管見 プロメテウスの罠 43-1、2 | 夢破窓在のブログ

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管見 プロメテウスの罠 43-1、2

第Ⅷ巻 決して忘れない!原発事故の悲劇

第四十三章 原発のゴミ  
      
P12 はるかモンゴルに使用済み核燃料の処分場案が浮上

<SCRAP>
P12
「日米が共同でモンゴルに使用済み核燃料などの貯蔵処分場を作る計画を立てている」スクープしたのは毎日新聞だった。
モンゴルにはウラン鉱山がいくつかある。ソ連崩壊後にさびれた。
連日の報道やデモの中で関係国が計画を否定するコメントを出した。
現在処分場の計画は表向きストップしている。

コメント:
処分場の建設については様々な方式が検討されて当然です。
しかし、モンゴル案はウラン廃坑を理由に存在したとしても実現の可能性はゼロです。
アクセスが悪すぎます。
どうやって運ぶのですか?
専用の運搬航空機を作りますか?
日本でも中国でもモンゴルでも上空の飛行は許さないでしょう。
どこに陸揚げして運びますか?
地図を見ると、天津に揚げて北京の脇を通ってモンゴルに向かうのが一番の近道のようですが?それともウラジオストックに揚げて中国を横切るのか?

国内に広大な砂漠を持ち、アラスカにも保管場所はいくらでも探せそうなアメリカが日本と共同でこんなことやっているというのも理解できません。
アメリカがモンゴルに保管場所をつくるなどと表明したら世界中から非難されるでしょう。
中国は原子炉を大規模に建設する計画です。モンゴルのウラン鉱山がさびれているのも考えられません。

毎日新聞なんて何も考えずにこんな報道をしているのです。
それを仲間の新聞社が「計画は表向きストップしている」などと、裏では天津港と相談でもしているかのように嘘を書くのです。

<SCRAP>
P28
(北海道幌延町)
「ガラス固化体より発する熱を使い、メタン発酵、養魚、園芸、路面融雪、温水プール、牧草の乾燥、建屋の暖房などのモデルプラントにて実証試験を行ないます」
北海道知事だった横路孝弘が反対を表明した。

コメント:
同じような事を考えていた人がいたようですね。
札幌の豊平川の河川敷にガラス固化体を敷いて融雪場を作れば融雪作業が楽になりそうですね。横にヘルスセンターを作って、配管を通して水を温めて温泉にする、熱帯植物園も併設すると良いでしょう。
園芸や牧草の乾燥はガンマー線が善玉菌を駆除する可能性があるので注意が必要です。距離を置いて配管から温風を送ることになるのでしょう。

P31 絶対に崩れない核燃料サイクル政策

<SCRAP>
P34
「再処理路線でなければ使用済み燃料の受け入れ先がなくなり原発が停まってしまう」

コメント:
使用済み燃料の受け入れ先なんてカネさえ出せば世界中何処にでもあります。
原発が停まってしまう、などということはあり得ません。
再処理をしようがしまいが関係ありません。
使用済み燃料にはU235とプルトニウムが1%ずつ存在しますからガラス固化体と分別して再利用しようと考えるのは当然です。(通常燃料より割高です)
ところで韓国は使用済み燃料はどのようにしているのでしょうね?
中国は場所ならいくらでもありそうですが、処分方式はなぜか報道されることはありません。

<SCRAP>
P43
MOX燃料とは再処理で取り出したプルトニウムとウランを使った燃料。それを普通の原発で使うのがプルサーマルだ。コストがかかる上、危険度が高いという指摘もある。

コメント:
MOX燃料は通常の核燃料に比べてコストがかかります。
ガラス固化体と分別する再処理コスト。
分別後の燃料はプルトニウムとU235が1%ずつ計2%の濃度ですから、既存の軽水炉で燃やすのには3.5%まで濃縮するか、5%の燃料を注文して半々に混ぜるかする作業が必要になりここでもコストがかかります。
これはあくまでも現在使っている燃料と比較した場合の話です。
コストを比較する相手が別に存在します。石炭やLNGです。MOX燃料はこれらに比べて遥かに割安な燃料です。

「危険と言う指摘もある」
こんな書き方をしてはいけません。これこれの理由で危険になる、と理論的に明示しなくてはなりません。
「指摘もある」なんて書き方が許されたいかようにも、好みの指摘を記事に出来てしまいます。
3~4年で燃料棒集合体は役割を終えますが、最後の年に発する熱の3分の1はプルトニウムが燃焼して発する熱だそうです。
何十年もプルトニウムを燃焼させて運用してきているのに「危険度が高い」と指摘するのなら違いを明快に説明するべきです。

<SCRAP>
P44
六ヶ所村で再処理が始まれば年800トンの使用済み核燃料が処理できる。しかしそれによって核兵器への転用も可能なプルトニウムが年約8トンずつ出来る。

コメント:
軽水炉で生成されたプルトニウムは核兵器には転用できません。
軽水炉で作られるプルトニウムには24%のPu240、12%のPu241が含まれています。核兵器に使用するにはPu239が95%以上の核兵器級プルトニウムが必要です。分子量が3つ違うU238とU235を濃縮するのに大変な手間をかけています。
分子量が1つしか違わないPu239とPu240を分離するのは無理です。核兵器級のプルトニウムを作るなら専用の黒鉛炉を作ってU235を燃やす方がずっと安く作れます。
「核兵器への転用も可能なプルトニウム」なんて作られてはいません。

(続く)