不倫も恋愛もこじれて大ごとになる原因は、たいていは優柔不断さからくる三角関係のもつれとおもわれる。
『きまぐれオレンジ☆ロード』は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)の黄金時代1985~1995年頃まで)の作品。
根幹をなすのは、恭介・まどか・ひかるの三角関係。
特に恭介の優柔不断さが半端ない。
で、大ヒットした。
「春日恭介」とググると「春日恭介 クズ」って関連キーワードが出てくる。
その主人公・春日恭介は、実は超能力を持つ一家の長男。
ヒロイン・鮎川まどかは、若い頃の中森明菜をイメージさせる、ちょっとツッパってるクールな不良美人中学生。
サブヒロイン・檜山ひかるは、まどかを姉のように慕い、恭介に一目惚れ、半ば強引に恭介を周囲公認の彼氏にしてしまう。
このあたりの力技に負けてしまった、なあなあにしてしまったことが、恭介の不幸の始まり。
これがあるから、この漫画が成立したともいえる。
恭介自身は最初からまどかしか眼中にない。
まどかも実は恭介のことが好き。
しかし、ひかるの手前、お互い素直になれず、まどかは恭介にツンツンしてしまう……。
絵にかいたツンデレだ。
『ドラクエ5』でいうところのビアンカとフローラみたいな感じ。
最終巻の有名なクライマックスのシーン。
アメリカ留学が決まったまどかが今まさに飛び立とうとしている、あの空港のシーン。
まあ、前回から、突然あのシーンになるので、戸惑った読者も多いと思う。
後に、なぜそうなったのかなどが加筆追加されたりしている。
この修羅場シーン。
土下座、平手打ち。
このシーンがこの作品のすべてといって過言ではあるまい。
階段での再会、キスシーンは付属だ。
まあ、優柔不断もほどほどに、ということか。