プライミング記憶 | 衛生管理者・エックス線作業主任者・危険物取扱者の合格率約90%の試験対策ブログ

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今回は、「プライミング記憶」についてです。

私たちは、普段生活している中で、様々な事を記憶しています。

その中で、長く覚えていられる記憶と、すぐに忘れてしまう記憶があると感じているはずです。

比較的長く覚えていられる記憶の1つに、「プライミング記憶」というものがあります。


プライミング記憶は、入れ知恵記憶とも言い、情報の処理を迅速に行うためにある記憶です。

プライミング記憶は、説明が難しい記憶の種類ですので、ワークを行って体感してみましょう。

まず、次の4つの単語を覚えてください。

1.「とうもろこし」
2.「だいとうりょう」
3.「サイエンス」
4.「おじいさん」



覚えられましたでしょうか?

では、次に○に入る文字を埋めてみてください。

1.「じ○が○も」
2.「だい○う○ょう」
3.「テ○ノロ○ー」
4.「おじ○さ○」



いかがですか?

答えは、1から順番に「じゃがいも」「だいとうりょう」「テクノロジー」「おじいさん」になります。

それぞれの○を埋める時間に、差がありませんでしたか。

おそらく2.「だいとうりょう」と4.「おじいさん」は、すぐに埋めることができたと思います。

でも、1.「じゃがいも」と3.「テクノロジー」は、比較的埋めるのに時間がかかったのではないでしょうか。

要するに、最初に覚えた単語と同じ単語は、容易に○を埋めることができるのです。

これは、最初に覚えたことが「きっかけ」となり、○を埋めるときに役立ったからです。

このきっかけこそが、プライミング記憶です。


しかも、プライミング記憶は、意識して思い出されたわけではありません。

知らず知らずのうちに、「さっき見た単語に似ているな。」というところから、正しい文字を埋めることができたのです。

このように、プライミング記憶は、迅速に答えを見つけ出す時にとても役立ちます。


資格試験や学校の試験でも、プライミング記憶を活用できます。

例えば、勉強した文章と全く同じ文章が、試験で出題されれば、プライミング記憶が「きっかけ」となり、簡単に答えを導き出すことができます。

プライミング記憶は、知らず知らずのうちに働きますから、これほど楽なことはありません。

ただし、試験でプライミング記憶を活用する場合、勉強する時に使用する教材が、とても重要になります。

試験に対応しているだけでなく、試験で出題されるであろう文章に対応した参考書や問題集を、使用する必要があります。

先ほどの単語の穴埋めで、1.「じゃがいも」と3.「テクノロジー」は、答えが出るまで時間がかかったことからわかるように、単語や文章の前後関係がある程度一定でなければ、プライミング記憶は効力を発揮しません。


では、別の例で、考えて見ましょう。

例えば、地理の試験のために、次のことを勉強して覚えたとしましょう。

「滋賀県の県庁所在地は大津市である。」

そして、試験では、次の○○を埋める問題が出題されたとします。

「滋賀県の県庁所在地は○○市である。」

もちろん○○には、「大津」が入ります。

この問題は、「滋賀県」「県庁所在地」というキーワードがきっかけとなり、簡単に答えを導き出すことができます。


しかし、次のような問題が出題されたらどうでしょうか。

「琵琶湖のある県で西南端に位置する都市は○○市である。」

これも○○には、大津が入ります。

この問題は、先ほどの問題と答えが同じにもかかわらず、「滋賀県の県庁所在地は大津である。」と覚えていただけでは正しく答えることができません。

思い出すきっかけが違う場合、プライミング記憶はうまく働かないのです。

ですから、勉強するときに使用する教材選びは、慎重に行う必要があります。

なるべく、試験の性質を調べて、試験に対応したものを使用しなければ、プライミング記憶は役に立ちません。


また、プライミング記憶は、知らず知らずのうちに働く記憶です。

それゆえに、勘違いの元でもあるのです。

例えば、次のような文章が、試験問題に出題されたとしましょう。

「滋賀県の県庁所在地は津市である。」

これは、間違っている文章です。

滋賀県の県庁所在地は、大津市であって、津市ではありません。

津市は、三重県の県庁所在地です。

同じような文章であるため、さらっと読んでしまうと、勘違いして正しい文章だと思ってしまうのです。

いわゆるケアレスミスは、プライミング記憶が働くことによって発生します。

このような勘違いを起こさないためには、試験本番では、文章をしっかりと読むことが大切です。

プライミング記憶は、思い出すときのきっかけになりますが、勘違いの元にもなるので注意が必要です。


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