【桐壺53-③】尊敬☆謙譲
おかえりなさいあいです。
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■むなし
■なほ
■おはす
■かひなし
■たてまつる
■ひたぶる
■思ひなる
■さかし
■のたまふ
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なほ おはするものと思ふが、
↑
①「おはす」は、尊敬語でしたね♪
誰が「(この世に)いらっしゃる」のでしょうか…
尊敬語は、身分の高い人に対し、敬意を表すために用います。
あれ? 娘(桐壺更衣)になんで敬語使ってんの?
ふだん、そんな用い方をしない、現代の私たちには、理解できないことも多いですが、
昔は、親子だろうと、身分がどうであろうと…
相手に敬意を払うことが多かったんです!
会話文では、特に^^
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②「思ふが」には、敬語がありません。
会話文で、敬語がない場合は、よほど身分の低い召使いか、
自分自身が主語のはず。
敬語がないことも、大きなヒントになりますよ!
今回は、会話主である桐壺母が、「思ふ」んですね♪
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灰になりたまはむを見たてまつりて、
↑
「―たまは(たまふ)」は、尊敬の補助動詞
「―たてまつり(たてまつる)」は、謙譲の補助動詞
そこで、主語を確認すると…
「灰におなりになる」のは、桐壺更衣☆
「見申し上げる」のは、更衣ママ☆
です。
そして、敬意対象を確認すると…
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【尊敬】→動作主に敬意を払う
【謙譲】→動作の受け手に敬意を払う
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なので…
「灰になりたまはむを」の
「たまふ(尊敬)」の敬意対象は、…
灰になった(=死んだ)、動作主である 桐壺更衣への敬意
「見たてまつりて」の
「たてまつる(謙譲)」の敬意対象は、
「見る」という動作を受ける相手である 桐壺更衣への敬意
となります。
(o^-')b
※実はこの敬意対象の部分、一ヶ所ミスがありました。
受験生の方からご指摘いただき、修正いたしました。
(平成28年5月29日)
ありがとうございました☆
m(_ _ )m
敬意対象は、入試にもよく出てきますので、
またそのうち、アメンバー記事でも取りあげたいと思います☆
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【今回の重要古語】
■むなし…空っぽだ、はかない
■なほ…それでもやはり
■おはす…いらっしゃる(「あり」の尊敬)
■かひなし…甲斐がない、意味がない
■~たてまつる…~申し上げる【謙譲語】
■ひたぶる…ただひたすら、一途に
■思ひなる…そう思うようになる、そういう気になる
■さかし…しっかりしている、強気である
■のたまふ…おっしゃる
【原文】
「むなしき御骸を見る見る、なほ おはするものと思ふが、いとかひなければ、灰になりたまはむを見たてまつりて、今は亡き人と、ひたぶるに思ひなりなむ」と、さかしう のたまひつれど、
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あいでした
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