることでしょう…

 

それを考えると、

 

「露けし」

  ダウン

湿っぽい

  ダウン

悲しみに暮れている

 

…というイメージをわかせると、

読みも深まってきますね(o^-')b

 

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心苦しう 思さるるを、

 

【思す(おぼす)】

お思いになる(「思ふ」の尊敬)

 

誰が、お思いになるのか…?

 

が、若宮のことを気の毒にお思いになる

若宮が、この状況を心苦しくお思いになる

 

①の訳出のほうが、文脈の流れはスムーズですよね。

ですが、これでは、帝が自分に敬語を用いることになる…

(;゚;∀;゚;)

 

②の訳出なら、敬語の矛盾はなくなりますが、

これでは、若宮は「心苦し」と思ってるのを、

帝が断言していることになる…

(`・д´・ ;)

 

もちろん、帝は最高にエラい方ですので、

自分で自分に敬意を表す

「自敬表現」ってのもあります。

 

まあ、いろいろと解釈は分かれるところですが、

 

靫負命婦が、帝の伝言を伝える

という状況から想像するに、

ここは、靫負命婦が、帝の「 」内にも、

敬意を払ったと考えて、

尊敬の意を訳出しないって手もあります☆

(-c_,-。)


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とにかく、帝が若宮のことを心配してる

という内容は逃さずに…

 

お好きなよ・う・にラブラブ

 

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とく 参りたまへ』など、

 

【とく】…早く

【参る】…参上する

 

ここでの「参る」は、

 

帝のいる所(=宮中へ参る

     ダウン

参内(さんだい)する

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…てことは、敬意の対象は、こうなります。

 

■誰からの敬意か→会話主【

 

■誰に対する敬意か→目的語【

 

つつつまり(((( ;°Д°))))

 

から への敬意

(°Д°;≡°Д°;)

 

出た!!

 

こういうのが、自敬表現っていうんです☆

 

詳しくは、またのちほど♪

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

【原文】

若宮いとおぼつかなく露けき中に過ぐしたまふも、心苦しう思さるるを、とく 参りたまへ』など、

 

【口語訳】

光の宮とても気がかりで湿っぽい所でお過ごしになっているのも、気の毒に思われて仕方がないので、早く 参内なさい』などと、

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

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■【若宮】

■【おぼつかなし】

■【露けし】

■【心苦し】

■【思す(おぼす)】

■【とく】

■【参る】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

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