ブラジルを、BRICSの一員として注目してみました。
やっぱり気になるブラジル株式市場と通貨レアルの動向
日興アセットメネージメント 楽読 Vol.248
http://www.toshin-sc.com/rsrc/pdf/manage/new/013_20100525_01.pdf
ブラジル株式市場では、ボベスパ指数が、4月8日に年初来高値をつけたものの、その後、下落傾向が強まっています。
ボベスパ指数は、5月19日に節目の60,000ポイントを下回り、20日には直近の高値からの下落率が約18.9%となりました。
ブラジル株式市場の下落は、ブラジル企業の大型投資に対する需給悪化懸念など、国内要因が考えられるものの、ギリシャ問題に端を発する欧州における信用不安の広がりなどを背景に、投資家のリスク回避姿勢が高まり、新興国市場からの資金流出が顕著となっていることが大きな要因になっていると考えられます。
また、中国における不動産価格抑制の一段の強化が、中国の景気減速につながるのではないかといった見方の拡がりも、市場の下押し圧力になったとみられます。
こうしたことを受け、為替市場においても通貨レアル(対円)の下落が大きなものとなりました。
しかしながら、ブラジル経済は、引き続き消費主導で堅調に推移しているほか、中長期的な安定成長の実現に向けて、インフレ抑制をめざし、適切な舵取りが行われていると考えられます。
投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、ブラジルのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や相対的に高い金利などが再び評価される状況となれば、ブラジル市場は潜在成長性に見合った上昇傾向を取り戻すものと期待されます。
かなり、楽観的、さすが楽読?
もっとも、楽に読める易しい解説というつもりだろうけど。
やはり、欧州の経済的な沈下は南米にも影響がないとは言えないんじゃないでしょうか。
欧州の影響が、小さいとは思えない。
南米で製造されるものが欧州向けに輸出されるのと、北米向けにいくのとでは、そうとうな差があるだろうけど。
ブラジルやベネズエラは別として、南米内部での内需は、まだあまり期待できないだろう。
それにしても、ブラジルは注目されている。
内政を結構重視しているのと、景気の良さがあるからでしょう。
ブラジル・ルラ政権の支持率、76.1%に達した。
確かに特にこの1年、全体として経済も外交も順調だと言われている。
ブラジルの国際的地位も、この間劇的に上がった。
でもその背後で、いろいろ問題も抱えているらしい。
ブラジルでは、5月25から27日ブラジリアで大統領府人権事務局(SEDH) 主催で「第1回奴隷労働根絶のための全国会議」が開催され、政府関係者、雇用者側、市民社会側の代表が集まり、なぜ高い経済成長の中でも奴隷労働がなくならないのか協議したという。http://ow.ly/1OJyL
日本では非正規雇用問題、こんな会議開こうなんて、動きなかった。
深刻度以上に、問題意識の差?
ブラジルではルラ政権の評価も、ブラジルNGOからみるときびしいそうですね。
前大統領が国家をぶちこわしたとしたら、ルラは社会をぶちこわしにした、なんて声もあるらしい。
なぜ高い経済成長の中でも奴隷労働がなくならないのか、ここが、ルラは社会をぶちこわしにしたと批判されるゆえん?
見方を変えれば、奴隷労働がなくならないから高い経済成長してるとも、言えてしまうからでしょう。
そういえば日本でも、大企業の内部留保が増えた裏で、被雇用者の所得水準は下がったのは確か。
大企業の内部留保が増えた背景には、非正規雇用の拡大があったでしょ。
日本でも、最近高い支持率の首相はいたけど経済が良くなったとはいえなかったので、彼がやめてしばらくしたら結局政権交代。
労働者に関する問題があったのは、日本もブラジルも共通。
でも、政府関係者、雇用者側、市民社会側の代表が集まり会議を開いたブラジルは、内政重視を印象付けますね。
こんなことも、景気が良い理由?
無視されたと思われるよりは、良いのかも。
石油の輸入国だったブラジルだけど、油田が見つかったおかげで輸入が不要になった。
おまけにエタノールをがんがん国内で作ってるから、安定したらしいけど。
何時までも安定は続くんだろうか。
未開発な箇所が多い深海油田が、かなり多くの産油量が期待できるから、それだけでも経済には余裕が出るでしょうね。
石油以外にも、エネルギー資源も持っているのです。
豊かな水を使って、水力発電が占める割合は大きい。
そのうえ、バイオエタノール。
さらにブラジルは、世界有数の資源大国で、“出ない鉱物はない”といわれます。
なかでも鉄鉱石はその品質の高さから世界的な需要があり、世界シェアは約20パーセント。
カラジャス鉱山は世界最大級の鉄鉱石生産企業であるリオドセ社が保有しているけど、世界需要の約500年分の埋蔵量があるともいわれています。
ほかにも、アルミニウムの原材料であるボーキサイト、レアメタルのマンガンやニオブ、いずれも世界のトップ3に入る産出量。
レアメタルと言えば、中国から輸入できるかどうか懸念される展開になってますね。
それを持っている国は、軽く見ちゃ駄目でしょ。
こういう国の実情を知って、仲良くできると事は仲良くしないと。
資源に擦り寄ってると、足もと見られちゃまずいですけどね。