吟遊詩人に贈る歌 2 (吟遊詩人に贈る歌シリーズ)/佐々之 青々
¥700Amazon.co.jp

【100年眠る精霊と、奇跡の歌声の物語。
「世界一の吟遊詩人」となるため、幼なじみのトルチと旅に出たレントは、宿場町のフラートにたどりつく。
そして町で行われる祭事に出場することになるのだが、偶然旧友の歌姫、ハスと再会し…!?】
(アマゾンから引用)

■ 感想とか色々

前作の内容をさっぱり忘れている!
というか今回もサクサク進むので楽っちゃ楽です、もうちょっと苦しんでいいよ! レント!
トルチは、髪飾りじゃ割に合わなくね!? と思うくらい仕打ちだったけど、ああまあ、トルチがそれでいいならそれで。
兄妹扱いだわ、レントを好きな子出て来るわ、レントはその子との協演に価値があると言うわ、勝負も宙返りも失敗しちゃうわで、トルチはもうちょいフォローがあってもいいと思う(笑)
彼への期待と信頼が彼にとって「重すぎる期待」にはならず「支えとなる信頼」なら、まあ、ある意味よく出来てるんじゃないでしょうか。あの子なんか姉さん女房って感じよな…

町おこしの「花祭り」、精霊を呼べれば叶うひとつの願い
世界一になること、有名になると言って村を出た人が里帰りするのに必要な手土産
観客の前で歌うことを怖がる歌姫候補、画策に走る祭り実行委員と、町おこしと精霊を上手くまとめようとする教会側
サクサク進むし、精霊が来ること前提で話がどんどか進むので、「来ない心配はないのか?」と不思議なほどでした。丸く収まったようなのでよかったです。
世界一になってから伝えようとするレントのヘタレっぷりがやべえ。
なにかひとつの区切り。5年も待たせといて(笑) と思わないでもない
あの子がちゃんと「待った」のであれば、その一点だけでトルチは絶賛できる、早々いないだろ、そういう…、「待てる」女。気のせいか? 「待てる女」は好きだからなあ、あんまり読んだことないんだけど、もし読めたら幸せだろうなー。大体、こう、攫われたり、どっかに出掛けちゃったり、不可抗力と言えど、待ってないので。
「1番情けないとこ見せてんだから今更だろ」と思いつつ「1番良い状況で伝えたい」かな、と
彼は彼女の不機嫌を常に「解らない」としていたので、あんまり好きじゃない、かも
そういう風に不機嫌さを出す女の子もどうだろうとは思っていたが、空気壊すほどではなかった


髪飾りが「自分への好意」の表れだとしても、トルチのもうひとつの不安は解消されてないよな
レントを「世界一にする」のに役に立つ方はレント自身もハス(歌姫)って言ってたし
トルチの(軽業師としての)価値は、今回、あんまりなかったか、誤解されていたか、霞んでいたかの、どれかでしかない
歌姫の方が軽業師よりも興行的には魅力だったし、普段のトルチを幾らレントが認めようと、自分の特技を観衆に誤解されたり、吟遊詩人の傍に立つ自分以外の人が嫌なのであれば、どっかでぶつかるんじゃね

年頃の女性が自分の発育状況を気にするのはお約束なのか。
そんな気にしなくてもいいし、気にする理由もよく解らないのだけれど、様式美なんだろうか。
自分だって見るのは好きだしなあ、まあ…、うん…。
落ち込んでる女の子へのフォローとして「あなたの好きな人の1番が、好きな女の子の胸だといいね」くらいは思うけど、実際これなんのフォローにもなっていないというね!!!! そもそも「その子への好意」と「外見への評価」はかなり別物。

イラストレーターはCOMTAさん!
相変わらず可愛かったー
好意を寄せてくれている相手に、好意を覚えるものなのか?
「優しいから好き」ってあんま好きじゃない



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