ひのもとうみさんの
文庫2作目です!!


いやー、多くの方が樋口美沙緒さんの「愛はね、 」「ぼうや、もっと鏡みて 」と
被ってしまった・・・という感想を持ったことでしょうねー。
絵師さんも同じ小椋ムクさん、、ということもあったと思うし。

でも、どちらも幼馴染ものとしては鉄板を目指して書いたわけで
そうするとどうしてもこんな感じになるのかなー、と。
でも味付けはそれぞれ違いますよね。
それと私はあともう一つ幼馴染の鉄板ものとしては
木下けい子さんの「幾千の夜 第一夜第二夜 」も思い出してしまいました。

自分の気持ちにある人は気付きうろたえ、
ある人は気付きながらも閉じこめ、
ある人は全く気付くのが遅れた・・・
などとそれぞれだけど、
受けの健気な思いってのはどの作品ともに共通。
ということはキーは攻めなのか!?
そうか、幼馴染ものは
攻めが自分の気持ちに素直になれるかがポイントなんだな!
そうだよねー、結構皆ヘタレだよな、攻めが!
つーか、うろたえ度が高いよね~~。
そしてどの作品も案外と受けっ子の方が「好き」って気持ちがブレてない分、
泣き虫の割には実はたくましいんじゃないか、と感じてしまったり・・・!



ひのもと うみ著「それが愛だとするならば」
それが愛だとするならば (ショコラ文庫)/ひのもと うみ
¥690
Amazon.co.jp

顔もよく仕事も優秀、常に人の中心にいる大崎哲也は、同期の中でも出世頭のエリートコースを歩んでいた。そんな哲也のもとへ、転職のため上京してきたふた つ歳下の幼馴染、野田透が居候する事に。頭が悪く頼りない透を放っておくわけにもいかず、心底面倒だと思いながらも、哲也を一心に慕ってくる透との生活は不思議と哲也を和ませた。だがある夜、酔った勢いで透を抱いてしまった事から二人の関係は一変し——。



今回もまたレビュー泣かせなひのもと作品ですねww
これ、評価が分かれるんですよ、前回同様。
だって受け攻めともにほんっっっっっとーにイライラしちゃうし!
総じて攻めにダメ男の烙印を押されていますが
私は攻めは確かに何が一番大切か気付くのは遅かったかも知れないけれど
それほどまでにダメ男の烙印を押すことはできなかったのよね~。

幼馴染の恋心が自分に向いているとわかっているからこそ
離れたり、厳しいけれど別れの言葉もきちんと言っているんだし。
もちろん、ずっと一緒にいた幼馴染だから情はある。
だけれどもあえて厳しい言葉を言ったりもするのだ。
ただ一度食っちゃったからね!それをないものにしようとしたりしたからね!

それと恋愛や出世に対して打算的な付き合いもしちゃえる人なので
そこらへんを大事な幼馴染よりもウエイトを重く置いたという点でもダメっぷりの烙印を
押されたところもあるんでしょうけど。
プロポーズのタイミング、結婚式のタイミング、全部計算しているんですよ、この攻めは。

などと書いていると、あら、本当に嫌な男だわね。
やっぱダメ男ってことでwww


なんでもできちゃう哲也は年下で幼馴染の透の面倒をいつもみてきたけれど
透はそんな哲也に憧れ、好きになっちゃうのはわかるんだよね。
だけど哲也はなまじっかいろんなことができちゃう人なんで
色々と欲があるわけですよ。
人一倍出世欲もあるしそのためには仕事では根回しも忘れない。
もちろん付き合う女性も役員の娘だったり、、、打算的でもある。

一方の透はのほほーんとしててのんびりしている。
哲也だけを一途に思っていて彼の何気ない一言をずっと大事に大事にして
東京に出てきちゃったりしちゃうのだ。
そんな透をうざくも思いながらも冷たくしきれない哲也。

