やっぱりわかりやすい | 土地家屋調査士受験!カネコのちょっと役立つハナシ

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本試験一週間前,8月16日日曜日の金子塾。




4人の男達が自習に励む。
講義を受けてくれて,自分を信じて最後までついてきてくれて,自分の前で一生懸命頑張っている人達がいる。
彼らの姿を見て,講師としての幸せを感じる。



その中の一人「わかりやすい男I」が,またまたわかりやすい行動を。

「市販の本試験過去問集なんですが,古い過去問しか載ってないですけど,もう使わないので,よかったらもらってくれませんか。」と言ってきた。

今年で合格するから,もう必要ないだと。なんとカッコイイIであろう。

格好よさもわかりやすいIである。




その過去問集から,平成21年の建物の問題の2階平面図。


この見取図には本試験の魔物が住んでいる。
ベランダ。「明らかに床面積に不算入。」「入れるのなんてあり得ない。」皆さんそうであろう。本試験じゃなかったらね。



私は,その年,某予備校の解答速報会で講義をする立場にあったので,本試験会場で問題を解いていた。

この見取図を見た瞬間。

「ベランダを床面積に算入する者がいるな。」と思った。

なぜなら,ベランダを覆う線の種類が壁の線の種類と同じなので,ベランダを部屋の一部と誤認してしまう可能性が否めないからである。


「ベランダ」という文字が見えなくなって,壁の線だけに目がいってしまう。
本試験では,不思議とそういうことをしでかす。
本試験に魔物が住むというのはそういうことなのだ。



受講生がひっかからなければいいなあと思っていたら,最悪・・・。
その年四年目の受験,真面目にコツコツやってきた努力で模試の成績も良く,「ようやく,君の番だね。コツコツよく頑張ってきたな。」と話していた受講生がやってしまった。
ベランダを床面積に算入。
床面積の算定ミスをして本試験に合格した者はほとんどいない。このミスは致命的なミス。
彼には「まだ,どうなるかわからないから,あきらめずに結果を待とう。」とは言ってみたものの,正直,合格は難しいかなと思った。



幸運にも,土地の点数が高く,彼は合格できたのだが,床面積を間違えて合格した者は,20年以上の講師歴の中でも,彼以外の記憶はない。

床面積のミスは絶対に許されないことに変わりはない。

冷静な目で,落ち着いて,問題をよく読め。慌てることはないのだから。




昨日金曜日。
この二週間,ほぼ毎日のように自習に来た二人IとH。
さすがに本試験前日の明日は来ないという。
本当にこの二人は必死で朝から晩まで頑張った。
褒めてやりたいと思うし,「これだけやったんだから大丈夫,自信を持って本試験に臨め。」と最後のエールをおくった。



この後,少し決起集会をと思ったが,Iは事務所の上司の調査士千野先生(彼も元受講生)が景気づけに応援の宴を催しくれるとか。

あえて私が出る幕でもなさそうだ。

いつもは8時近くまでいるIも,6時に帰りますとのこと。

新宿から約1時間,待ち合わせ場所の八王子へ向かうべく帰り支度を始めるI.

「大いに励ましてもらえ。」である。




しかし,早い。実に早い。いつもより全然早い。
何がって,机の上の教材を鞄にしまうスピードが。
いつもの三倍のスピードだ。
いつもは「先生,帰ります。」と言った後,ちんたらちんたら教材をしまうのに・・・。
今から,本試験前,最後の気つけの酒はわかるが,そのスピードの速さときたら・・・
Iはやっぱり・・・
(さあ,皆さん,御唱和の準備はいいですか。せえの)
わかりやすい
(御唱和ありがとうございました。)
男なのです。