食堂車の夜は更ける(2)ーワイン全部空けちゃいました | アーディで行こう

アーディで行こう

「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

アーディで行こう-メイン1いよいよメインディシュの登場。
Kuzu Şiş クズ・シシ
ラムのケバブです。
子羊のラムは臭みも少なく食べやすい。
道産子の私は小さい頃からジンギスカン文化で育ったので、ラムとマトンははっきり区別していますが、羊肉っていうだけで敬遠する日本人、多いですね。不味いマトン(マトンにも旨いものはある)に当たった人が多いんですかね。

アーディで行こう-メイン2

こちらは
Tavuk Şiş タウク・シシ
チキンケバブです。
タウク・シシは胸肉を使っているものが多く、パサパサになっているものもありますが、これは及第点。
しかし、2点ともお上品な盛り付けで、ちょっと量が少ないです。当時3歳の娘も一人1皿もらうことにして、さて本格的に呑みますか!



アーディで行こう

TCDD食堂車のワインはアンゴラ
4人が4人ともワイン好きなので、迷わずボトルで1本。まずは肉に合わせて赤ワインを。

ギャルソンがコルクを開けてくれたのは、Angoraという赤ワイン。
今調べたところによると、エーゲ海沿岸で産するカリニャン、アリカンテ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローをブレンドしたワインのようです。
参考にしたのはこちら TasteTurkey
私が好きなのは、カワクルデレ社のYakutというワイン(トルコ航空で出る)なのですが、このアンゴラもわりと辛口で、しっかりしていました。
なお、市場調査をしてみるとヤクートの方が5割ほど値段が高いようです。
TCDDの食堂車のメニュー表によると、現在27TLになっています。市中の酒屋だと15TLくらいだったかな?

アーディで行こう-赤ワイン注ぎ


ワインを開けてくれたのは、食堂車のギャルソン。
グラスへのサーブもしてくれました。
おっと、奥の友人は既に飲んでいます。いやいや、ティスティングでしょうか。

アーディで行こう-赤ワイン乾杯


さあ乾杯!
顔をお見せできないのが残念なくらい、期待に満ちた表情を浮かべている友人夫妻です。
アーディで行こう-赤ワイン乾杯ひーちゃん
私たちも乾杯です。

娘にはワインは早すぎますので、アイランを。
Ayranは中東特産の飲むヨーグルトのトルコ名です。
ヨーグルトに水と塩を混ぜて作るのですが、トルコのはプレーンな味付けが多いので、子どもでも飲みやすいです。


ヨルダンの王の道沿いの個人商店で、自家製のこれを飲んだことがあるのですが、羊の匂いがぷんぷんするコクのありすぎるものを出されて往生した経験があります。アレッポ辺りまでいくと、レストランでもかなり飲みやすいものが出てきますね。

トルコの国鉄では車内販売ワゴンにも必ず載っていますので、ぜひご賞味ください。日本の飲むヨーグルトとほとんど同じ感覚で飲めます。

アーディで行こう

集まるといつもビールやシャンパンで乾杯してからワインをひとり1本以上開けているこのメンツが赤ワイン1本で足りるわけがなく、お次は白ワインを。

こちらもアンゴラです。
デニズリ産のスルタニエというぶどうから作られたワインで、こちらもラベルにと表記された"Dry"の文字に違わない味でした。

今調べてみると、このアンゴラというワインも、私が気に入っているヤクートを作るKavaklıdere(カヴァクルデレ)というアンカラにあるワイナリーの製品でした。
ちなみにヤクートに相当するラインの白ワインは、Çankaya(チャンカヤ)という名前です。



アーディで行こう-白ワイン注ぎ

アーディで行こうこのギャルソンはノリがよく、私たちの食事が進むにつれて次はこれはどうだ、とどんどん提案してくれます。
グラスへのサーブもしてくれ、こちらも大変心地よく飲むことができました。
しかも白だから冷やした方がよいと、下のようにワインクーラーを持ってきてくれました。
見た目もいい。
なかなかのやり手です。




ワインに合わせてチーズ盛り合わせとフルーツ盛り合わせを2皿づつ追加し、さらにワインが飲みたくなった私たちは再度赤ワインを頼みましたが、フルボトルはもうない、ハーフボトルならと。
そんなものは一瞬で(各自1杯で)なくなるので、もう1本頼むと、もう白のハーフしかない。
つまりTCDDの食堂車はワインは白赤それぞれボトルが大小の4本しか在庫がないということでした。
日本人ツアー客の利用が多いアンカラEks.あたりは違うのかな?

アーディで行こう-夜景
ラク(ナツメヤシから作る蒸留酒)ならまだあるぞ、といわれましたが、さすがにこの後ではつらい。




まだ明るいうちから飲み始めた私たちですが、気がついたら車窓には夜の帳が...
2時間近く食べて飲んで、280TLちょっと。この旅では1TL=60円前後でしたから、約16800円。物価を考えると3万円くらいの感覚でしょうか。

それにしても、食堂車でこんなに食べるのは、日本じゃもはや難しいですね。