皇位継承に関するブログですが、行動経済学や心理学・数学に通じていると思われる自然科学的な賢い人でも、「政治信条」という虚構に関しては「内集団バイアス」からは逃れられない典型的な事例。哲学的には信念補強するためのより高度な事例といったらよいのか。
ちなみに天皇制という日本の伝統は、ほとんどが維新政府が創造した想像の共同体たる「近代国家としての新しい伝統」という虚構(かといって現時点までは、まずまず機能しているので私は天皇象徴制も天皇の男系継承も賛成)。
行動経済学の創始者のひとりであるダニエル・カーネマンもシステム1(反射的思考)からは、自身も逃れられないと言っており、エラーが起こりそうな状況を認識するだけとのことですから、人間はどんなに賢くても「ヒューマン」であることには間違いなく、致し方ないと言わざるを得ません(もちろん凡人の私も)。
カーネマン曰く
「私自身の直感的思考は、ささやかな改善(その大半は年齢によるもの)を除き、相変わらず自身過剰、極端な予想、計画の錯誤に陥りやすい。その度合いは、この研究を始める前と実はさして変わらない。」
というのだ(ただし他人のエラーは、よく気付くそうです)(ファスト&スロー下巻「結論」より)。
とはいえ、本ブログの「自殺」は景気と相関関係があるという「自殺」に関する統計的分析だとか、新型コロナに関する分析は至極真っ当でとても勉強になりますので、是非お勧めです。
以上、各種バイアスを回避して物事を真っ当に判断していくために重要なポイントの一つは、個別個人単位・共同体単位の「敵・味方」視点のような内集団・外集団バイアスではなく、
個別の事象ごとにそのロジックの整合性や納得性を判断していく
その類稀なる実践方法としての事例が「超予測力」の思考方法を習得した人たち。是非見習いたいものです。