ゆたぼんの不登校とカンペについて | 中村幸也オフィシャルブログ「自由に生きるのに遠慮はいらない!」

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2018年6月に妻と子ども4人を連れて大阪から沖縄に移住してきた自由人。心理カウンセラー。「あきらめる勇気」の著者。『元不登校YouTuberゆたぼん』のパパ!

ゆたぼんについてこのような記事を書いてくれた人がいます。読ませて頂きましたが、素晴らしい記事でした。
https://zakkan-vivi.com/yutabon-youtuber/

ここ最近ずっと新聞社やテレビ局の取材で何時間も同じ事を説明し続けてきましたが、新聞にはどうしても文字制限があり、テレビにも時間という制限があります。

だから説明した事すべてが掲載されたり、報道されるわけではありませんし、それは仕方がない事です。

YouTubeのカンペ疑惑についてもあとで詳しく説明しますが、そもそもカンペなんてありません。

しかしこのようにゆたぼんについて“知ろう”としてくださっている方がいるのはとても有り難いし、嬉しい事です。

琉球新報さんに掲載して頂いた2回目の記事では先生に叩かれた事などを書いて頂き、その新聞もブログに添付しましたが、ほとんどの人が読みもしないでコメントしてきました。

ゆたぼんが自分の意思で一生懸命に話しているのを「カンペを見ている」とか言い出す輩もいるし、かなり長くなりますが、ここで書かせてもらいました。

まず、ゆたぼんはもともと学校が大好きでした。1年生、2年生の時は毎日楽しく登校していました。

3年生になってから少し様子が変わりました。担任の先生が苦手なタイプだったのです。

宿題についていけなくなり、僕や妻とやる事が増えました。しかし僕は無理やり宿題をやらせるような事はしませんでした。

やがて、ゆたぼんはみんなと同じように学校に行き、みんなと同じように先生に言われるまま勉強や宿題をする事に疑問を持ち始めました。

ゆたぼんが周りの子たちがロボットに見え始めた頃です。これについても現在は「オレがそう見えただけでその子たちも何かで悩んでいると思う」と言っています。

なぜ、やりたくない事をやらされるのか?なぜ、周りと同じじゃないといけないのか?

そういった疑問を持つようになり、ゆたぼんは宿題をやらないと決めました。

ある日、ゆたぼんが泣きながら家に帰ってきました。そして言いました。「先生に叩かれた。もう学校に行きたくない」と。

何があったか聞くと、宿題をやっていかなかったら休み時間にやらされて、それでも終わらなくて居残りさせられた。泣きながら宿題をやっていたら、「泣くぐらいならちゃんと宿題をやってこい!」と言って叩かれた。と言いました。

僕は学校に電話をして先生と話しました。

ゆたぼんがこう言っているのですが、実際そのような事があったのですか?と尋ねました。

しかし先生は「叩いていない」としか言いませんでした。

僕は先生にこう言いました。

「先生、もちろん手を挙げるのはいけない事です。でも人間は誰でもカッとなる事もあるし、いけない事だけど手が出てしまう事もあるかもしれない。今回、ゆたぼんは泣きながら帰ってきて、もう学校に行きたくないと言っています。僕は先生が叩いた事を責めるつもりはないし、子どもがまた楽しく学校に行けるようにしたいだけなんです」と。

僕なりに精いっぱい歩み寄り、話し合おうとしましたが、先生は「いえ、私は叩いていません」としか言いませんでした。

僕は「残念ですが、これ以上はお話しできる事はなさそうです」と言って電話を切りました。

次の日ゆたぼんは学校を休みました。

そして夜に先生が家にやってきたのです。

ゆたぼんは泣きながら叩かれた事を訴えましたが、先生は「叩いていません」としか言いませんでした。

僕は「先生、電話で何度も申し上げたとおり、ゆたぼんは叩かれたと言っていて、学校にも行きたくないと言っています。叩いてしまったのならそれは仕方ない事なので、今さら先生を責めようとも思わない。だから本当の事を話してください」と言いました。

すると先生は「机を叩こうとしたら手が滑って当たっただけです」と言いました。

驚いて僕は聞き直しました。「叩いてはいないけど、手が滑って当たっただけなのですか?」と。

先生は「はい、そうです」と言いました。

ゆたぼんは泣きながら「叩いたやん!」と訴えました。

僕は「ゆたぼんは叩かれたと言っているのですが、当たっただけで叩いていないのですか?」ともう一度聞き直しました。

先生は「そうです」と。

何度もそんなやりとりが続き、僕は「先生、子どもでも手が滑って当たっただけか、叩かれたかの違いはわかると思います。それに僕は先生と叩いた叩いていないの水掛け論をしたいのではないんです。実際にゆたぼんは叩かれたと言って泣きながら帰ってきて、学校に行きたくないと言っているのですよ」と言いました。

