$ショーシャンクの空に

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短編小説  遺されたメッセージ

第五話



それから10年後・・・
$ショーシャンクの空に

あのころ勤めていたサラリーマンを早期退職し
妻とふたりで小さな喫茶店を開いていた

相変わらずお客さんは
近所の常連さんが主で
ぎりぎりの生活を送っていた

中学生の娘(はるか)が学校から帰ってくると
しばらくして
奥の部屋で嫁と騒ぎ声が聞こえてきた

はるか
「お母さ~ん 大変だよー」
「ねぇねぇ 早くぅ」
「こっち来てよー」

明美
「なんなの? そんなに大騒ぎして」


はるか
「コレ見てよ これ」
「じぃじのブログが更新されているんだよー」


明美
「えー そんなはずないでしょ」


「ちょっと パパー」
「大変な事になってるよー」

騒いでいるパソコンに向かうマサキ

マサキ
「いったい、何の騒ぎだぁー」

はるか
「じぃじが生きてるんだよー」

マサキ
「そんな、まさか」

そこには、10年ぶりに
新しい記事が更新されていた


【記事内容】

そういえばお前らに秘密にしておったのだが
そろそろ遺産を分配していいぞ

ワシの予想が正しければ
この記事が公開される頃
ワシの持っている株価が
ざっと10億を超えとるはずだ

当時、あまり多くの遺産が残せなかったけん
10年間眠らせておったんじゃよ

ワシの予想が当たっていればの話だがよ

はーっははははー

それでは、ココに会員番号とパスワードを記載しておくぞ

会員番号 xxc879 75788 44359
Password ecup○○○○○

それでは、ワシが実現出来なかった
10億円生活を思う存分楽しむがいい

【記事内容】

まぎれもなく
亡くなった親父が書いた内容だった

インターネットブログならではの手法で
10年後に記事を公開させる予約をしていたのである

マサキ
「あ・け・み・
10億の遺産だってよ」

明美・はるか
「やったー バンザーイ バンザーイ」

信じられない10年後のサプライズ
しかも
その額、10億円!!

親父が最後に残したモノ
それは、ものすごく緻密な計算がされていて
まったくもって親父らしい
強烈なインパクトだった

第六話に続く