【平成22年の7回表】
+良くも悪くもゲーム的、映画『借りぐらしのアリエッティ』
<ネタバレを含むお話>
ということで観てきたぞ『借りぐらしのアリエッティ』。
ジブリというとアニメ的なアニメをアニメーションさせるスタジオだと思っていたが、
(その内容がイデオロギーに満ちたものだという事実は、ここでは置いておく)
本作は非常に「ゲーム的」な映画だった。というのが観賞後の感想。
なんせストーリーの構成は「アリエッティパート」と「翔パート」で、
明確にブロックで分けられ、展開はアリエッティがミッションをクリアすると進む。
進展した展開から問題が発生し、またアリエッティが新たなミッションに挑戦する。
そう、まず話の構造がゲームのシナリオチックなのだ。
特に序盤は完全にチュートリアルの流れのそれなのだが、
個人的に一番面白かったのがこのチュートリアル時だったりもする。
なぜかというと、この部分で小人視点の世界がどういったモノなのか?
どう生活しているか?という部分がアニメーションで丁重に紹介されており、
ジブリの高い技術で表現された美麗な「アリエッティ」の世界は、
ゲームと異なりただアニメーションで描写されているにすぎないが、
それでも画面の端々に配置されたギミックを、どう使うのか想像するだけで、
究極的に言えば魅力的な何かがそこに置いててあるだけで、面白い。
この魅力については、もうどう説明すれば良いか解らないが、
クリックアドベンチャーで、ものをクリックする楽しさに近い気がする。
つまり「そのギミック」をクリックすると「何が起こる」のか想像する楽しさだな。
『428』のイシイジロウ氏が本作について『ワンダープロジェクトJ3』と表現していたが、
なるほど確かに『ワンダープロジェクトJ2』っぽい作品だ。
そう言う意味ではアドベンチャーゲームが好きなプレイヤーにはお奨めできる、かも。
だがゲーム的だという点が長所であると同時に、短所でもある。
それが最も顕著だったのはストーリーが二時間に納めきれなかったため
序盤と終盤でざっくりと別れている点で、はっきりいうと全体的に描写不足。
主軸となるべき小人のアリエッティと人間の翔の関係性がドラマとして希薄なのだ。
ストーリーの盛り上がりのピークも「なんでもない話」になっており、
どうも全4話のアドベンチャーが1話と3話目で終わり、
とってつけたように終盤が用意されているという印象を覚える。
一応は「アリエッティと翔」が信頼関係を築き別れる話になっているのだが、
この描写不足が足をひっぱり続けたためなのか、
その別れにレトルト食品のような安っぽさを感じたのは私だけではなかろう。
これでは見終わった瞬間に感じるのは大団円ではなく、上滑りな「ドラマ」だ。
まとめると、中盤までは例えイメージの羅列だったとしても、
イデオロギー(ジブリにして田舎美化がない!)もない、純粋に面白いアニメ映画だった。
本作が仮にDSあたりでサイドビューを採用したオムニバス型式のクリックアドベンチャーで、
翔とアリエッティの関係をもっと深く詳細に描写していたとすれば、
私は『はじまりの森』系のアドベンチャーの新星と大喜びしていたろだろう。
だからこそ、2時間という尺に翻弄されてしまったのは、本当に惜しい。
個人的にはTVアニメで企画しなおして欲しいくらい。
+PS3『Another Century's Episode;R』のPVが公開。
ゲームプレイの動画はこれが初公開。
ガンダム等はぶっちゃけて言うと他ブランドで観ているのでインパクトはないんだけど、
マクロスやキングゲイナーなどが動く姿を見れば、そりゃ興奮しないロボオタもいないでしょう。
今回はスーパーロボット大戦OGシリーズのロボットが参戦決定だそうだが…
私はその手の方向性はてんで疎いので、こっちにコメントすることは特にない。
+DS『KINGDOM HEARTS Re:coded』の発売日が10月7日に決定
9月終盤から10月序盤は中堅以下のタイトルには
ぺんぺん草も生えない状況になりつつあるんだけど。
ただでさえDSはハード末期で淘汰が激しい状況なんだから、
そんなに競合して欲しくないんだけどなぁ。という愚痴。
まあサイクル的にこの時期がDSで売るラストチャンスなんだろうけども…。
【コメント】
リアル七曜会みたいな目にあう。