平成22年の2回表 13球目 | アドベンチャーゲーム研究処

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アドベンチャーゲーム(AVG・ADV)の旧作から新作まで、レビュー+紹介を主として取り上げるブログ。(更新は不定期)
取り上げる範囲は家庭用のみです。

【平成22年の2回表】

ダイナミックお国防衛軍、その名も『斬撃のREGINREIV』。

斬撃のREGINLEIV(レギンレイヴ)(特典無し)

結論を先に言っとく。サンドロット好きにはメチャ面白い。
『THE地球防衛軍』にしようと『鉄人28号』にしようと『ギガンティックドライブ』にしようと、
ゲームプレイ自体は単純で繰り返しな部分が結構あるのがサンドロットゲームなんだけど、
敵に重量感だったり壮大さから、爽快感を演出して直感的に「遊ばせる」。
でもバランスはキッチリとってあって、ゲームとしてのやり応えはちゃんとある、と。
実際そこをキチンと抑えたゲーム作りが出来てるからこそ、
ヒューマン時代からグラスホッパーと共に惚れ込んで付いていってるわけなんだけどね。
この『斬撃』も例に漏れずキチッとその辺りを踏まえたバランスが取れていて、
敵を倒す爽快感とそれに伴うゲームとしての難しさが混在している。
だから「敵を切ってるだけ」で楽しい。このシンプルな楽しさは他にはないよ。

でゲームの内容。今回はWiiということでリモコンに合わせて「斬る」のが基本。
なんだけど、ゲームを効率良くクリアするには「遠距離武器で牽制→近距離で斬る」を
上手くコンビネーションさせる必要があるので、「斬る」のみのゲームではない。
現時点ではゲームデザインとしては過去作では『THE地球防衛軍』にかなり近い印象かな。
ただ銃が基本になる『THE地球防衛軍』と比べると近距離武器がはっきりしてるこっちの方が
ゲームとしては爽快感は高くなっているので、個人的にはこっちを支持したい。
つっても破壊できるオブジェクトの数は設定的に少なくなっているから、
そういう意味でのダイナミックさっていうのはこっちが劣ってるかなぁ。

短所としては、Wiiの機能をかなり使ったおかげで混乱すると誤爆率も高くなること。
いや、ここリモコンの感度に起因するところだしWiiの本体仕様の問題なんだろうけどね。
「斬る」位置が重要なだけに、モーションプラスでプレイ必須かと。
実際これないと「引く動作」の弓攻撃なんて絶望的なまでに撃ちにくいから。

Wiiモーションプラス(シロ)(「Wiiリモコンジャケット」同梱)

ああ、あとシナリオ。これね、あってないようなもんです。
サンドロットのゲームは基本的に設定説明なんですよ。いやホント。
多分、シチュエーションだけ伝えて「目的作り」という狙いしかないから。ここは。

ネットワークプレイも充実してるらしいんだけど…
実はシングルやり込んでる途中なんで、Wi-Fi繋げてないんだよね。
気付いたらネットプレイの旬が過ぎてた…というのが私の恒例なんで、
今日の夜にでもつなげてみるかいな。

1月の北米セールスデータ公開。『ノーモア★ヒーローズ2』は2.5万本。

ノーモア★ヒーローズ 英雄たちの楽園(2010年4月発売予定) 特典 エロチカ★ポートレート セクシーチェリー味付き

これは厳しいなぁ…須田さん自身は海外展開に積極的だし、
『ノーモア3』もMMVが依頼すれば動く気あるみたいなんだけども。うーむ。
何というか世相が悪すぎたというか、海外市場が予想より冷えてたというか…
実際、『DarkVoid』や『Beyonetta』など他の中堅タイトルも数字が芳しくないし。
昨今の海外市場は上位タイトルがWiiの定番とHD機の大作が占領するという、
固定化がかなり進行している印象だったけど、現実ここに入り込むのはかなり難しいな。
そう考えると、任天堂に販売してもらったとはいえ
海外市場に食い込んだ『レイトン教授』はやっぱり凄い。
「俳優が声優をした」という売りがない海外で通用してるんだから、
ゲームとしての普遍性は間違いなくあるわけだし、だからこそのシリーズ918万本出荷
大作が売りになれない今だからこそ、この作品に学ぶべき部分は多い。

