長期戦です。こちらもよろしく。
このヤマトのブログ、〈蒼きヤマトへの憧憬〉は、宇宙戦艦ヤマトの原初形態をさぐるものだが、最終的には立体化が理想。
しかし自分には立体造形の資質がないので、そこから先は「誰かがこれを、やらねばならぬ」ということになる。
もちろんDVD付属キット(監修:庵野秀明/原型:真鍋正一)は、
製品としてはこれ以上望むべくもない究極のできだし、
それを改造して完成した、どろぼうひげさんのヤマトは、造形、ディテール、塗装、ギミックで、現時点で銀河系内で最高峰のできで、
↑トゥーンシェイダー処理のCGみたいですが、1/700のプラモデルです!
これを越えるものは、今後数年は出てこないだろう。
いや、これで打ち止めかも知れない……
だって、↓このギミックまでついてるんですよ!
と、せっかくの記念なので、お祝い代わりに記しておきます。
で、そのどろぼうひげさんでも(あえて)やらなかったことを、引き続きこのブログでネチネチと続けていきます。
平面でただあげつらうことが、有意義か現実的かは別にして~。
さて、前編では、2D、つまり絵のヤマトの砲台張りだしについて分析したので、
今回は立体の同じ箇所を分析。
だが製品では、私が把握する限り、一例しかこの張り出しを造形していない。
ということは、その一例を示したらあっという間に終わってしまうので、ここは私のくどいブログらしく、少しばかり回り道。
まずバンダイの模型は、こと張り出しに関しては、のきなみ失格。
なのであえて画像は載せない。
決定版のDVDボックス付属1/700決定版は、おしいところまで行きながら、残念なことに失格。
↓後方パース
↓張り出しのアップ
「……張り出しなんてないじゃん。のっぺらつるつるですよ。どこが“おしい”の?」
では、真鍋正一氏の原型に、より忠実な形状試作をご覧ください。
↓部分を拡大
ご覧のように、張り出しはしっかり造形されていたのに、
なぜか製品では丸ごとそぎ落とされている!
なんでだ?
とにかくバンダイ(製品)が全滅だと、他社を照会するしかないが、
ヤマト現役時代(1974~83)の名作キット、野村トーイの1/1200と、
イマイ木製ヤマトの1/350(これもプロトタイプだから、製品じゃないけど)はどうだろう。
しかし野村トーイのヤマトは、軍艦色に塗られてしまったMAX渡辺所蔵の完成品、それも雑誌からのスキャン画像しか入手不可……
↑このスキャン画像を、もっとクッキリ読み取ろうとコントラスト処理すると、
↓全体の色が暗く沈み込んでしまい、かえって判別が困難に!
↓やむなく元画像から解析しても、画像サイズが小さすぎて、かなりあてずっぽう……
……と思っていたらっ!
上述のDVD付属キット原型師の真鍋氏から、該当キットの貴重なパーツ写真を提供していただきましたよっ!!
ジャジャーン!
どーですか、お客さん!
↓まずは後部ノズル。
↑縦径が短く(換算15メートル)、横径が長い(換算21メートル)設定図面の矛盾を、忠実に立体化。
↓部品図は、別に実物どおりのレイアウトってわけじゃなかったのね。
ノズルの配置が90度異なってます。
で、肝心の砲台部分は、
ふむふむ、
ほうほう、
なるほどなるほど!
では、細かく見てまいりましょう。
↑一時期、一部で流行(はや)った?無粋な直線がありますね。
↓船舶模型会社の図面(上)と、
↑それを参考にした、イマイの木製ヤマトの原寸図(下)にも確認できるやつです。
パルスレーザー群のひな壇周辺のアウトラインは、
後にも先にも、本キットだけの、超~独自解釈!
大げさに言うと、両端の後縁がデルタ翼機みたいに広がっていて、
↑デルタ翼の戦闘機、スウェーデンのJAS39グリペン
中央の後端がめくれあがって、尾翼を想起させる浅い隆起になっている。
煙突周辺の丘の形状も、図面とはかなり違う。
このように野村トーイのヤマトは、ずいぶんとユニークな造形だったことがうかがいしれる。
とはいえ一方で、今日のお題の張り出しは、まったく影も形もない。
というわけで、真鍋正一さん、貴重なキットの画像、ありがとうございました!
真鍋さんが原型担当の、エステルマスターのウルトラメカ完成品は、
現在絶賛発売中のキャラクターエイジ4号にも
12~18ページに紹介されていますが、
私同様に、キット組み立て・塗装の腕がないファンは、
売り切れる前に(実際に完売・絶版も多い)、ぜひお買い求めください!
次が、このブログに何度も登場した、イマイ木製ヤマト1/350のプロトタイプ。
他の立体模型がずさんに無視して来た細かなニュアンスをていねいに拾った逸品だったが、果たして張り出しは造形されているのか?
小さくてわかりにくいですが、張り出しなんて、影も形もありません。
もっとも、もしも再現されていたにせよ、製品版には反映しなかったから、意味ないんですけどね。
というわけで、ここまでダラダラとひっぱり続けましたが、立体製品で唯一張り出しを造形したのは、リバティプラネットの1メートルヤマト。
元画像は、リンクからチェックしていただくとして、張り出しをイエロー、ステー2枚をレッドで図示。
「側面図に記されているから、とりあえずモールドを刻んだ」程度で、「張り出し」にも「支柱」にもなってはいないが、それでも唯一の製品例として貴重。
キット改造作例では、バンダイ旧1/700改造の高橋清二氏によるホビージャパン作例や
↑ただし面構成は、図面とはあべこべ(張り出すべき部分が裁ち落としになっている)。
ネットで公表している、
道楽おやぢさんのDVD新1/700改造、
そして我らが(と勝手に決めつける)どろぼうひげさんの作例
等々が、見逃さずにしっかり張り出しとステーを再現している。
他にもあったらゴメン!
「これもあるよ」と教えていただければ、
ヤマト張り出し+ステー保存会に登録します。←ウソ
とまあ、ようやく張り出しの話はこれでおしまいです。
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