獣の妻乞い 」の第二弾です!!

獣の妻乞い 」に出てきていた猟獣・月貴と睦月の「獣の月隠り」、そして
猟獣を作った側の人間である甲斐と朋の話である「獣の伽人」が収録されています。


獣の妻乞い 」にも泣かされたけど
こっちにも泣かされた!!

切なさ度ではこっちの方が高いですね!

そして、前回苦労の末、尚季と飛月が結ばれたけど
どうしても良かった、良かったで終われない気持ちでもいたんですね。
常に不安が隣り合わせということもあって。。。

でもこれを読んで、
本当に救われました。

獣の妻乞い 」しかまだ読んでいないという方がいらっしゃったら
是非、本作も読んで欲しいと思います!!

猟獣たちの気持ちや
彼らを作った人間たちのこと、
そしてその組織そのものがわかってくるし、
彼らのその後の運命もこれを読むことで理解できてくると思います!


沙野 風結子著「獣の月隠り」
獣の月隠(つごも)り (リンクスロマンス)/沙野 風結子
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銀色の人狼・月貴と一緒にいたいがために、過酷な検査や学習に耐え、懇命に生きようとしていた同じ人狼の睦月。ある時、特殊な力を持つ猟獣・朋と闘うこと になった睦月は、一方的になぶられ、ひどく傷つけられる。ショックで人に戻ることもできず、廃棄寸前の睦月を救ってくれたのは、憧れの月貴だった。傷口を舐め、癒してくれる月貴から「俺を好きになって」と告げられた睦月は、気持ちを受け入れるが…。



妻乞いが猟獣と人との恋愛にスポットが当たっていたとしたら
今回は猟獣達の苦しみや悩み彼らの生態・・・・そして恋愛を中心に書かれています。

死刑が廃止された近未来の日本において
犯罪者が後を絶たず、そのため刑務所がいっぱいいっぱいになり
凶悪犯でさえ刑期が軽減されて戻ってきてしまう。

そのため政府は極秘に狼と人間の血が混じったこの猟獣を作り
言わばその出戻り凶悪犯を野犬に襲わせたように見せかけ殺してしまう、という
政策を取り始めたのだよね。

獣そのものならば他の関係ない人間を襲うことも懸念されるので
人間の言葉を理解し、確実にターゲットを殺せるという猟獣を作ったというわけですね。

なんとも人間のエゴで作られた猟獣達。
そんなの死刑をまた復活させちゃえばいいんじゃないの?とも
思わないでもないけど、一度廃止したものは復活はできないだろう・・・・

だけど、この猟獣にはタイムリミットというのがあるのだ。
人と狼の姿を行き来する彼らにはストレスが過剰にかかってしまう。
そしていつしか獣に堕ちてしまうのだ。
獣に堕ちる・・・・そう、もう人間には戻れなくなっちゃうの。
獣に堕ちたら、その後は獣としての感情しか持たなくなり
人を襲うようにもなるため堕ちた猟獣は殺処分に・・・・

こういう過酷な運命が待っている彼ら。
それでも「仕事」のために人間の命令によって人間を襲う日々が続くのよね。

月貴は西洋狼の血を引き狼でも人間でもとても美しい外見をしている。
そして睦月は日本狼なのでちっちゃいの。で、人間の時もかわいい感じ。
睦月は猟獣達の施設にいた時から
月貴に憧れ、彼のことが大好きだったため
猟獣としてトップグループにいる月貴に少しでも近付きたく
必死になって猟獣同士の訓練にも耐え続けるのね。

この時の睦月がとっても健気でね。
それだけでもキュンキュンしてしまう!!!


ちっこくて弱い睦月。
でも心はとっても強いの。
とにかく月貴のために必死!!
気持ちだけはぽっきり折れないように頑張る睦月に思わず応援したくなる。
そしてその睦月のことを小ばかにしている朋。

朋は新しいタイプの猟獣として作られた。
他の猟獣たちと比べ身体の一部だけを獣に変えることができちゃうの。
身体能力もズバ抜けて優秀。

この時は小憎らしいだけの朋だったけど
次の話では朋と朋を作った甲斐の話で
これがまた良かったのよね。

で、睦月だけど、
月貴もそんな睦月のことをとっても可愛がるんだよ。
でも猟獣同士は番ってはいけない規則なの。
だからどんなにお互い思っていても身体を繋げる行為はできないのだ。

月貴は睦月が思っている以上に睦月のことをとっても愛してくれていたんだよね。
この月貴の気高いくらいの美しさと心にクラクラきてしまう~!

でもね、2人がラブラブになるまでにも
こんな風に過酷な訓練時代があり、
一緒に仕事ができるようになってからも順調とはいかないのよ。

それは・・・・ずっと月貴のそばにいると誓った睦月がおかしくなってきているのだ・・・

そう、これは堕ちる兆候・・・

いや、もう、辛かったです。
夜に睦月と月貴が一緒に歩いていて、睦月がお肉を欲しがって月貴に買ってもらった瞬間、
そのお肉に食らいつくシーンがあったじゃないですか。
あのシーンが一番辛かったです!
月貴が「美味しい?」って聞いて
睦月が無邪気に美味しいって答えている。
そんなシーンなんだけど、それだけでも堕ちかけている睦月を
愛おしく思っている月貴の気持ちがすごく伝わってきて・・・

結局2人はロシアへ行く選択をするのだ。
堕ちても狼がたくさんいるロシアならば・・・ということでね。

そして「獣の伽人」
あの小生意気な朋が唯一心を許しているのが
自分を作り出した研究所の甲斐。

仔犬の頃から甲斐に甘えて育った朋は
甲斐にすぐに抱っこと甘えちゃうのね。
人間の姿でも・・・・

あの小生意気な朋がとっても可愛く感じてしまうのよ。

この話がなければ獣シリーズは
たとえ結ばれてもその先にある未来を思うと
ちょっと暗い気持ちになってしまっていた。

そうなんです。
一番懸念していたことが
この話では明るい未来を見ることができるように!!

研究所の人間である甲斐にも作った側の葛藤が当然ある。
その葛藤を抱えながら朋とともに過ごすのよね。
そうした中で朋に求められるまま身体を繋げるんだけど・・・

いやー、朋ってさ、身体を一部だけ変化させることができるじゃない。
だから・・・・・・アソコだけ・・・・・・ということもできちゃったり!!


前巻のカポーである尚季と飛月もちょこっとだけ出てきます!
2人にも明るい未来が開けて良かった・・・・

そして気になっていた月貴と睦月・・・

彼らもあとがきに書かれているSSでその後を読むことができるんです!

こちらもとっても救われた!!

切なくなって、ハラハラして、泣かされて、
そして最後は気持ちが暖かくなって・・・・

この二冊は本当にオススメですね!!


H度ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
ストーリー度満月満月満月満月満月
涙度seisei

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