明日、車椅子を借りるために電話をかけると決めた。
ええっと、何回目かな。
車椅子を借りるのは。
短い期間だといいなぁ。
四月に車椅子を返したばかりだったけれど、今回は歩けた時期が思ったより短かった。
「以前の車椅子の時は・・」
と、話を娘に向けたら
「そんなの覚えてないよ。知らない」
娘はどこの時間を、どんな次元を歩いているのだろうか。
会話が止まることが多い。
「知らない」
「覚えていないよ」
「分かんない」
痛みを忘れてしまっているのはいいことなのかもしれない。
あんな痛みを覚えていたらたまらないから。
娘に起こったことを話すと、以前から
「人のことを聞いているみたい。昔何があったのか何もわからないから、インタビューとか受けても何も答えられないよ。何も知らないんだから」
そうなんだね。
そうなっちゃっているんだね。
私は受け入れているよ。
絶対に治すからね。