入試問題のネット投稿問題が起こっています。誰でも気軽に他の人の知恵を借りることができるサイトを使って、本来自分一人で臨まねばならない入学試験においても、誰かに救いを求めようとする人間が現れたことに危惧を感じます。
誰かが考えてくれるだろう、誰かが教えてくれるだろう、そうやって自分で知恵を絞ることを忘れていく他律信仰ならば、それは大変問題です。本来教育は、自律を軸にして施されるべきものだと私は思います。協調性の育みは没個性や自己滅却とは関係ない。協調性は一人の自律した存在として他者と関わりあうコミュニケーション能力です。自律を基軸としながらも、そこには他からの支えがあるということを忘れてはならない。
だからといって、自律信仰を突き進むのは身の破滅を招く。人間はそんな頑丈ではありません。要はバランスであって、何事も自分一人でやれると思っていても、何事も他人がやってくれると思っていても、結末は自滅です。
お互いは背負い背負われる関係。人間社会の常則がそこにあります。