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今回は、「知能が働く年齢」についてです。
知能とは、環境に適応し、新しいことが起きたときに対処を行う知的な機能を言います。
人間には知能があるからこそ、ゴルフのスイングを覚えたり、言語を習得したりできるのです。
一般的に、このようなスポーツや言語の習得には、年齢が低いほど良いと考えられています。
現在、小学校に入学するまでに行う、幼児教育が非常に盛んに行われています。
スポーツ、外国語、音楽などの幼児教育が特に多いでしょう。
生活費の中で食費を占める割合を、エンゲル係数と言いますが、生活費の中で自分の子供に投資するお金の割合を、エンジェル係数と言うらしいです。
近年、このエンジェル係数が高くなってきているようです。
これは、何か新しいことをさせるとき、小さい時に始めさせた方が良いということが、浸透してきているからだと思います。
その中で、「3歳までに脳の重要な能力が、全て決まってしまう。」と言われることもあります。
産まれてからわずか3年で、能力が決まると言われているには訳があります。
私たちには、「臨界期(りんかいき)」と呼ばれる、外部からの刺激に脳が反応しやすい時期があるからです。
過去に、このような動物実験がありました。
ネコの幼少期に、一時的に一方の目をふさぐと、成長してから目隠しをとっても、ふさがれていた目の視力が回復しなかったのです。
ネコの場合、生後3~4週間ごろに目をふさぐと最も視力の回復が難しく、15週を過ぎるとこの現象は起きなくなるようです。
サルやヒトでも、同じような現象が起きることが確認されています。
私たち人間の場合、視覚のほかに、言語などの一部の機能では、臨界期があることがわかっています。
しかし、臨界期は、ほとんどの機能でよくわかっていないようです。
つまり、幼児教育は大切ですが、3歳までにその子の能力の全てが決定付けられるのもではないのです。
例えば、ゴルフを習得させるのに何歳までに始めなければならないと言うことはないですし、言語習得の臨界期も10歳以降も続いてるという報告があります。
ただし、自分の子供を「完璧な」バイリンガルにしようと思った場合、9歳までに複数の言語を学ばせておくのが良いと言われています。
これは、「9歳の壁」と言われるものです。
なお、バイリンガルとは、日本語と英語など異なる2つの言語を併用する人のことです。
私たちは、日本人として生まれ、日本語を習得しています。
言語を覚える時、脳に言語を扱う回路が構築されます。
それは、生後1年ほどで大体固定されるようです。
例えば、日本人が英語を学ぶ時に苦労するのが、「r」と「l」の聞き分けです。
生後1年以内に、英語の「r」と「l」のきちんとした発音を聞かせておけば、「r」と「l」の違いがわかる脳回路が構築されるのです。
もちろん、生後1年を過ぎても「r」と「l」の聞き分けはできるようですが、少しずつ難しくなってくるようです。
私が英語圏の人と話すとき、「read」と「lead」はどちらもリードと聞こえ、「right」と「light」はどちらもライトと聞こえます。
私たちは中学校になって、英語を学びますが、すでに手遅れなのです。
中学生になってから、このような発音の差を、完璧に理解することは不可能になります。
これを聞いて、悲観的になる方が居るかもしれません。
しかし、安心してください。
完璧を求めることはできませんが、大人になってからでも、コミュニケーションとしての外国語は十分習得できます。
脳の重要な機能を決定付ける臨界期は、依然、謎が多いのですが確かに存在します。
しかし、それを悲観的にとらえて、「今さら英会話を始めても、英語は上達しないだろう。」とか「今からゴルフを始めても、たいして、うまくならないだろう。」と思わない方が良いでしょう。
努力さえすれば、必ず習得できますし、上手になるのですから、何事にも自信を持って取り組むべきです。
資格試験を受験する時も同じです。
確かに、文系出身の方が、今から理系の資格を取るのは、抵抗があるというのはわかります。
しかし、勉強を始めるのに遅いと言うことはありません。
挑戦すれば、必ず報われるように、脳はできています。
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