‥‥貴方がずっと、ここにいてくれればいいのにーーー



あらすじ買いです!!
あらすじを読んだ時から好きな話!と思っていたので
とっても読むのを楽しみにしていた作品でした!

海野さんは全部読んでいるわけじゃないんだけど、
時々ドツボをつかれたりするので
好きな作家様のお一人ではあります。

今回の作品は30才近い成人男性・・しかも893の組長の息子が
事故で記憶喪失&幼児退行・・・4歳児になってしまうお話です。
事故で幼児退行というと、木原先生の作品で「こどもの瞳 」を思い出してしまう。
しかしあちらは兄弟なので近親・・・・・なんちゃらになってしまうが、
こっちは赤の他人様なので近親がNGな方は大丈夫!
893がNGな方でもそんなに893893したお話じゃないので
大丈夫じゃないかなーって思っていますよ。

挿絵も小椋ムク先生ってこともあってニヨニヨに相乗効果が。
お話にピッタリな感じでした。


海野 幸著「極道幼稚園」
極道幼稚園 (二見書房 シャレード文庫)/二見書房
¥650 Amazon.co.jp
「瑚條蓮也。四歳です」—ひかりの勤める幼稚園に893が立ち退きを要求してきた。理不尽な話に断固戦う姿勢のひかりだったが、893の若社長・瑚條はそんなひかりを気に入り毎日口説きにやってくる。ひかりの身の上話に耳を傾け、優しく抱きしめてくれる瑚條に、本当はいい人なのかもしれない、と心揺れるひかり。しかしある日、園児を庇って怪我をした瑚條が記憶喪失&幼児退行というまさかの事態が勃発。見た目は大人、中身は子供というなんとも扱いづらい瑚條を預かることになったひかりは…。



ひかり先生をはじめ、この幼稚園の園長先生夫妻がすごく優しくて
心がほのぼのっとしてしまいます!


無認可でやっている幼稚園の先生をしているひかり。
しかも住み込みで働いているので毎日が大忙し。
でも子供が大好きだし、園長夫妻にはとっても恩義を感じているひかりなので
そういう忙しさは全然苦になっていない。
ひかりは高校生の時に天涯孤独の身になって、高校も中退しその後路頭に迷う羽目になってしまうのだけれど、偶然自分と同じ名前を持つこの幼稚園・・・・ひかり幼稚園の前に差しかかった時、
一人涙していたひかりに温かい声をかけ、居場所を与えてくれたのが園長だった。

そんなひかりにとって大切な場所である幼稚園に893がやってきた!
しかも立ち退きせよなどと言うではないか!
若いがまだリーダー格の瑚條と対峙するひかり。
しかし、そのひかりの無防備さというか無鉄砲さというか、侠気に惹かれ
なんと瑚條がひかりに「自分の恋人になってくれたらこの土地は諦める」などと言うではないか!
それから瑚條に日参され口説かれる日々が続くひかり。
そんなある日、瑚條が事故で頭を痛打し記憶喪失になってしまう!
しかも幼児退行で自分を4歳児と思い込んでいる始末!
893の組長である瑚條の父親はとても厳格な人でこんなことがオヤジにバレたら坊は殺される~!と
瑚條の側近たちは青くなり、しばらくの間ひかり幼稚園で瑚條の世話を頼むと押し切られ、
ひかりは見た目は大人中身は4才という893瑚條を預かる羽目になってしまうのだった。


とんでもないことに巻き込まれてしまったひかりだけど、
しょぼーん・・・としている瑚條をみるといたたまれない気持ちになってしまう。
しかも普通4才っていったら、話す言葉だっておぼつかないくらいなのに、
瑚條の言葉はしっかりですます調なんですね。
すごくきっちりきっちりした子供なんですよ。
もちろん、外見が大人だから・・とか、幼児退行が偽りとかそういうんじゃないんですよ。
瑚條はとっても父親が厳しくて、例えそれがいくつの子供であっても例外はないんです。
普段多くの4歳児を見ているひかりにとって、その瑚條の4歳児っぷりに
心を傷めてしまうんですよね。

父親との確執・・・・。
それが4才に戻ってしまった瑚條を通して見えてきたものだったのだ。

本当、4才に戻ってしまった瑚條を見ていると、きちんとしている分、憐れさが出ちゃうの。
だって4才ってまだまだ当然親に甘えたい盛りだし、いたずらだってするじゃないですか。
でも瑚條は話す言葉からしてきっちりしてるわ、砂遊びを皆としたくても
洋服を汚すと怒られるから・・とぐっと我慢をしているわで、とっても4才とは思えない。(外見のことではなく)

