ボキャブラリーの重要性と、ボキャブラリーを増やすための2ステップ。 | アドマン3.0=人事になりました。

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コレ、すごく面白い。モチベーションは楽しさ創造からブログで紹介されていた強豪国は、強いスポーツ分野について言葉の量が多いという生島淳さんのコトバ。

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実力アップの近道は、まず使用語彙量を増やすこと
http://d.hatena.ne.jp/favre21/20090330#1238366047
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記事によれば、例えば、卓球でNO1の国は中国。中国では、卓球の打ち方、手足の動かし方について、専門用語が日本の数倍あるんだとか。スポーツにおいてさえ、語彙力が競争力になる(あるいは競争力を測るパラメータになる)。ほへぇ~。

この話を見て、なぜデザインなのか。」という書籍に書かれていた事例を思い出す。


確かこれはDESIGN IT! w/LOVEさんのブログで知った気がする・・・と思って探したら、この記事だ。思い出した。
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ある企業で聞いた話ですが、工場で働いている人たちの仕事の能率があまりに悪いので、試しに国語のテストをしたら、びっくりするくらい語彙が少なく、成績がよくなかったそうです。たしかに「うぜーな。うぜーよ。メシいこうぜ。マジっすか?」くらいの言葉で済んでしまう世界がある。(中略)それはマズいと思って、その企業は国語教育を始めたんだそうです。それで、彼らが国語が少し面白いと思い始めたあたりから、俄然仕事の効率がよくなった
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ここで面白い点。2つあって、一つ目は上記2つのケースはどちらも語彙力仕事ないしスポーツへ好影響を及ぼしている(であろう)、ということ。二つ目は前者の例が、専門分野での語彙力強化なのに対し、後者の場合は汎用的な語彙力(国語なので)についてのべている。結論どちらも効果的だけど、能力同様切り分けて考えた方がよさそうです。

比較的色々なところで議論されているのは、後者の汎用的な語彙力。誰が調べたのか忘れてしまったんだけど、小学校を対象に、知っている言葉の数(=語彙)と成績の関係を調べたところ、一年生の段階で、成績上位の子供の語彙数が約7000語であったのに対して、成績下位の子供は約2000語と、3倍以上の差があったという調査があった。コレは年をとっても同じ傾向になるらしい。

これは比較的わかりやすい。というか、普通。語彙成績というのはリンクしやすい。さらに違うケースを持ち出してみると、大学出身者以外で成功している人達の語彙数は、ハーバード大学の大学院の一年生レベルの語彙量に達する、という調査もある。すなわち成功者は語彙力が高い、と。

さらに言うと、古い話だけど、中卒の元首相・角栄氏も広辞苑を丸暗記したそうですし、あのトム・クルーズも常に分厚い辞典を持ち歩いている、というのは話に聞くところ。

ふむふむ、ココまでを見ると、どうやら語彙力というのは成功なり達成なりの概念に近づけるキーファクターであるらしい。なので、ここで考えてみたいのは、語彙力を増強することによる具体的なメリット。

すぐ思いつくところとしては、
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1.理解力・情報吸収力が高まる(=インプット能力の向上)
2.思考力が高まる(=プロセシング能力の向上)
3.プレゼン力が高まる(=アウトプット能力の向上)
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上記3点。

1.2.についてはイメージしやすい。コトバとは物事を考えるフレームワークである。思考はコトバによって行なわれる。イメージで考える、という人もいるが、何がしかの形で必ずコトバが介在している。むしろ語彙が増えれば、頭のなかにあるイメージを、より鮮明に言葉で描写できる。すなわち3,アウトプット能力が高まる。

なるほどなるほど、われながら素晴らしい整理である(笑)。ここまで読んで頂ければ、「すぐに語彙力を強化しよう!」と思って頂けると思うけど、実は語彙にも2種類ある、ということを知っておくと良い。

すなわち理解語彙使用語彙である。「理解語彙」は、見聞きして意味が分かるコトバの集まりであり、「使用語彙」は、自分が使うことのできるコトバの集まりである。一般的に誰でも、理解語彙のほうが使用語彙よりも範囲が広い(参考:http://gitanez.seesaa.net/article/73630167.html)。

まず前提として理解語彙ストックを増やす。その中で一定のレートで使用語彙となるボキャブラを増やしていく。この二つの動きを並行してこなしていく。

具体的なトレーニング方法は下記。
※様々なブログや本を参考にさせて頂いた。
※下記方法は専門的な語彙力、汎用的な語彙力双方に有効な手法だと考える。
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■STEP0:準備をする
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1.理解語彙の目標設定
⇒具体的には●●までに○○個の理解語彙を増やす、と数的目標設定を行なう。

2.使用語彙の目標設定
⇒具体的には●●までに○○個の理解語彙を増やす、と数的目標設定を行なう。

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■STEP1:理解語彙を増やす。
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1.得意なジャンルの本を多読、あるいは精読する。
⇒得意なジャンルからせめて、まずは脳を強化する。

2.不得意なジャンルの本を多読、あるいは精読する。
⇒1.で強化された脳の流れに乗って、自身の語彙幅を広げる。

3.辞書を読む。
⇒世の中には良質な読める辞書が存在する。こちらを活用すべし。個人的には下記本が非常にオススメできる。


4.日々出会う新しい言葉を書き留める。
⇒「それ何?」というマインドを忘れず、言葉に対しての感度を高めて生活すること。
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■STEP2:使用語彙 を増やす。
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1.STEP1で得た語彙を、書いてアウトプットする。
⇒現在はブログやSNS、Twitterなど素晴らしいアウトプットツールがあるため、最大限活用する。間違えれば訂正作用が働くのもいいところ。

2.STEP1で得た語彙を、話してアウトプットする。
⇒大げさなプレゼンの場だけでなく、日々の生活に取り入れる。今日は「このコトバを使うぞ!」と1日の目標設定を行なうのも良し。

3.吸収した語彙をベースに、オリジナルの新語を作り出す。
⇒比較的ハードルが高いが、コトバを作り出すことは最も密度の濃い意味の抽出作業であるため(所謂コンセプト化)、確実に使用語彙になる。この考え方については下記2作が非常に参考になる。

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一般的に、各国の大学卒業生レベルでの語彙は、5万語程度らしい。そこが平均ライン。歩留まる人もいれば、8万語10万語に増やしていく人もいる。ベースは読書ですね、やっぱり。ただ意識して新語に感度を高くしておくことがやっぱ大切。

また注意しなければならないのは、特に専門領域の語彙力についてなんだけど、難しい専門用語で煙に巻くようなコミュニケーションは取ってはならない。そこは目的ではない。そこだけ注意して、バリバリ語彙力を増やしていけるとよいかな、と思います。

比較的自分向けの文章ですが、皆様のご参考になれば。アドバイスなどありましたらお願いいたします。

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今読んでる本
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告知
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1.BATHTOLOGYうるばな。」
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