だから東京でも仕方なく一緒に暮らすのをOKしてしまうのだ。
ま、最初は透の仕事が決まるまでってことで。
この時の透がとっても甲斐甲斐しくってねー。
哲也のために一生懸命家事をするんですよ。この時の透がいじらしい!
哲也もついついお嫁さんをもらったような気持ちになってしまってww

ところがちょっと仕事で嫌な思いをした哲也が透をうっかり酔った勢いで抱いてしまうのだ。
しかもかわいい、かわいいって言いながら。
ところが酔いから醒めたら青ざめる哲也(ほんとヘタレ)。
哲也のことを大好きな透は嬉しかった気持ちも束の間、
透は哲也の気持ちがわからなくなってしまう。

あ、そういえばこの話は始終攻め視点で語られているんですよ。

だから哲也のロクデナシな部分も彼の気持ちで語られているので
こちら側はわかりたくないけどわかるっていうかww

だけど透も透でなかなかのストー カー気質。
哲也に振られても哲也にもう会わないって言われても
それでも電話をしてきて会社まで来てしまう・・・
ま、この会社まで、、、ってくだりは一瞬私も眉をしかめましたが
理由をきくとかなり透は追い詰められていたのよね。精神的にも肉体的にも。
だから唯一頼れる哲也を頼ってきたんだけど、、、
だけどここでもまた哲也は邪険にしてしまう。

そこで当て馬君登場ーーーー!

はい、哲也の同期でありライバルである奥園です。
哲也とは正反対なタイプなのにガツガツしているわけではないのに
いつの間にか成績は哲也と遜色ないところまで。
それどころか哲也以上の働きを見せることもあって内心哲也は奥園に対してかなり焦りを感じている。
この奥園が透の窮地を救うのだ。

しかもホ/モっちゃうことにビビっていた哲也に対して
堂々と透のことが好きで付き合いたいって言えるんだよね。

いやー、私はこの奥園の男らしさにこっちの方と付き合った方が透は幸せになれるんじゃないの!?と
思ったんですよ。
つか98%くらいの読者は絶対そう思ったに違いない。

哲也はさ、こんなことも含めて奥園に敗北感を感じているんだろうな。

でも仕事では負けたくないと思う気持ちが哲也を結婚という最終カードを引かせることになるのだ。
もちろん愛よりも打算の結婚だ。
だけど哲也の心の中を占めているのは奥園と透のことだった。
だから二人のことを考えぼーっとしてしまった哲也は事故を起こしてしまう。


この事故によって哲也はすべてを失ってしまう。
彼女からはふられ(女は男の打算を見抜いていたってわけだ)
仕事も責任者から外され、
あんなに慕っていた透の携帯も番号を変えたのか通じない。
(だってその前にこっぴどくふったのは哲也なのだ)

すべてを失いもう気力がなくなってしまった哲也に残されたものは・・・・・


透、かなりの健気ものですよね!
どんなに邪険にされようとも哲也のことが忘れられないの。
奥園の方がいいって98%の人間が言っていても
16年想っていた気持ちが勝ってしまったんですよ!


ようやく何が一番大事なのか・・・・・
ボロボロになって初めて気がついた哲也。



あー、本当に気付くまで長かったよねー!

もうさ、一度透を食っちゃった時点で腹を括れるだけの度量があれば良かったんだけど
ビビリな哲也はこんな大事故に遭うまで気付くことができなかったわけだ。

これからは透を泣かせた分、
しっかり一生甘やかして幸せにしてやって欲しいよ!うん!


私的にはこの敢えて嫌なキャラを主人公にもってきたひのもとさんのチャレンジ精神を買いたいww
でも前作と今作と続けて攻めが俺様で鼻につくキャラで
受けが泣き虫ででも諦め悪く、そして恋愛に全てのベクトルが向いてしまうキャラという
同じようなタイプが続いたので、もっと別のタイプを読んでみたい、と思うんですよね。

嫌なヤツだ、腹がたつ、と言いながらも
一気に読ませる力のある作家さんだと思うのでまた次回作に期待したいです。
そして見事な当て馬っぷりを披露した奥園も幸せにしてやって欲しいと思うのですww


H度ドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月

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