テル・アビヤッド~アクチャカレ国境踏破レポート(2) | アーディで行こう

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「普通」を意味する便利な言葉、「アーディ」 地元の足として、とことこ走るバスなんかを「アーディ バス」、エジプトではエアコンなし列車を「アーディ」 そんな方法での旅を紹介しましょう。
え、そんなの自分には無理だって? 大丈夫。「アーディ、アーディ」

こちらからの続きです。
いよいよ国境越えです。テルアビヤッドとアクチャカレ国境が丸見えとなる地図を作りました。

$アーディで行こう-アクチャカレ地図国境警備はトルコ軍だけ
翌朝、泊めていただいたお宅を出発。助手の兄ちゃんが国境まで見送ってくれます。
テル・アビヤッドとトルコ側のアクチャカレの町は、完全に隣接しており、その真ん中を国境線が通っています。緩衝地帯はほとんどありません。なにしろ国境線に沿って鉄道線路が通っているくらいです。線路はトルコ側で、脇に普通のフェンスが建っているだけ。国境といえば緩衝地帯を挟んで両国の兵士が向かい合っているのが普通ですが、なんとシリアはトルコ国境については兵士を置いていないんだそうです。兄ちゃん曰く、「シリア政府がお金を払ってトルコ軍に国境警備を委託している」んだそうで、信じられないシステムですね。でも実際、どこのトルコ国境にもシリア軍はいません。みなさんも国境越えのときによーく観察してみてください。

テル・アビヤッド側は小さな小屋ひとつ
フェンスの向こうにあるトルコ国鉄アクチャカレ駅を見ながら東に進むと、路駐のトラックが増え、国境の雰囲気が出てきました。アクセス道路はテル・アビヤッドの町中を避け、西側からアプローチしています。国境の入口には、テル・アビヤッド中心部へ向かうセルビスワゴンが待機していました。たった500mほどですけどね。
入口でパスポートをみせ、塀に囲まれた出入国審査場に入ると、だだっ広いアスファルトの駐車場然とした構内に、ぽつんと小屋が建っていました。どうやらこの小屋が出入国審査場のようです。中には机と椅子くらいしか置けない狭さなので、窓からパスポートを渡して検査を受けます。
日本人は全く問題なく出国できるとのこと。ただ、一緒にいた韓国人について、「トルコにビザなしで入国できるかどうか確認する」と、バイクに乗って出かけてしまいました。街中にあるオフィスにでも戻ったんでしょう。15分ほどで帰ってきて、OKがでました。
出国税は500SP。その他に印紙代として60SPが必要とのことです。この印紙代というのは、トルコ国境では国境によって50SPだったり60SPだったりします。出国税の用紙には、500SPの他に、たしかに50SPの印紙らしきものが貼ってあるんですが...
なにゆえに10SPちがうのか、そしてヨルダン国境では不要なのか、それがよくわかりません。
なお、トルコ側からシリアに入国する場合、事前にビザを取っていなくとも、ここで取れるということです。日本人は観光ビザ24ドルです。
国境が開いているのは、毎日9時~17時とのこと。シリアの公的機関の業務時間である8時~15時じゃないのは、トルコに合わせているんでしょうか。休日についても、シリアは金曜、トルコは日曜なのですが、曜日に関係なく開くそうです。
$アーディで行こう

国境線は鉄道線路
その先、大きな屋根が架かった車両検査場がありますが、がらがらです。そのまま通り抜けると踏切。ここが実際の国境線ですが、歩哨もおらず全くのフリーパスです。線路沿いに歩けばどっかに行けちゃいそうです。
左手にはサイロが見え、その奥がアクチャカレ駅です(写真左下)  右側は原野のなかに線路が一直線に延びているだけ(写真右下)ただし、たぶん写真に写っている左手のトルコ側は地雷原になっていると思われます
$アーディで行こう-線路東西

アーディで行こう-アクチャカレイミグレトルコ側の方が規模が小さい
踏切を渡り、トルコ側出入国審査場に行くと、こちらも屋根がかかった車両検査場になっていました。トルコの陸路国境では、こういった検査場のブースでパスポート審査を受けることが多いのですが、ここは奥の建物の壁に窓口があって、そっちでまとめて審査していました。写真で人が数人固まっている所がそうです。こちらも問題なく入国印が押され、審査場の出口でパスポート・チェックを受けると、そこはアクチャカレの町はずれ。ドルムシュは?と歩哨に聞くと、出ですぐを左に行けということなので、歩きはじめます。