2012.2 山形・山寺と蔵王樹氷 1日目 その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

それぞれの季節にしか無いものがあるように、

冬にしか見られないものがある。

いつか、誰かが言っていた、

「寒いところには寒い季節に行くのが一番いい」

という言葉が妙に引っ掛かって、

意を決して訪れてみることにしました。


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氷の世界へ。








行くぜ、東北!

ということで、豪雪地帯・山形の旅。

2日間で、都会にいるときの数年分の雪を見て、体験した。

もうそれだけで別世界です。

厳しい寒さと雪。白い世界。

その中でなお温かい、人のこころ。


1日目は、いつか行ってみたいと思っていた

山寺(立石寺)へ。

ここは、「奥の細道」をたどり、松尾芭蕉が訪れたことで有名ですね。


山形駅からJR仙山線に乗り、山寺駅で下車。

この日は強風と雪で電車が遅れていたのですが、

ちょうど1時間前の電車がいい具合に来て、無事に行けました。

こんなところも自然の険しさを感じる。


山寺駅から山門まで、歩きます。

途中にはいくつかお土産屋さんが並び、

おばちゃんが声をかけてくれ、山寺に行くなら地図持ってき~

と紙の地図をくれました。


町は雪の中。


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白く包まれて。














足下からさくさくという音が聞こえる以外は

静寂そのものです。

空は晴れていて、雪が眩しく、

それでも吐く息はどこまでも白い。


やがて登山口を見つけ、入山。

まずはお寺の根本中堂が迎えてくれます。


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境内。














朝早めだったからか、この厳しい時期に

来る人は少ないからなのか、人はほとんどいません。

こんもりと雪に覆われて、人が通る道が申し訳程度に

作られていました。

その上を通らせていただいて、お参り。


境内を横切って奥へ進むと、彼の姿もありました。


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おくのほそみち。













「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」

松尾芭蕉がここで詠んだとされている句です。

芭蕉が山寺に着いたのは夏みたいですが、

雪の中でじっと腰を下ろす姿もまた情感が湧きますね。


さて、いよいよ山門。

山寺は、文字通り「宝珠山」という山の中に開かれたお寺なので

奥の院までは基本、登山です。

しかも、冬…深い雪と氷に歩道を覆われて、

歩く場所もままならない。

正直生きて帰れるかだいぶ不安で、実際結構危ない思いも

したのですが(今でこそ笑えますが…)、その分景色は絶景でした。


冬山登山の準備を十分にしていった方がいいです。

靴は滑らないもの、スパイクとか付いてると良いと思います。

新雪ならいいのですが…その下はほぼ氷なので、

ものっすごい滑ります。危ない。。

写真を撮るときも、どうしたって片手or両手を離すことになるので

足場をしっかり確認しないと危ないです。


山門をくぐると、そこから先は、森の中。


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深い森。














一面、青い光とコントラストの中を

少しずつ、少しずつ登っていきます。

階段は固く氷に閉ざされて、つるつる滑るので

手すりに必死にしがみついて、ほぼ腕の力で登っていきました。

森の中はしん…としていて、時折とさっ…とどこかで雪が落ちた音が

波紋のように響いてくるのみ。

自分の呼吸の音が、凛とした冬の冷たい空気に溶けて

空に消えていく。

この青い世界は、とても綺麗です。


登っていくと、崖には見たこともない大きな大きなつららが。

真っすぐに伸びて、その鋭さは冬の厳しさを映す鏡。


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いくつもの線。














そして芸術。

冬は色のない分、造形美がよく映えます。


こんな景色も。


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雪灯籠。













さらに上がっていくと、頭上を覆っていた針葉樹が開けて、

空が見えてきます。

そして、そこに聳える仁王門。


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山へ迎える。








門の脇には、祈りのようにカラフルな千羽鶴が飾ってありました。

何かを明確に示しているわけではなかったけど、

この白の世界の中にあって、不思議な輝きを感じました。

凛とした冬の気配に乗って、届けたい人へ届くといい。


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祈り。











まだ宝珠山の中腹。

このあとは、蒼空のもとをザクザクと歩いて登って、

青い山を、白い大地を見晴らす場所へ。


冬の似合う東北の、正真正銘冬の景色。

もう少しこの静かな空気は続きます。

*その2はこちら