ううむ…。
無理ありません。
この後は幾らスフォルツァがアイリスは自分のだ。
と言い張っても、皆はアシュアークの事を
皮肉るでしょうね(笑)(笑)
アイリスは隣のスフォルツァを盗み見る。
彼はディングレーからマレーとアスランを託され、横に並ぶ彼らを仕切りに伺い、ナプキンを取ったりグラスを給仕に渡したり。
と甲斐甲斐しく世話を焼いていた。
二人は大貴族が集い、凄まじい食事争奪戦をしなくて済む、給仕に食事を用意される場で、恐縮してるように見えた。
アイリスはアスランが自分と話したそうに時々振り向くのについ、首を傾げる。
尋ねるような仕草。
うっとりするような綺麗な顔でアイリスに見つめられ、アスランはしどろもどる。
「あ…あの。
いいんですか?僕達こんな場所で………」
アイリスはにっこり笑う。
「ディングレーは何て言ってた?」
マレーはフォークで素晴らしいご馳走を刺しては口に運び、横にアイリスを迎えたアスランの、緊張の面持ちを見つめた。
「あの…。
迎えに来るまでここで貴方方と居ろと………」
アイリスがますますにっこり笑う。
「アスラン。
彼は王族で、命じられた以上私達には責任がある」
アスランはアイリスの微笑に見惚れたように頬を染めて見とれる。
スフォルツァはアスランどころか、フィフィルースやアッサリア、ディオネルデス迄見惚れているのに気づき、ついこほん!
と大きな咳払いをする。
が、彼らは最早アイリスの親衛隊のように彼を御姫様扱いして丁重に相対し、スフォルツァは内心
「(やっぱりアシュアークの訪問がマズかったのかな…)」
と顔を俯けて吐息を吐いた。