真保裕一 『アマルフィ』 | 映画な日々。読書な日々。

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アマルフィ/真保 裕一
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少女が失踪。誘拐かテロの序章か?イタリアを舞台に壮大なスケールで描かれる、織田裕二主演の超大作映画の原作本。真保裕一ならではのエンターテイメントサスペンス小説。

フジテレビ開局50周年記念映画『アマルフィ』の原作本。というより、真保さんが映画のプロット作りから参加した作品で、そのプロットを元に書き下ろした小説。どうやら映画とはちょっと話が違う部分があるようなのですが、映画未見の為わかりません。


日伊共同開発の調印式のためにローマを訪れる外務大臣の警護に当たることとなった外交官の黒田。しかしイタリアの日本大使館に赴任するや早々に、日本大使館に火炎瓶が投げ込まれ、警備の強化を余儀なくされる大使館。さらに娘にアマルフィの美しい海を見せる為に旅行に来ていた日本人女性・矢上紗江子の9歳の娘・まどかが、ローマのホテルで誘拐された。ホテルの監視カメラにはまどか姿は映っていない。


大使館の見解としては、事件はイタリア警察に任せ、大使館はオブザーバーに徹しろ、と言う。つまり大使館は下手だしはしない、一切の責任を負わないと。


しかし役人気質を好まず、型破りな男・黒田は大使館の見解を無視して、邦人保護担当領事として母親と一緒に誘拐事件を追うことになる。

映画の存在を知っているので、織田裕二や天海祐希、戸田恵梨香をイメージしながら読んでしまいました。ですが、娘を誘拐される母親・矢上紗江子は正直天海さんのイメージではないです。というか、矢上紗江子があまり魅力的な女性に描かれてはいなくてちょっと不満。


黒田は踊る大走査線の青島と若干かぶるものがあります。上の言うことを聞かずに、本能のまま、自分が本当にすべき仕事をする熱血タイプ。


身代金受け渡し失敗後、紗江子は何か隠していることがある様子。一方黒田は上の言うことを無視し、外務大臣の警護よりも誘拐事件を追う。


最初はなかなか話が展開しないし、紗江子もなんだかはっきりしないし、犯人の行動も少し出てくることは出てくるのですが、イマイチ誘拐した意図とかも掴めないかったりという感じだったのですが、セキュリティ会社に辿りついたあたりから急展開。そこからがなかなか面白かったです。


ただ政治や民族問題と誘拐を無理矢理に結びつけていたり、緻密な計画をしている割には犯人が運任せな所があったりと、ちょっと強引な展開だったかな。犯人の意図はわかったけれど、本当にこの誘拐事件を起こす必要があったのか、それは正直説得力に欠ける感じがありました。


あと黒田があまりにもデキすぎかな。イタリア警察が当てにならないのはわかりましたが、外交官なのに日本の警察以上の動きを見せてましたから。


結構面白く読んだのですが、なんとなく盛り上がりに欠けて中途半端な感じだったのは否めないです。映画はどうなのかな?


★★★