管見 プロメテウスの罠 その43-2 (続) | 夢破窓在のブログ

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管見 プロメテウスの罠 その43-2 (続)

<SCRAP>
P45
(原発ホワイトアウト 若杉 冽)
原発を動かすと10万年もの間放射線を出し続ける核のゴミが出てくる・・・だからそれを再処理して燃料に使う「文殊」は動かさなくてはならない。原子力ムラの飯の種を維持するため「文殊」が動くと言い続けないと原子力神話は崩壊する。

核燃料サイクルの柱である「文殊」はすでに霞ヶ関では「アリ地獄」と言われている。

コメント:
何を言いたいのか理解できません。
「核のゴミ」とやらは文殊を動かしたからといって処理出来る物は何もありません。
10万年以上の半減期を持つ物質は「文殊」を動かすほど増えます。
「文殊」を動かすとプルトニウムは動かす前よりも増えます。
何かを減らせるというものではありません。

「文殊」を動かす目的は核燃料を海外から買わずに手にいれることが出来るということしかありません。将来ウラン鉱山が枯渇した時に備える事ができます。

海水の淡水化の技術が進み、副産物の濃縮海水からリチウムやマグネシウムなどの鉱物を採取する研究が進んでいます。海水ウランなどが手に入るようになれば無理して「文殊」を動かす必要はなくなります。
核燃料サイクルなど作る必要はありません。

プルトニウムは普通の軽水炉で燃やすことができます。
再処理により濃度2%の燃料が手に入りますから、これを濃縮するなり、高濃度U235燃料と混合するなりして3.5%濃度で利用します。
通常燃料との違いはプルトニウムの濃度が少し高いことです。これによる影響は熱出力が若干大きくなることと、毒物質であるアメリシウムが増えることですが、燃やす本数と炉内の配置を工夫すれば、十分プルトニウムを消化することは出来ます。

この再処理・濃縮燃料は現在使われている燃料よりも割高ですが、石炭やLNGを海外から買ってきて燃やすよりはずっと安く発電できます。

「10万年もの間放射線を出し続ける核のゴミ」とは何の事を言っているのでしょうか?10万年以上の半減期を持つ生成物を挙げて見ます。

   生成物   半減期(年)   収率   ベータ線   ガンマー線
   Tc99   2.11x10^5   6.05   0.293     -
   Cs135  2.3x10^6     ?     0.269     -
   Xr93   1.53x10^6   6.3    0.09      -
   Rb87   4.75x10^10   ?    0.282     -
   Cs137    30        6.2   1.176   0.6617(85.1%)

数百万年とか数百億年も放射線を出し続ける生成物があります。
ガラス固化体の外側には数ミリのガラスがコーティングしてあるとすると、ベータ線は外に出てくることは出来ません。
放射線を出し続けるという表現は不適切です。
上記生成物のいずれもが1崩壊あたりCs137の約4分の1の発熱をする事になります。実際の発熱量はその半減期からしてCs137に比べて崩壊量が数千分の1~数億分の1なのですから、殆ど無視できます。
これが「10万年もの間放射線を出し続ける核のゴミ」の実態です。

300年も経ってCs137が殆ど崩壊し終えるとガラス固化体はただの僅かに暖かなガラスでしかありません。表面が剥離したとしても最大0.3MeV、平均0.1MeVの電子線なんて1mも飛んでこれませんし、外に出られるのは表面に存在するものだけです。
これを浴びたからといって何が起きるというものではありませんし、人体は2~3日で交代する上皮細胞で守られています。

「10万年もの間放射線を出し続ける核のゴミ」など存在しません。

<SCRAP>
P46
財務省の主計官が言った。
「何の研究もせずに単に維持するだけで毎年200億円が必要とされてしまいます。昭和55年以降1兆円以上を投入しておきながら何の成果もない。この費用対効果を国民に説明できるのでしょうか?」
11年11月の「政策仕分けの言葉だ。

