2012.2 山形・山寺と蔵王樹氷 2日目 その2 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

氷が吹きつけて、視界が真っ白な

山形蔵王・樹氷の旅、続きです。


*樹氷の旅、その1はこちら


アイス・モンスターと呼ばれる彼らは、

標高の高いところに身を潜めていました。

押し寄せる吹雪にも動じず、じっと構えて立つ怪獣たちは

面白く、感動的でもあり、自然の造形に驚くこと間違いなし。


そして、彼らとともに、蔵王地蔵山の頂上に行ったら

会わなければならない人物がもうひとり。


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吹雪でも笑顔。









蔵王地蔵尊です。

本当は坐禅を組んだ姿で、なんと…体長は2.34メートルあるんです。

え?肩口までしか出ていないということは…

雪が2メートル近く積もっていることになりますね。

自分の身長をゆうに超える雪がここに…雪山恐るべし。


雪の粒が吹きっさらしのお顔に吹きつけて凍っていますが

それでもお地蔵様の慈愛に満ちた笑顔。

この厳しい天候の中で、ひとつのおひさまのように温かです。


さて、一通り樹氷を眺めて山頂駅をあとにし、

ロープウェイの中継地点である樹氷高原駅まで戻ります。

山の中腹にあるこの駅では、葉の落ちた樹木に

雪が細く長くかぶって、枝全体が雪の結晶のように見えます。


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雪かぶり。









写真だと分かりづらいですね;

迫力のある樹氷とはまた違い、こちらは繊細な雰囲気で

冬の空に溶け込む枝の細さがとても心地いい感じです。


さらにロープウェイで山を下ります。

ここからは「蔵王ロープウェイの車窓から」ということで。


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雪の花。















山の中腹あたりは広葉樹林が広がっているようで、

細い枝が幾重にも重なると、

ふわっと花が開いたように見えます。

一面の白と青、色のない世界に咲く花。


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砂糖菓子のように。














もう少し下って山の裾野の方は、再び針葉樹林。

クリスマスツリーのように円錐形の松の木の上から

粉砂糖が優しく降りかかって、

まるでケーキの上の砂糖菓子みたいです。

なぜか、どこか暖かい感じのする景色。


車窓の風景を楽しんでいると、あっという間に麓へ帰還。

ロープウェイの係員さんはおススメしなかったけど、

樹氷をはじめ、冬山の、冬山でしか見られない自然の姿を

見ることができて、やはり行ってよかったなと思いました。

そして、無事に帰れたのはきっとお地蔵様のお陰ですね。

ありがたや。


蔵王温泉街に帰ってきて、昼食を取りました。

とにかくあったかいモノを…と思ってほっつき歩いていたら

少し外れたところに、お餅屋さんがありました。


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昼餉と湯気。









うどんでも入っていそうな大きな椀ですが、

だしの利いたつゆにきのこや山菜などのたくさんの刻み野菜、

その下には食べやすい大きさに切られた白いお餅が。

一口飲んで、冷たい体内を一気に温めてくれました。

思わずホーッと長い息が漏れました。


引き戸の外では、屋根の上でこのお店のお父さんらしき方が

雪おろしをされていました。

お母さんがその様子を外で見守り、時折何か声をかけます。

まわりに積もった雪を伝って屋根の上に登れてしまうというのも

凄いし、そこからさらに積もった雪をざくざくと屋根の下に放ってゆく、

その大変さも、外から見た限りですが少し実感できた気がします。

雪と生きていくことの大変さ。


民家の軒下はこんな感じ。


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成長。














つらら!

都会ではめったに見られないので、珍しいんです。。

しかも、こんなに長く成長したのを見るのは、初めてでした。

つららと霜柱は、しんとする寒さの中で、胸をわくわくとさせる

素敵な冬の魔法です。


最後、山形駅行きのバスに乗ろうと引き返したところを、

赤い実がお見送りしてくれました。


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雪化粧。









この2日間で、ずっと雪景色に視界が覆われていたので

あ、鮮やかな色が差している…とすごく心が動きました。

雪の中にある赤はとても神秘的で綺麗ですね。



寒いところには冬に行くのが一番いい。

この2日間で、都会にいるときの数年分の雪を見た気がします。

それくらい、いつもと違う世界。違う景色。違う暮らし。

それを感じられる、この極寒の中でしか味わえない感覚。

そして、この冬の白と青も、自分は好きだなぁと思いました。


あと、雪の上の歩き方のコツが随分身についたので

今冬は転ばなくて済みそうだ、と思います(笑)