1981年・点景
3月15日 日曜日 晴れ
東稜高校にて
これほどはないほどリラックスしてのびのびと望めた受験。
朝から昼過ぎまで、あっという間に終了。
当時の京都は9科目の試験科目があり、合計140点満点で争われていた。
翌日に新聞に試験問題と、正解、解説が掲載される。
自分の書いた回答を記憶していれば、自己採点が可能になるのだ。
あくまで仮想の域を出ないが、正解合わせ上、自分は100点以上は確実に取っていた。
東稜は1980年に、最初の卒業生を出したばかりだった。
青空がまぶしかったけど、新設校らしい空気感とかには全く興味がわかなかった。
学区違いで受けることになったかもしれない洛東高校の汚さのほうが、自分にはしっくりと来たのかもしれない。
トイレに入った時の新しいトイレの匂いが新鮮だったし、トイレの窓から見えれ空もすがすがしかった。
こういう綺麗な昼間の、どこまでも青い空は、久しぶりに見た気がしたのだ。
今も、なんかこの風景が原風景の一つとして、心にしかと残ってしまっている。
ただ、もうこの学校の敷地に日常的に通うことはないと、受験前から決めていた。
心は東山高校だ。
洛東よりも古く、男ばかりで、やたら生徒が多いあの学校。
待っていてくださいという感じで、それにたいしてもすがすがしい気分になれたのである。