日本一ソフトウェアPS3に『ディスガイア』の新作投入を発表。

ディスガイア インフィニット

ということで、『ディスガイア』の新作が投入決定だそうですよ。
まあ、かなりやばい経営状況からして、日本一唯一のキラーコンテンツである
『ディスガイア』を持ち出すのは妥当な路線でしょう。
不採算ラインも見直されるだろうし、売れないADV(FOG)の扱い微妙になってくる…
というか実際、苦境だからこその『久遠の絆』がアダルト展開なんでしょうな。
ただここから無駄なリリースが整理されるだろうから、
去年の様な『流行り神DS』みたいな悲劇は見ずに済みそう。
…そのくせPSPの『ディスガイアインフィニット』が『トリック×ロジック』と同日発売?
ああ、これはDL向けで既に興行一周してるんで、どうせ出荷目的の小遣い稼(自粛)
日本一の明日は、どっち!というか明日が見えないのに日本一ってどういうことだ!

【コメント】
ダイナミックに遊んでたらダイナミックに更新遅れる。ダイナミックごめんなさい。



本日のBGMは実質的な宇宙世紀ガンダムの完結偏である『逆襲のシャア』より、
TMNの歌う主題歌『BEYOND THE TIME』をダイナミック選択。

映画の内容を解りやすく言えば「ガンダムでイデオンの討論やろう。」というものなんだけど、
何も知らない人には「イデオンって何?」と突っ込まれそうなんで、解説。
そもそも『機動戦士ガンダム』ちゅーアニメは「人と人が解りあえるのか?」という
議題で討論され、人類進化(かの有名なニュータイプ理論ね)を根拠にして、
恋愛なりなんなりの青春ドラマをトッピングにそれを肯定する話だったわけなんですけども、
監督の富野自身、その結論を全く信じていなかった(当然だけど)らしく、
次回作の『イデオン』は闘争を通してほぼ同じテーマから始まったものの、
超壮絶な討論(その程は、劇場版を見よう!)の結果
「生きてる限り人は解りあえない」という結論に行き着いている。
つまり『ガンダム』と『イデオン』はテーマとしては表裏一体ともいえる関係だったわけだ。

この『逆襲のシャア』はそこから更に数年後に発表された映画なんだけど、
1979年当時はまっていた少年たちももういい加減いい年したおっさんになっていたため、
アムロもシャアも30を超えた「普通の現実を知ってるおじさん」に設定され、
初代で示していた「人は解りあえる」というのも凄い胡散臭いのも察しつつ、
「革命起こせば時代が、世界が変わる!」と未だに『ガンダム』時代の幻影を
信じて疑わない民衆(=客)に唱える30代にしてロリコン&マザコンを吐露するシャアと、
もういい加減家庭も持って革命だぁ人類の進化だぁ言ってられないアムロが、
素直に現状を受け入れる(アムロ)か、それとも革命を起こすか(シャア)を通して、
当時の進化論の胡散臭さ(イデオン派かガンダム派か)を延々と討論するものになっている。
…というのが気持ち悪い良い年したガンオタの解説。

結局、この作品は過去の自分に対する自己否定と自己肯定いう
どう考えても結論が出ない討論をガンダムという設定に乗っけて、
「『機動戦士ガンダム』という時代を完結」させるのが目的の映画だったわけ。
高いテーマ性を持ちながら、劇場アニメと言うことでエンターテイメントも混同していて、
個人的には劇場公開された『ガンダム』では一番面白い作品だったと思うんだけど、
ただ初代『ガンダム』観てないと、絶対訳わかんないんだよね。これ。

うわぁ…やたら長いコメントになったな今回は。
イデ好きとしてはかなり重要な作品だから語ると長いのよ。

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 [2010年7月23日までの期間限定生産] [DVD]機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [Blu-ray]伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 [DVD]
アニオタを名乗るなら、この3作は必見でしょう。ただ『伝説巨神イデオン』はTV放送の総集編である『接触篇』が全く面白くないんだよなぁ。レンタルで置いてあるかも微妙なタイトルなうえに、DVDも再販されないからプレミアついてるし。個人的には一番衝撃を受けたアニメ映画だったけど。…いや言っておきますけど、別に富野信者ではありませんよ。出崎信者です!