今回は4声アレンジに焦点を当てます。
4声は5声に比べてハーモニーが薄くなりがちです。これは1人分の声が減るためです。では、5声に劣らないアレンジをどのように作成すればよいのでしょうか?
主に次の3点に注目して考えると良いでしょう。
必要最低限の和音構成音を使用する
各パートを動かす(ハーモニーの錯覚を生み出す)
4人でハモる時(字ハモなど)を効果的に活用する
必要最低限の和音を使用する
当然のことながら、ルート、3度、7度(4和音の場合)は必ず含めます。
コードが「ド・ミ・ソ」の場合、
ベースは「ド」を担当しますが、コーラスは「ドとミ」を使うか「ミとソ」を使うかは、状況に応じて判断します。
「ド・ミ・ソ」を全て使用したからといって、常に効果的とは限りません。横の流れを考慮しながらアレンジを進めることが大切です。
各パートを動かす(ハーモニーの錯覚を生み出す)
コーラスパートは可能な限り動かします。
例えば、4声の時に「oo(ウー)」と2声がロングトーンで伸ばすと、ハーモニーが薄く感じられます。これは、ロングトーンにより2つの音が同時に聞き取りやすくなるためです。
コーラスラインを動かすことで、「こちらでも音が鳴っている」「あちらでも音が鳴っている」と感じさせ、多くの声があるかのように聞こえます。ベルトーンはこの技法の一例です。
4人でハモる時(字ハモなど)を効果的に活用する
4人でのハモリは最も厚みが出る部分です。これをどう活用するかが鍵となります。
字ハモを使ったり、ロングトーンに使ったりする方法があります。特にサビでは字ハモを使用することが多いです。
サビで4声の字ハモを用いる場合、それ以前のメロディで字ハモを使用していたら、サビとメロディの間に厚みの差がなくなり、盛り上がりに欠けてしまいます。
ですので、字ハモはサビだけにするなど、効果的に盛り上がるような方法を考えてみてください。
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