ある方とそのお嬢さんへ 手術頑張ってのオリジナル小説 | 恋愛小説コーヒープリンス二次小説 オオイタッコとオリジナル小説

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生まれつき 天才なんか いないって 知っていた



だから普通の人生がいいって知っていた………だから…………
生まれつき 幸せな人間なんていないって知っていた


だから……普通の人生がいいって知っていた……
……娘の名前は 舞花 と書いて まいかと読む

少しだけ 生まれつき背中の骨の歪みがある
だから ちょっと疲れやすかったり したが
でも 元気に 小学校生活を迎えていた


ちょっとずつ……ちょっとずつだが……進行していく病気
「若いうちに少しだけ手術をして……内臓や脊髄神経に負担をかけないようにしましょうか? ね?舞花ちゃん
少しだけ遠い場所だけど 紹介状を書くからね
夏休み 頑張ろうよ」

信頼出来る 渡部先生は そういってくれた

「ママ……やっぱり手術をしなきゃいけないのかなぁ?……コルセットでいいんじゃないって仲良しのキミエちゃんのママに今日言われちゃったの」

何もしらないくせに
何もわかってないくせに

娘の小さな心を イタズラに傷つける世間が 憎くなる


「大丈夫だよ……渡部先生が紹介してくれた病院は脊柱科のきちんとした専門の先生だからね……舞花ちゃんにとってのベストを選択しようね」

「うん」

小さな小さな 愛し子は
少しずつ 強くなる

小学校六年生

少しずつ少しずつ 大きくなる

最初に 握った手は 紅葉のようで
生まれたての 手は 母の人差し指を ギュッと 握った

生まれた時 少しだけ 薄目を開けて すぐに 元気に泣いたっけ ……

少しだけ 少しだけ
強くなる

強くなる

「お母さんは入院は完全看護ですから付き添いは……ご遠慮願います」

看護婦さんのすまなさそうな言葉に「ごめんなさい……ママ 心配しないで 大丈夫だよ 大部屋だからね……皆一緒にカーテン越しだから……」
舞花は気丈に答える
ギュッと 握る手が ホントは助けてと
言っている
心を 隠して 大丈夫だと 言っている

「昼はずっと側にいるからね」
握り返した両手の温もりを
舞花は ホッとした表情で
母親である私を見てくれた

入院は あっという間 ……

家の玄関を 出るとき 舞花は
クルッと 振り返って きて

ギュッ と
母の体に抱きついた


……何も言わない
……何も喋らない

母も ギュッ
抱き返した

……ポツリと 舞花は こう言った
「帰ってくるからね……私……必ず帰ってくるからね」

「……うん……帰って来ようね……大丈夫だよ……きっと大丈夫……」

舞花は いつの間に こんなに
背が 大きく なったのだろう

舞花は いつの間に
……こんなに 大人に なって
いったんだろう

涙を 堪えることを知った

私も 泣かないことを決心した

「……病院のベッドは 少しだけ固くって 寝苦しいよ」

入院初日 そう言って 笑ってくれた舞花は
手術前夜
「今日だけは付き添いは許可さろてますからね」
…… 看護婦さん達からの 報告でも 舞花は
いい子に しているらしい

簡易ベッドに 一緒に横になり お湯で
舞花の体を拭いてあげると

「ママの体も舞花が拭いてあげる」
と 言ってくれだしたから ちょっと驚いた

成長したね
大きくなったね

泣きたいだろうに
怖いだろうに
手術を 怖いだろうに

夢で うなされていたって
看護婦さんが 教えてくれたよ
舞花

我慢を 覚えたんだね


「舞花……」

母の背中を お湯につけた
タオルで 拭きながら
…… 母は 初めて本音を言った

「泣いて……いいんだよ……怖いなら怖いで……いいんだよ」

ピタリ
母の 体を拭いてくれていた
タオルの手が……止まった……

震えて……泣いているみたい

母は 後ろを 振り返ろうかと思ったが……

ギュッ

背中越しに ……舞花が 抱きついてきて……震えてながら……こう言った

「ママ……舞花を 忘れないで……消えちゃっても忘れないで
いつも 思いだしていて……」

タオルを持つ手は……震えていた ……

「大丈夫よ!なあに気弱な事を言わないで」

「うん」

いつの間に こんなに 大きくなっていったのだろう

娘は 成長している
怖くても 闘う心を いつの間にか 覚えてきたんだね


舞花の 背中は それでも
小さくて
また体を拭いてあげたら
あっというまに 身体は拭き終わる


そのまま 手は 握りしめたまま
二人っきり……

母と愛し子

朝まで 手を 繋いだね

朝日が見えてきて……手術着に 着替えて
「言ってらっしゃい」

言うのが 精一杯だった母

「……ママ……ずっと側にいて……」
クシャッと
初めて 泣きそうになった顔

ママも 顔に手をあてたけど
泣かないように頑張ったよ

ずっと ずっと 側にいるからね
ずっと ずっと……


……舞花は ICUで 目を覚ました……背中が ズキズキ痛い

「舞花しゃべれる?」
……目を開けたら……

一番前で 見えたのは
真っ赤に腫れた まぶたの ママの顔

どれだけ 泣いていたの?
ママ

……また 手を繋いでくれたね
背中は痛いけど
ママとパパや お兄ちゃんがいるから…… 舞花は 頑張れるんだよ

「手術は成功したよ舞花」
……うん……

舞花 ……頑張る……


……握った手は……
暖かいね…… ママ


……ママ…… ありがとう……
頑張るねって 言葉の代わりに

ギュッ
また ママの手を 握りしめた

……ママの手を …… しっかり 握りしめたよ……


ママ……頑張るね……

舞花 …… 頑張るよ……  小さな手は……少し……大きくなっていつのまにか……

成長していったみたいだった

やっぱり ……窓から見える 朝日は眩しかった……