去る9月22日に行われたドイツ連邦議会総選挙でメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が大勝したことは周知のことであるが、わずか5票足りず過半数を得られなかったため連立政権を作らざるを得ない状況だ。これまで連立を組んできた自由民主党(LDP)が得票率5%を切ったため、議席を得ることができず、他党と連立を組まざるを得ない。その連立政権の相手として有力視されているのが社会民主党(SPD)だが、当のSPDは積極的ではない。
一方、ドイツの有力紙ヴェルト(Die Welt=低俗紙ビルトではない!)は前回と比べ得票率を2.7%減らした緑の党(GP)との連立の可能性が出てきたと述べている。
GPは敗北の責任をとって副党首で左派のトリッティン氏が辞任、引退することとなり、この可能性を加速させている。トリッティン氏の引退はGPの「左派政党」からの脱皮と見る向きもあるようだ。
GPは福島原発事故後の2011年3月に行われたバーデン=ヴュルッテンベルク州の州議会議員選挙で第一党となったが、このことは当時原発推進路線にあったメルケル政権を原発廃止に向かわせる原動力であった。
ただ、CDUは基本的に財界寄り、経済優先政党であることは間違いなく、経済優先に反発するGPとはやや隔たりがある。
そうは言うものの、ヴェルト紙によれば、GP支持層の半分はメルケルCDUに投票したことだし、GPは元来イデオロギー政党ではない。
GPがトリッティン離れ(左派離れ)を明確にすれば、黒(CDU)-緑(GP)連立は現実味を増す。
賢明なメルケル首相はどの道を選ぶだろうか?ドイツのこととは言え、EUに、ひいては世界に影響を与える選択だ。じっと見守りたい。
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