2012.2 山形・山寺と蔵王樹氷 2日目 その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

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カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

樹氷。

と聞くと、とても美しい語感に、幻想的な風景を思い浮かべます。

冬に、特定の条件を満たした場所でしか見られない景色。

蔵王は、日本でもそれほど多くはない樹氷原の名所として

知られています。


一度何とか、樹氷群の作り出す景色を見てみたい!

ということで、真冬の山形の旅2日目は、いよいよ蔵王・地蔵山へ

登ります。


(1日目、山寺へのはじまりはこちら 。)


山形蔵王の樹氷原へは、ロープウェイで上がることができます。

スキーが出来なくても、大丈夫です。


1日目は雲ひとつないくらいの快晴だった山形。

しかしこの日は、どんより雪雲が垂れこめて、朝から灰色の世界。

まぁ、この季節、快晴の方が珍しいみたいで、大体こんな感じの

天気の方が多いらしいです。


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新雪。









雪が前日よりもまた一段と深く降り積もっているのが分かりました。

ふかふかの新雪に覆われた道に、足跡を深くつけながら

ロープウェイ乗り場「蔵王山麓駅」まで15分ほど歩きます。


休日だったためか、朝からたくさんのお客さんがロープウェイに

並んでいました。

樹氷を見に行く方、スキーで降りてこようという方、いろいろです。


ここでショッキングなことが…

ロープウェイの係員の方の構内アナウンス。


「本日、山頂は大変天候が悪く吹雪いており、樹氷もあまり見えません!

 ロープウェイはおススメしません!」


…えぇ~~~(´д`;)!

ロープウェイで商売しているはずの係員さんのお言葉とは思えない(笑)

ですが、それくらい本気で頂上は大変なことになっているということ…。


ちょっと躊躇いましたが、今回の旅の目的はまさに「樹氷を見る」!

これを諦めたら何のために来たのか分かりません。

自分が出かけるときは晴れになることが多いので、

今回も自分の晴れパワーを信じてロープウェイに乗り込むことにしました。

晴れてなくても、樹氷が見られればそれでいい!行ってやる!!


ということで、係員さんの言葉で逆に奮起し、

まずは蔵王ロープウェイ山麓線で「蔵王山麓駅」→「樹氷高原駅」へ。

そこから蔵王ロープウェイ山頂線で「地蔵山頂駅」に向かいます。


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蔵王ロープウェイ。














ロープウェイの空中散歩って心がときめきますね。

スキー客でぎゅうぎゅう、10分弱の空の旅。

車窓の変化も面白いです、最初ははっきりと山肌に立つ松の木の色が

見えているのですが、徐々に徐々に、それらが真っ白く化粧していきます。


吹雪く音がごうごうと聞こえていましたが、無事に地蔵山頂駅に到着。

外に出ると…


まっしろ。


横殴りに雪…というかもはや氷が吹きつけてきて、顔が痛い。

目もほぼ開けられない。

マフラーもすぐ氷まみれになりました。


これが真冬の、蔵王山頂の、吹雪…

なんという厳しさ。

自分の晴れパワーなんて所詮都会育ちの温いモノでした…


それでも、樹氷群を視界にとらえることはできました。

あまり開けられない目の代わりに、カメラのレンズが頑張ってくれます。


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アイス・モンスターの行進。









間近に見てみると、"美しいもの"というより、"面白いもの"でした。
自分より背丈のあるトドマツの木が、細かい模様のびっしり入った

硬そうな雪に覆われて、少し背中を丸めている。

真っ白い毛に覆われた彫像のようにも見えます。


樹氷は英語で言うと「ICE MONSTER」。

英語の方が素直ですね(笑)

日本語は、美しさを織り交ぜるのが好きだから、

時として本質を隠すこともあるなぁと思います。

そんな綺麗で奥ゆかしいところが好きですが。


これは山頂の方を見上げて撮った写真で、

よく見ると、行進軍の上の方にも、山肌に沿って樹氷が連なっています。

これを眺めていた地元の方でしょうか、二人組の会話が

「今日、結構見えるほうだよね」

「うん、上の方まで見えるもんねぇ」

…この猛吹雪でもいい方なのか。雪山恐ろしい。

ですが、少しは自分の晴れパワーも通じた模様。


樹氷シリーズ、他にもこんなのもいました。


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怪獣たちの会話。








トドマツの細い枝が触手みたいに見えて

宇宙に棲む生き物たちの久しぶりの再会!に見えました(笑)

怪獣みたいなのがたくさんいておもしろいです。

大きいので迫力もありますよ。


別の場所に佇む怪獣は…


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雪山の守り神。









吹雪の中、白くひとり佇んでじっとしている。

かっこよくもあります。

尻尾がエビみたい。

こういうシルエットのポケモンいたような気がする。


樹氷というのは、ある特定の条件が重なったときにのみできます。

日本海から吹く季節風に乗った雪雲が、山脈を越えるときに冷やされ、

雪の中に過冷却状態の水(零度以下でも凍らない水)ができます。

それがトドマツにぶつかると凍って、着氷します。

そこに雪のかけらがくっついて固まって…を繰り返すと

やがて木全体が雪に覆われ、樹氷のできあがりです。


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雪の鎧。









近づいて見てみると、固まった雪がびっしり。

まさに雪の鎧です。

ピーク時には、松の木の黒が見えなくなるくらい真っ白に覆われます。


この樹氷原の中をスキーで滑るコースもあって、

スキー板やボードを持った人たちはそちらの方へ向かっていきました。


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樹氷原の道標。















ザンゲ坂…何か謝りながら通るのだろうか…。

さすが地蔵山(?)。

スキーができたらぜひ滑り降りてみたいですが

まったくできないので、、ロープウェイで下ります。


凍てつく冬に作りだされる、自然の雪像。

人が作ったものでないので、またどうなるか分からない面白さがある。

ロープウェイの係員さんには止められましたが、やっぱり行って

生で見られてよかったです。行くに限る。

雪山の厳しさも同時に知らされましたが、それも含めていい経験です。


あとは、山頂のお地蔵様にお会いしてから下山します!

2日目 その2はこちら