【桐壺56-②】解釈~追贈
おはようございますあいです。
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【原文】
女御とだに言はせずなりぬるが、あかず口惜しう思さるれば、いま一階の位をだにと、贈らせたまふなりけり。これにつけても憎みたまふ人びと多かり。
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今日は「追贈の理由と結果」のお話です☆
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【これまでのあらすじ】
いつの時代だったでしょうか、女御や更衣といった妃が多くはべる中、時の帝に溺愛された女性(桐壺更衣)がおりました。多くの人々の反感の中、桐壺更衣は心身ともに衰弱し、とうとう亡くなってしまいます。帝は、彼女に女御相当の従三位の位を追贈するのでした。
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今回は、「だに」に着目しましょう!
【だに】
①せめて~だけでも(最小限の限定)
②~でさえ(類推)
どの場合に、①になるか②になるか…?
今回は、2箇所出てきていますね!!
まずは、
女御とだに言はせずなりぬるが、
以前のアメンバー記事で、「国語力をつける【だに】の識別 」をやりました。
「だに」の②の意として、「言外に他の重いものを類推させる」意を表す副助詞というのを確認しましたが
今回の部分にそれを当てはめると、
「女御」が軽いものとなりますね。。
帝の本音は、女御どころか中宮にしたかったのでしょう。
もちろん、亡くなった父が大納言でしかない桐壺更衣にとって、中宮はおろか、女御にだって、なれるはずがありません><
現代なら、雅子皇太子妃のような例もありますけどね^^;
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いま一階の位をだにと、贈らせたまふなりけり。
ですが、帝は、桐壺更衣が亡くなった今、
「中宮には難しいが、せめて女御格のと従三位の位だけでも…」
切ないですよね…。
逆にもっと反感をかっていたかもしれません;;
父大納言が健在で、後ろ盾がしっかりしていれば、
反感もかわずに、皆に愛されるべき妃と
なっていたかもしれませんね;;
どうしようもない、帝の想い…
この三位追贈に込められた意味に、
想いを馳せてみましょう♪
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【原文】
女御とだに言はせずなりぬるが、あかず口惜しう思さるれば、いま一階の位をだにと、贈らせたまふなりけり。これにつけても憎みたまふ人びと多かり。
【口語訳】
中宮はおろか女御とさえ呼ばせずに終わったことが、心残りで無念にお思いになられるので、せめてもう一段上の位階だけでもと、御追贈あそばすのであった。このことにつけても妬みなさる方々が多かった。
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■だに
■あかず
■思す
■る
■せたまふ
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あいでした