- 星野 夏
- あおぞら
彼女の人生は、中学2年のある日を境に一変しました。
信じていた友だちからの裏切りとレイプ。
あまりにもつらい体験に、女の子は生きる意味を見失ってしまいます。援交、リストカット、夜の仕事…。誰にも言えない苦しみを抱えたまま、出口のない暗闇をただやり過ごすだけの日々のはじまりでした。そんな毎日にようやく希望の光を灯してくれたのは、高校で出会った恋人こぅちゃん。けれど、その彼も突然の事故で彼女のもとを去っていったのです…。
まだ10代の作者が実際に体験したお話だそうです。作家ではないので、文章は上手ではありません。でもだからこそ伝わってくるものがありました。
なんでこんなにつらいめにあわなくてはいけないんだろう、というぐらい彼女には悲しい出来事が沢山おきます。
信じていた友人からの裏切り、レイプ、嫌がらせ・・・そして恋人の死。
これが実話だなんて、現実にこんなことをされてる子がいるなんてと思うと切なくて悔しくて。
レイプした男達、彼女につきまとって嫌がらせし続けたマサト、あんたたち恥ずかしいと思わないの!と言いたくなります。
きっとこの子はかわいい子なんだろうな、と思いました。そして素直でとてもいい子なんだろうと。
自分の過去をきちんと受け入れ、恋人の死をきちんと受け入れ、そして自分を支えてくれた人たちにきちんと感謝の気持を持ちながらこれからを「生きよう」としている彼女は本当にすばらしいと思います。
つらいことを沢山経験した彼女がそれでも「生きていて本当によかった」と心から思っている、そのことを伝えるために書いたこの本は、是非多くの人に読んでもらいたいと思います。
生きていれば辛いことも悲しいこともある。希望を見失ってしまい、生きる意味を見失ってしまうことがあるかもしれない。そんな人はこの本を手にとってもらいたいです。きっと自分の悩みがちっぽけなものに思えて、生きる勇気が湧いてくるから。
★★★