弟よ… | いわし猫猫日記

いわし猫猫日記

おうちのわんこ1匹にゃんこ5匹との暮らしや外の猫のことなど、日頃の生活の中で起こる出来事を中心に、感じたこと考えたことなどを綴っていきます


昨夜9時ごろの事です。
家の電話にかかってきたのは、震えた声の実家のお嫁さんK子さんからでした。

「あの…お風呂で……」

その只ならぬ様子に大きな声で聞き返しました。


「なに?どうかした?」

電話の内容は、弟が風呂から出て来ないので見に行ったら風呂の湯に顔を付けて動かなくなっていた…という事でした。
すぐに救急車を呼び、病院に運びましたが診察の結果、心臓が止まっている…と言われて

震える声で伝えてくれたのはそんな内容でした。

そして、まだ病院から帰れないけど家で一人でいるおばあちゃんが心配で…と話すK子さん。

すぐに私が今行くから心配しないでと伝えました。



弟、私とは二つ違いの弟
どことなく野暮ったくていつもニコニコ笑っている人柄が良さそうなそんな弟の顔が浮かんできます。

私と同種の仕事に就き、出張などで行き合うと遠くから
「ねえちゃーん」と手を振りながら大きな声で呼ぶそんな弟でした。

小さい時は泣き虫
母に叱られると、母の膝にすがって「ごめんなさい!」と泣きじゃくる姿を見ては
私にはこんな事はできないなと半分馬鹿にしながら冷めた目で見ていたものです。

弟が小学生低学年ぐらいの時、近所の子にいじめられて泣きながら帰ってくると
「誰にやられた?」と聞き出してその子に抗議(仕返し?)に行った事もありました。

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初めての奈良への旅行(私 小学1年、弟5歳)


今考えるとお姉ちゃんとして弟を守ってやらないといけないと思っていた私です。

弟は子供を大事にする教師でした。

ミニバスケットの指導をして情熱を傾けて強いチームを作りました。
教え子が、東日本大震災の被害を受けたと聞くとトラックいっぱいの支援物資を買い込み、送っていました。

お人好しで子供好きで…
出世に情熱を傾ける事はなく、教頭で退職しましたが、弟自身は最後まで子供と過ごす教員で居たかったのだろうと思います。


退職後は…
家の中から一歩も出ない完全なコタツムリ
k子さんがいくら勧めてもスポーツクラブにも行かず散歩にも行かず、新聞を読んで切り抜きスクラップブックに貼る…
そんな日々を送っていました。


母に寄り添い、いつも母と一緒に過ごしていました。
初めの頃は母の病院の送り迎えをやっていました。
しかし、そんな毎日の中で少しずつ健康を害して行きました。

尿酸値が高く、痛風を患っていたようです。
そんな痛む足を引きずりながら、オットと私の息子と三人で東北の被災地に旅行し、支援物資を送った教え子のご両親にもお会いしました。

食事をしながら一緒に過ごした数時間は弟にとって何にも代え難い大切な思い出になったと思います。
一昨年の事です。



昨夜、10時過ぎに実家に着き、誰も居ない居間でじっと座っていました。
ちょうど弟がいつも座っていた同じ場所で。

いつも居た弟の姿はありません。当たり前の日常がもうここにはないのです。

母は寝ていました。
途中、トイレに起きてきたときに
「お母さん、○○雄がね、死んじゃったの」

と告げました。

母は、理解できないようで
「えー。私は寝てていいのかね」
と言っていました。
お母さん、その方が幸せだね。

いつも居ない私がここに居ることを不思議だとも思わないようでした。

そして夜中の2時過ぎ、K子さんが病院から一旦帰ってきて、警察官の現場検証です。

家で亡くなると事故なのか事件なのかまた病気なのか、その判断が必要になります。

気丈に警察官と現場検証で会話を交わすK子さん。

それが終わるとまた病院に引き返し、今度は遺体を自宅に連れてくる準備です。

一旦、自宅に帰ってきた弟ですが葬儀屋さんとの相談の中で寝かせる場所が二階になってしまうのは葬儀のことを考えると手間が掛かりすぎるので
葬儀の会場の方に運ぶことになりました。


明日がお通夜、明後日が葬儀になります。

ついさっきまで元気でいた存在が無くなってしまう。
弟もこんなに突然に死が訪れるとは思っていなかったことでしょう。
まだその辺を彷徨っていますか。
出来たら彷徨っている貴方に会いたいな。

布団に横たわる弟

顔がむくんでいるようです。

でも安らかな寝顔でした。
病名は、急性心筋梗塞

きっと楽になったと思っているかな。

もっといろいろなことを話したかったね。

誰にも残された時間は分からない。
後回しにしてきたツケは大きいとつくづく感じます。

○○雄、心残りはありますか?

貴方がやりたかった事やり残したこと、もしあったなら教えてください。

これからは母に寄り添い、少しでも会う時間を増やすから安心してください。

しばらくは子供の頃の思い出に浸っていたいと思います。

かわいい弟!

いつかわたしがそちらに行った時に「おーい、ねぇちゃん」って呼んでくださいね。

その日まで、じゃーね!




暗い話を最後までお付き合い下さいましてありがとうございます。

猫回りは二日間お休みします。
ブログもお休みしますね。

でも書くかもしれませんが…ウインク