コメント:
民主党の「政策仕分け」、全く馬鹿げた行為でした。選挙で選ばれた訳でもない胡散臭い人間が何人も登場して魔女裁判の真似事をしていました。
民主主義とは正反対の世界が展開していました。

高速増殖炉は核燃料であるプルトニウムを増殖できる夢の原子炉です。
現在再処理によってU235とプルトニウムが1%ずつ、計2%の核燃料が保管されています。これを濃縮して燃やせば、燃やす前より多くのプルトニウムが手に入ります。
これからは世界各国で原発が稼動します。高速増殖炉がうまく稼動すれば日本は核燃料輸出国になるのかもしれません。
その一方で、海水ウランの採取が可能になると、こちらの方を輸出するようになるのかも知れません。
高速増殖炉なんてやめて、海水ウラン開発に努力するべきだと言う意見はもっともですが、別にやめなくてもプルトニウムを燃やす方法の一つとしてあっても良いと私は思います。
世界には日本の高速増殖炉開発をなんとしても止めさせたいと考える人々がいます。
日本が独自に核燃料を手に入れる事が出来て、原子力発電の比率が増えると、失う物が大きくなる人がいるのです。
彼らは我々に割高な電気代を負担させないと、収入が大きく減ってしまうのです。
死に物狂いで反対し、工作します。 

<SCRAP>
P49
「原発のごみ」をどうするのか。2014年2月9日の東京都知事選でもっと問われるべきだった。

コメント:
何を考えているのでしょうか?
都知事がどんな権限をもって原子力行政に関与出来るのでしょうか?
国政選挙で問うべき話を、地方自治体の選挙に持ち込むなんて馬鹿げています。
候補者は原発再開に賛成か反対かくらいは表明するべきだったと思いますが、そこに論点を置いてはいけません。
ガラス固化体は様々に有効利用が考えられます。決してゴミではありません。
ところであのハゲ、どっちだったのか?

<SCRAP>
P51
(河野太郎)
「誰が見ても破綻している核燃料サイクルを何事もなかったかのように推進するというのは世の中を愚弄している。」

コメント:
河野一郎は悪徳代議士でしたが、力を持っていてそれなりに仕事もしたそうです。
オリンピックに備えて、上水道の将来計画だった利根川の水の引き込みを強引に早めて突貫工事で隅田川の水を綺麗にしたり、オリンピックの記録映画を作り直させたりしたそうです。
作り直させる前の映画を見た事がありますが、確かに公式記録映画としてはお粗末でした。私的に「私の東京オリンピック」という題で公開されるのなら、あのような作品はあっても良いとは思いますが、世界に見てもらうには日本のお得意の競技に偏り過ぎていました。
スタジアムの影にたたずむ黒人選手に長い間視線を向けていましたが、その選手の何倍も努力して同じ競技でその選手を破って金メダルを得た選手には一瞥もくれませんでした。

息子の洋平は悪党の父親とは対照的な清廉なイメージで登場しましたが、新自由クラブを立ち上げたものの具体的に手を汚して政治の仕事をすることは出来ませんでした。政治家なんて人から恨まれるような仕事をしてナンボという世界です。そして後になって人々から感謝される日も来る、それが政治家です。その意味では洋平は政治家としての仕事を一切しませんでした。綺麗事ばかりを並べ、挙句に河野談話をやらかした売国奴でした。

孫の太郎は二人の悪いところばかりを受け継いでいるようです。
祖父の「アクの強さ」と父親の「偽善者ぶり」です。
この人の発言や原発に関する本を立ち読みしても、なにしろ推敲というものが全くなされていない、勉強した跡が見えない。人から聞きかじった、小耳に挟んだ話を、受け売りで知ったかぶって話すだけです。
核燃料サイクルなんて「サイクルである必要性がない」ことなど少し勉強すればわかる筈です。愚弄もなにもあったものではありません。