『4A基礎講座(パック)』『4A実践答練』『4A個別指導』『4A論文過去問分析講義(3系統総合パック)』(9/11追記)の個別相談制度には、個別学習カウンセリングと個別答案指導があります(パンフP21上)。

いずれも、私自身が、皆さん1人1人の勉強法・スケジューリングや論文式問題の解き方・答案の書き方など全般について相談に乗る内容になることが多く、あまり区別する必要もなくなってきたので、最近は両者の機会を同時に提供しています(そのため、以下、両者を合わせて「個別相談」と呼びます)。

個別相談は、制限時間(1人30分)の許す限り、皆さんの好きに利用していただいていいのですが、「どんな論文答案を見せるのがいいのか?」といった質問を複数いただいたので、記事にしてみました。

あくまで利用“例”を、これまでの経験から思いつくままにダーッと挙げた(論文答案を見せる利用例は、長くなったので後回しにしています)だけなので、以下に挙げた以外の形で利用することも、もちろんOKです!

なんのために個別相談を利用するのかという目的を設定した上で、どのような手段を採るべきかを考えると、効果的になりやすいと思います。今後も何回か、個別相談の機会を提供しますから、利用方法を試行錯誤できますし。


1.利用例:短答対策を相談する

(1)短答本試験(これから受ける試験以外のでもいいです)の受験経験があれば、その問題冊子と採点結果を持ってきてください。特に、問題冊子への書き込みから、様々なことが分析できるので。

(2)上記(1)の短答再現等 をしていたら、それも持ってきてください。さらに効果的な分析ができるので。

(3)普段勉強に使っている過去問集を、(全部は重いと思うので)できる限り持ってきてください。普段の勉強方法を見るためです。


2.利用例:スケジューリングを相談する

(1)自分の1週間の可処分時間(勉強に使える時間)をだいたい算出してきてください。平日・休日の別がある人は、さらに、平日の1日当たりの可処分時間と休日の1日当たりの可処分時間も算出してきてください。

(2)現在の1週間の平均的な勉強内容を、なんとなく(口頭で伝えられるくらいでもいいので)まとめてきてください。


3.利用例:論文答案を見せる
(1) 前提の確認
個別相談のご案内にも書いてありますが、問題文、答案(+残っていれば答案構成)を持参(渋谷校に来られない方はコンビニでスキャン等してデータ送付)してください。

問題は、本当になんでもあり、無制限です。

1人30分枠をフルに使うとなると、問題・答案にもよりますが、3通くらいが限界です。

(2) 見せる答案の選択

ア 主観的に「できた!」と思った答案を見せる場合

(ア) メリット

・自分の「できた!」感の当否を確認できる。

・客観的にも「できている」と判定されれば、自信がつく。

(イ) デメリット

・客観的にも「できている」答案だと、自分の弱点を発見できない可能性がある。

・客観的には「できていない」答案と判定されると、へこむかもしれない(伝え方は、皆さん1人1人の個性に応じて工夫しているつもりですが)。


イ 主観的に「できなかった…」と思った答案を見せる場合

(ア) メリット

・自分の弱点を発見しやすい。

・客観的には「できている」と判定されれば、「な~んだ、こんなもんでいいのか」となり(このパターンが結構多い)、合格ラインの感覚が修正される。

(イ) デメリット

・自分の長所が発見されにくい可能性がわずかにある(これまでは、そんなことはありませんでした…どんな答案にも、光るところがあります)。

・見せるのが恥ずかしい(これを乗り超えてほしい!)


ウ 自分の受ける論文本試験過去問の答案を見せる場合

(ア) メリット

・現時点での、論文本試験合格レベルとの距離を測ることができる。

・論文本試験の疑似体験ができる。

→なので、制限時間や使用する六法等、“できる限り”でいいので、論文本試験と同様の条件下でやると効果的。

(イ) デメリット

・論文本試験合格レベルが遠いと判定されるとへこむかも。

・論文本試験合格レベルを(優に)超えていると判断されると油断するかも。


エ 4A論文解法パターン講義で扱った問題の答案を見せる場合

(ア) メリット

・同講義の(予習・)復習方法等の当否まで具体的なアドバイスが期待できる(別途、相談してもOKですが)。

(イ) デメリット

・“初見”問題ではない以上、“初見”問題への対処法についてのアドバイスを得にくい。


オ 4A論文解法パターン講義で扱っていない法科大学院入試過去問の答案を見せる場合

(ア) メリット

・それが志望校の過去問ならば、上記ウ(ア)と同様。

・法科大学院入試過去問の再現・完全答案集は市販されていないので、合格レベルに達しているかを客観的に判定するためのほぼ唯一の機会かもしれない(他に、信頼できる客観的判定者がいれば別)。

(イ) デメリット

・私が分析したことのない法科大学院(下位校に多いです)入試過去問だと、出題意図や合格ラインを適切に判定できない可能性がある。少なくとも、時間がかかる。


カ TACの論文答練の答案を見せる場合

(ア) メリット

・採点や添削で納得いかないところについて、ダブルチェックを受けられる。

・“初見”問題への対処法についてのアドバイスを得やすい。

(イ) デメリット

・既に配布している、私の一般的なアドバイス(“講評”)と同じアドバイスになる可能性がある。


キ 他校の論文答練・模試の答案を見せる場合

(ア) メリット

・他校の採点や添削で納得いかないところについて、ダブルチェックを受けられる。

・“初見”問題への対処法についてのアドバイスを得やすい。

(イ)デメリット

・私には、他校の問題の出題意図・合格ラインが分からない。

・ほぼ例外なく、本試験問題と乖離しているため、本試験合格に役立つアドバイスを得にくい。