すると先生は「確かに本人が叩かれたと思っているのなら、実際は当たっただけでも叩いた事になるかもしれない。どうもすいませんでした」と謝りました。

僕は釈然としない気持ちでしたが、ゆたぼんは「謝ってくれたから、もういい」と言いました。

それからゆたぼんは暫く学校を休みました。

先生から電話があり、「宿題はしなくていいから学校に来ない?」と言われ、ゆたぼんは学校に行きました。

しかし、給食を食べ終わってみんなと遊ぼうとした時、宿題をやるように言われたそうです。

学校から帰ってきてゆたぼんは「話が違う!」と言って、また学校に行かなくなりました。

先生と電話でやり取りをし、「そもそも宿題はしなくていいからと言って登校させといて、昼休みにやらせるのは如何なものでしょう?」と尋ねました。

先生は「今度こそ宿題をしなくていいので学校に来て欲しい」と言いましたが、ゆたぼんは学校に行かないと言いました。

それからまた暫く学校を休みました。

「明日は久しぶりに学校に行ってみないか?」と僕たちも一応は声をかけます。

しかしゆたぼんは「行かない」と。

「先生も今度こそ宿題はやらなくていいと言っているし、行ってみたら?」と言うと、「じゃあ行ってみる」と行って登校しました。

学校から帰ってきた時は、嬉しそうな顔で「友だちと遊んでくる」と言って遊びに行きました。

しかし、すぐに帰ってきて「遊ぶ約束してたのに宿題やらん奴とは遊ばへんって言われた」と言いました。

またゆたぼんは学校に行かなくなりました。

何日か学校に行かない日が続き、僕は「せめて給食だけでも行ってみたら?」と言いました。

ゆたぼんの友だちは他にも何人もいたので、とりあえず学校に行けばそこから登校し始めるかもしれないと思ったからです。

しかし給食だけを食べに行くと周りの子たちから「お前だけズルい!」「お前だけセコい!」と言われ、そこから3年生が終わるまでずっと学校に行きませんでした。

4年生になって担任の先生が変わりました。

そこから僕たちはゆたぼんが学校に行きたい時だけ学校に行けばいいと思うようになりました。

そしてゆたぼんは自由登校という道を選び、今に至ります。

最初の琉球新報さんに掲載された記事ではゆたぼん自身がインタビューを受けました。だからどうしても言葉足らずな部分や説明不足な部分もあり、あのような形になってしまいました。

僕たちにとっても新聞に掲載されるというのは経験した事がない事なので、どのような感じで掲載されるかはわかりませんでした。

これについては僕も悪かったと思っています。

『不登校新聞』の石井志昴編集長は「不登校になった直後は、中学生であっても自分で理由を説明できる子はほとんどいない。多くの場合、不登校の理由は10年、20年経ってやっと整理がつくもの」とおっしゃっていましたが、本当にそのとおりだと思います。

それでもゆたぼんは自分の気持ちを精いっぱい自分なりに発信しています。

「ゆたぼんが父親のロボットだ」などといった心ない言葉を言う人もいますが、僕はいつだって子どもをひとりの人間として尊重していますし、ゆたぼんのやりたい事を見守っています。

カンペを読んでいると的外れな事を言う人もいますが、そもそもカンペなんてありません。だいたい、ゆたぼんがYouTubeの動画を撮る時はスマホしか使っていないから、自分で動画を撮った時は目線がズレてしまうのは仕方ないのです。

スマホをお持ちならそれで自撮りしてみたらわかると思いますが、ほとんどの人が目線はカメラではなく、スマホに映っている自分を見るはずです。

嘘だと思うなら、ご自身のスマホで今、実際に試してみればわかるでしょう。

ネットで好き勝手書く人や知ったかしてYoutubeで物申している人は、本当に何も知らず勝手な憶測でしかモノが言えない人ばかりで呆れ果てます。


とはいえ、ゆたぼんが学校に行かなくなった理由は複数の要因があっての事です。

そして、これは取材の度に答えてきた事です。テレビの実際の放送時間は5分くらいでも取材時間は2〜4時間です。全部使えないのは仕方ありません。

そして、ブログのコメントやTwitterのリプについても全部に目を通す時間も暇もありません。

仕事もある中で、毎日のように取材が入り、さらにアンチコメントもいっぱい来るので、逆に建設的なコメントを見逃していたら残念だと感じています。

 

今回はこの方のツイートをたまたま見つける事ができて本当に良かったです。

ただ、個人的な意見を言わせて頂くと僕は「宿題が嫌で学校行かない」だけでも全然いいと思っています。そもそも不登校になった原因は本人でもわからない事が多いので僕は「不登校に理由は関係ない」と思っています。

僕も2年前から何回も学校とやり取りをし、色んな葛藤もあっての今があり、それまでに色んな考え方や価値観にも出会ってきました。

だからそう思えるのです。

それとこれも以前からブログに書かせてもらっていますが、僕は学校の先生も大変だと思っています。

だから、先生が悪いじゃなく、親が悪いわけじゃなく、子どもが悪いわけでもなく、学校のあり方そのものを見直す時期ではないか?と考えています。

そのきっかけとなる言葉を10歳のゆたぼんが投げかけたのだから、僕たち大人も真剣に考えていかなければならないのではないでしょうか?

つまり石を投げてる場合じゃないでしょ!と。その隣で泣きながら助けを求めている子どもがいるかもしれないのに何やってんの?と。

ゆたぼんはその助けを求めている子どもたちに向かって叫んでいるのです。関係のない人は邪魔なだけなので引っ込んでいてもらいたい!