追記7/22 12:10
本日発売、電撃PS Vol.476 に、PS3遅延の件が掲載されています。”メモリーマネジメント調整などの技術的問題” を鋭意努力中であることが語られています。日本で語られるのは、恐らく初めて ではないでしょうか。



悪意があるとさえ感じてしまう魔道士です。こんにちは。

7月9日にエントリした内容の続編です。
PS3版遅延の原因は、RAM欠乏にあり。

7月16日付で、Rocketnews24 がPS3の遅延に関する記事を書いています (こちら )。いつものことなのですが、この会社が提供するニュースには誠実さがありません。ニュースソースの選択が恣意的であり、ソースを曖昧にし、本来の意味と違った引用の仕方をして、事実を曲げて記事に仕立て上げています。


■Rocketnews24記事こちら
コンソール機のメモリー増設の難しさに触れ、次のように結論づけています。
「今のプレイステーション3のスペックで『FF14』が動くようにするには、それなり努力が必要という事だ。はたして、パソコン版に劣らない『FF14』をプレイステーション3で体験する事ができるのか? 『FF14』の発売を心待ちにしているユーザーにとって、今から目が離せない状況となっている。」

不安を煽るだけの記事です。さらに、大元のインタビューの趣旨とは違った結論 になっている事を知らなければなりません。


■直接のニュースソース
Rocketnews24は、この概要記事をニュースソースにしています。筆者の個人的見解が全面にでた記事です。
Square-Enix: Trouble Fitting FFXIV On PS3 (Nowgamer)

ここでは、田中Pの次の発言が抜粋の上、引用されています。
「PCで目指していたメモリー量と比較して、PS3は限られた量のメモリーしか搭載されていない。我々はコンソール機に適した形にデータを最適化しており、それが当初の見込みより長くかかっている。」

そして、筆者は次のように結論づけています。
「これが意味するのは、優れたPC版のゲームもまだ不透明に見受けることであり、彼が意図したコメントだったのではないか。これは別段驚くべき事ではない。」

田中Pの発言から、どのような経緯で ”PC版の不透明さ” に至ったのか説明されていないし、筆者の意見ばかりが前面に出てしまっています。それよりも、田中Pの発言の大切な部分が(意図的に)切り取られている点が、このニュースでは大きな問題です。


■大元のソース (インタビュー記事)
しかし調べた所、上記記事には当然のことながら、大元となったインタビュー記事が存在しています。
Final Fantasy XIV: Hiromichi Tanaka Q&A (Nowgamer)

このインタビュー記事では、該当部分について、田中Pは次のように語っています。上記2記事では取り上げられなかった、最も大切な部分を赤字にしました。

Q.「PC発売6ヶ月後にPS3版が登場する。それは何故か?、そしてどのようにしてこれらを処理するのか。例えば、(PS3の)将来的な拡張パックとか?」

A.「我々は同時発売を目指した。しかしあいにく不可能となってしまった。PCで目指していたメモリー量と比較して、PS3は限られた量のメモリーしか搭載されていない。我々はコンソール機に適した形にデータを最適化しており、それが当初の見込みより長くかかっている。将来的には、全てのアップデートと拡張パックは、クロスリージョン且つクロスプラットフォームで、同時に行われるようになる


ここから窺い知れる、田中Pが本来意図したかった思われるのは次の点です。
1.PS3版はメモリー不足が原因であり、最適化に時間がかかっている。
2.将来的には、同時にアップデートと拡張パックは同時に行える
3.(故に、時間さえ頂ければ解決できる問題であり、今後は同時バージョンアップできます)



■コメント
以上のことを踏まえて整理すれば、PS3へのデータの最適化さえ済んでしまえば、その後のPCとPS3のアップデートは問題なく同時に行える という事です。インタビューの意図を正しく読めば、PS3のメモリー不足も時間が解決してくれる だろう事が窺い知れます。

Rocketnews24、そして引用元の要約記事は、このような田中Pの本来の意図を外れて、さも大問題かのように喧伝しているだけだということが明らかになりました。

かねてより申し上げていますが、Rocketnews24など 「但しソースはロケットニュース」 という蔑んだ言い方もされるように、ニュースとしての信憑性は限りなく低いのです。