アカペラでは、コードの知識が重要で、ハモりやアレンジの質を大きく向上させることができます。次の4つの利点がありますので、順番に解説していきます。
・ハモりの感覚が身につく
・楽譜の間違いが分かる
・アレンジ(編曲、作譜)ができるようになる
・アレンジのレベルが上がる
コードとは?
4つの解説に移る前にコードについて解説します。楽器や歌唱集などの楽譜の五線譜上に、Am、G7、FM7などアルファベットと数字で組み合わされたものが記載されていると思います。これをコードと呼びます。
コードは和音とも呼ばれ、C(シー)なら「ド・ミ・ソ」、Am(エーマイナー)なら「ラ・ド・ミ」のように、構成音が定められています。
コードの構成音を使い、楽曲の伴奏(楽譜)が作られています。アカペラ(楽譜)も同じように、コーラスやベースはコードの構成音を基に作成していきます。
アカペラにおけるコード、コード進行について詳しく学びたい方は、「新アカペラパーフェクトブック」、「アカペラパーフェクトブック~アドバンス~」の2冊を読んでみてください。
ハモりの感覚が身につく
コードには、様々な種類が存在し、雰囲気(響き)が違ってきます。大きく「明るい(メジャー)」と「暗い(マイナー)」の2種類に分けることができます。コードの知識がまだない人は、「このコードは明るい、このコードは暗い響きだな」というように、コードがもつ雰囲気を感じ取ることが大切になります。
さらにコードの響きを頭の中にインプットできるようになれば、練習でハモる時に正しい響きかどうかを判断できます。アカペラの練習をする上で、コードの知識があるだけで、ハモりの間違いに気づき、その場で確認することができます。よって、練習時の「今の和音って、ハモっている?」「ハモっている分からない。」といった疑問もすぐに解消することができます。
楽譜の間違いが分かる
コードの知識があれば、楽譜上の間違いも指摘できます。間違いというのは、コードの構成音以外の適切ではない音が使われることです。ただし、意図的にコード構成音以外の音を使う場合もかなりある(例えばテンションと呼ばれる音)ので、注意が必要です。その場合は、アレンジャー(楽譜作成者)になぜコードの構成音以外の音が使われているのか確認してみてください。
アレンジ(編曲、作譜)ができるようになる
アカペラ楽譜を作る際にもコードの知識は必要になってきます。基本的にはコードの構成音を使ってコーラスとベースを作っていきますが、いくつかルールが存在します。
例えば、ベースはルートと呼ばれる音を担当したり、コーラスの中でも歌わなくてもいい構成音が存在します。また、女声、男声が適切な音域に収める必要があります。ルールに従ってさえいれば、簡単にアカペラアレンジができるようになります。
ただし、こだわったアレンジをするには、さらなる知識や訓練が必要になってきます。
アカペラアレンジの初心者向けの方法は「新アカペラパーフェクトブック」にて解説していますので、読んでチャレンジしてみてください。
アレンジのレベルが上がる
コードの知識があると、高度なアレンジができるようになります。コードの中でも、テンション、コード進行を学ぶことで、原曲とコードを変えたり、所々にコードを挿入したりできます。
皆さんがいいアレンジだと思う楽譜は、このような手法を取り入れられていることが多いです。是非、簡単なアレンジができたら、コードを変更するアレンジに挑戦してみてください。
アカペラの練習方法、アレンジについてさらに学びたい方は、アカペラパーフェクトブックシリーズを読んでみてください。アカペラの練習方法、アレンジ(楽譜作成)、ボイパ方法など、アカペラを行う上で必要な情報が網羅されており、初心者向けのアカペラ楽譜も収載しています。