私ね、こういう子供が出てくる描写を読むと(正確には子供じゃないけどさ)
どうしても甥っ子(姉の長男)を思い出してしまうのだ。
しかも生まれてから小学生になるくらいまで、本当に毎日のように手を掛けてきたので
可愛くて可愛くて、そういうことを思い出してしまうのでついつい感情移入しちゃうんですよね。
(そんな甥っ子もかなりデカく成長しましたが・・・(;^_^A でもやっぱりカワイイ甥っ子と思ってしまう)

だから幼児虐/待系のニュースやこういう漫画や小説であっても
泣けてしまうんですよね!!しょぼん

あ、この作品は父親が厳しいってことだけで決して虐/待ではございません。
愛情を持って厳しくしていたのだけど(つかお父さん不器用すぎ!)
4才の子供にそのお父さんの厳しい愛情が伝わるはずもなく、
逆に嫌われていると思い込んでいたんですよね。
しかもそう思ってしまうもう一つの理由もあるのだ。
瑚條は母親が命と引き換えに産んだ子供だった。だから自分が母親を殺してしまったんだ・・・という
負い目を4才にしてもっていたの。
だからお父さんに嫌われている・・・って。。。。

893だから、見た目は成人だから・・といってそんな心を痛めている子供をひかりが放り出せるはずなどない。
瑚條も優しいひかりにとっても懐くし、
何よりも瑚條の気持ちを知って、幼児退行がバレ幼稚園に乗り込んできた893の親分である瑚條父と
真っ向勝負をするのだ!

いやー、この啖呵がすんばらしい!!ぱちぱち
もちろん、ひかりだって怖いんですよ。相手は893ですもん。
でも子供のためには強くなれるんです!
漢だわ!!!


しかしですね、
優しく瑚條に接するほどにこの気持ちが4才への子供への憐憫なのか、
それとも瑚條へ対しての愛情なのか・・・・
と、今度はひかりの方が葛藤をしてしまうんです( ´艸`)
だって無邪気に瑚條は懐いてくるしさ。でも見た目は成人じゃん?
ひかりが変な気持ちになってしまうのはちょっとわかるなぁ。しかも瑚條はかなりのイケメソですからww

で、瑚條の記憶が戻ったらこういう生活とは当然おさらばだし、
瑚條の記憶が戻るイコール瑚條がここを去りこの土地の立ち退きにやって来る・・・
ということでもあるのだ。
そう、瑚條が記憶を失う以前に戻るだけのこと。。。。
しかし立ち退きがどうの、、、とかいう以前にひかりは瑚條に去って欲しくない気持ちになっている。
その気持ちは果たして・・・・

そんなひかりが熱を出して倒れてしまう。
高校生で一人になってしまい今まで頑張ってきたひかり。
でも淋しくなかったわけじゃない。そんな頑張り屋のひかりに甘えてもいいんですよ、という瑚條。
身体が弱っている時って心も弱るじゃないですか。
だからほんのちょっとひかりは自分の本当の気持ちを吐露してしまうの。
そして言ってしまう。

「あなたがずっとここにいてくれればいいのに・・・・」

ずっと一人で気を張っていたひかりの本音。読んでてうるっとしてしまった。。。。


ところが、翌日目覚めると瑚條は記憶が戻ったからと
ひかりに挨拶もなしにいなくなっていたのだった・・・。



最後はもちろん大団円!(気になる方は作品を読もう!ww)
土地買収の件も買収後のひかり達の行き場も
もちろん瑚條とのことも。。。。
園長夫妻がただただ優しい人たちじゃなくてかなり遣り手であることもわかる!
うん、一枚も二枚も上手だな~ってww

Hシーンは本編ではなく、本編後の後日談で収録されています!

あとがきに幼稚園の頃のことを海野さんが結構覚えているもんだなって書かれていて
園児の記憶も侮れないものだなってありました。
うんうん。私も覚えているよ。主に嫌だったことはwww
そういうところだけやけに鮮明に覚えているんですよねー。
未だに理不尽さに????と思っていることがある。
先生が画用紙にひらかなを書いてくれてその文字を使って好きな絵を描く・・というものだったの。
例えば「く」と書いたらそこからお魚さんの絵を描いてみたりね。
私は「い」と書かれたのでそこからお花を描いたのだけど、それを先生に見せたらいきなりゲンコツを落とされたんですよ。。。。。。。意味わかんなかった。。。未だにそのことが鮮明に思い出されて、
何故なのか知りたい気持ちでいっぱいになります。←しつこいww

というようにわりといくつになっても覚えていることは覚えておりますww

そーいや24才で嫁いだ姉は結婚式の時、幼稚園の先生を招待しておりました。
卒園したあともずっとやりとりしていたみたいで。。。

この小説を読んでいろんな思い出に浸ったのでしたww



H度ドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月


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