前回は、40年前から内山ウルトラマンのファンだったことを書いたが、それだけだと、他にも自分より猛者がいたかもしれない。
実際、コンビニコミックでの復刻（2004～2007）にさきがけて、
2002年末に大著「ザ・ウチヤママモル」を著したタケダ1967氏は、
2002年12月29日初版発行。
学年誌の内山ウルトラについては他の追随を許さないし、氏の活動こそが現在の内山まもる復活気運のさきがけとなったのは間違いない。
また、ぜんまい太郎氏の、昭和の少年冒険日記は、1971年から73年まで、内山まもるが絵柄を担当した学年誌のバッジをくまなく網羅しているし、
↑1971年「小学二年生」４月号で告知された、内山バッジ第１弾。
絵柄がこんな（失礼）なのに、どうして内山作と断言できるかは、今日のブログで明らかに！
やはり同時期のバッジをコレクションしている、なかや みかさんの、コロコロタッパというページ内、世代の地層には、バッジと内山つながりで、怪獣ハレハレという、ショウワノートのシール帳が紹介されており、
↑この絵柄が、
↓池上遼一のスパイダーマンを参考にしていることは、
前にここで書いた。
といった具合で、けっこうやり尽くされた感がある。
しかし、私とて中断期こそあれ、最古にして40年後の今も現役の、内山まもる版ウルトラマン研究家（？）の意地がある。
というわけで、ショウワノート版内山ウルトラを、現状で可能なかぎり復元して、前人未踏の境地を究めることにしよう。
ショウワノートは多彩な文具類で、『帰ってきたウルトラマン』を展開し、
表紙のメインビジュアルは、梶田達二で決まりだが、
通称しょうちゃんえノート。20円。
中身のモノクロページの、ぬりえ等の線画（ラインアート）を手がけられる人材を探していた。
それまでの慣例のように、表紙を誰か（あまり絵心のない描き手）にテキトーになぞらせるだけだと、
↑デラックス版30円の例。
梶田画伯の見事なカラー原画（左）を、台無しにトレースしている内側のぬりえ（右）。
全ページに線画が散りばめられるぬりえ帳などには応用がきかず、商品展開に限界があるからだ。
梶田氏の小学館の学年誌つながりからか、上記「しょうちゃんえノート」付属のぬりえ２点が、内山まもるの初仕事。
……。
あまりうまくない（＝内山氏ならではの腕の冴えが見られない）のには、理由がある。
まだこの当時は自分の作風が定まらず、すべて元ネタをなぞっているため。
↑（左）およそ内山らしからぬこのウルトラマンは、ショウワノートが別発注した、渡辺正美のカラーイラストをなぞっている。
（右）ザザーンは、NG版のスーツの写真を参考に描かれている。
↑（左）タッコングも、上述の渡辺正美のカラーイラストの絵柄を転用。
（右）一番内山チックなウルトラマンでさえ、池上版スパイダーマンの転用。
というわけで、この４点には、内山完全オリジナルの絵柄は一つもない。
しかし、スケッチブックや、
前回も触れたウルトラマン手帳等、
ショウワノートの商品をかたっぱしから手がけるうちに、
↑しょうちゃんえノート 怪獣大決戦ウルトラマン
'72年発行。B5サイズ、30円。
↑裏表紙。
めきめきと腕をあげ、
ピリピリというメモ帳の頃には、
↑下左から、内山氏の描くシュガロン、エレドータス、ゴーストロン。
↑左より、ザニカ、ダンガー、サータン。
↑左からゴキネズラ、テロチルス、ノコギリン。
ウルトラマンだけでなく、怪獣もとてつもなく達者に描くようになっていた。
↑メモ帳の中身もぬかりなく。鼻血がでるくらいうまく描かれた怪獣３匹。
↑もう１パターンは、内山怪獣はサータン１匹で少々寂しい代わりに、
↓たまたま渡辺正美のカラーイラストが流用されてたおかげで、
最初の絵柄がふるわなかった理由が判明できた次第。
かくして40年かけて、私の夏休みの宿題をやり遂げることとなり、タイトル通り、長年の呪縛から解放されたというわけですよ、内山先生！
昨2010年のウルフェス会場にて。くわしくはこちらで。
いかがでしたか？