自分の能力を仕事に生かす土俵選び／商売心理学　売上アップと集客と販促のコツ　講演講師も好評

こんばんは、酒井とし夫です。
前回は「売れるキャッチコピーと広告コピーの書き方」のお話でした。
今回は「自分の能力を仕事に生かす土俵選び」のお話です。

◆使えね～。

大学時代に銀座の飲食店でアルバイトをしていました。
お昼時になると一斉にお客さんが来店するので１２時から２時くらいまでは店内はてんやわんや！！

アルバイトを始めたばかりの頃はオーダーを間違えたり、お皿を落としたり、お客さんにぶつかったり、お茶をこぼしたりと失敗の連続でした。

その時、アルバイト先の先輩に言われた一言。
↓
『こいつ、使えね～！！』

そこで私に求められていたのはオーダーを間違わずに厨房に通して、出来上がった料理を正確に席に届けるということ。

その時はそのお店で求められていた技術が私には無かったということです。

数ヶ月もするとどんなにお客さんが殺到してもスイスイと仕事をこなせるようになりました。
そしてこう思いました。
↓
「オレも仕事ができるようになったなあ！！」

◆すちゅーぴっど！！

広告代理店に入ったばかりの頃、お客さんのところへ行っても何を話してよいのか、どんな打ち合わせをすればいいのか全く分かりませんでした。

クライアントの意向を間違って制作会社に伝えたり、校正ミスをしたり、電話応対ができなかったりと
やはり失敗の連続。

ある時、上司がこう言いました。
↓
『すちゅーぴっど！！』
（＝英語で「愚か者」ですね。）

その頃は広告代理店の営業として求められたスキルが私には無かったということです。

数年もすると大抵の打ち合わせはスイスイとできるようになり、お客さんとも仲良くなりました。
そして、こう思いました。
↓
「オレも一人前になったなあ！！」

ある時に税理士事務所の見習いをしたことがあります。当たり前のことですが、そこでは飲食店で身に付けたスキルも広告代理店で身に付けたスキルもまったく使えませんでした。

また、ある時に材木問屋の総務部を経験したことがあります。そこでは飲食店のスキルも代理店のスキルも税理士事務所のスキルも役に立たず、またしても「仕事のできない奴」になっていました。

先日読んだ本にこんなことが書かれていました。

「『仕事ができる』と言われる人は、その仕事に求められるスキルと特製がマッチしているというだけのことであって、仕事が変われば『仕事ができない』人になるかもしれない。」
（「世界トップクラスの盛業マンのモチベーションに左右されずに結果を出す仕事術」林正孝著　大和書房　）

本当にそうですね。

「あの人は優秀だ！」「彼はできる！！」「能力がある。」とはよく言われることですが、実はその判断基準は「土俵」によって変わってきます。

セールスという「土俵」で戦っている方にとっては説得の上手さは「能力がある」ことになるかもしれませんが、それは経理という「土俵」では優秀であることの判断基準にはならないかもしれません。

また、数字に細かく、事務処理に優れていることは経理では「優秀である」ということかもしれませんが、グラフィックデザイナーとしての「土俵」ではそれは必ずしも優秀さの条件ではありません。

もし、あなたも「自分には能力が無い」と思っていたとしても、それはあなたの能力の問題ではなく、あなたが今立っている「土俵の選択の問題」である場合があります。

あなたに能力が無いのではなく、数字が嫌いで本当は客商売が好きなのに、たまたま人生の偶然のめぐり合わせや過去の成り行きで数字を扱う仕事に関わっているだけなのかもしれません。

「今までのしがらみ」や「儲かりそうだから」「人に薦められたから」「ＴＶで紹介されていたから」「かっこよさそうだから」「何となく」といった理由であなたの「土俵」を選んではいけませんね。

だって、あなたの生きる時間の大きな割合を仕事が占めることになるのですから。

あなたにとって最善の「土俵」はあなたにしか分かりません。
あなたにとって最善の「土俵」はあなたにしか決められません。

だから、起業する時や新しいことを始める時には自分の特性や能力、スキルをよく自分で理解したうえで「自分はどの土俵に入るのか」を、よくよく考え抜いて下さい。
スキルアップの問題ではなく土俵選びで、道を間違える人もたくさんいますから。

ところで、あなたが「今、居る土俵」は、あなたにマッチしています？

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