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『政府が国債を発行すると家計の預金が増える①』三橋貴明 AJER2019.2.26
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三橋TV第63回【実質賃金の正体を暴いてみた】
イギリスのテリーザ・メイ首相は、イギリスの欧州からの離脱案のバックストップ条項について、かなりイギリス側の主張に沿った形でEUと合意しました。
これまでのバックストップ条項では、イギリスがEUの関税同盟に永遠に縛られる可能性がありました。今回の合意案は、その危険性を排除したものです。
二度目の合意を受け、EUのユンケル委員長は、
「3度目のチャンスはない」
と、警告。
というわけで、メイ首相は再合意案をイギリスの下院で採決にかけたのですが、敗北。
『英議会:メイ首相の修正離脱案を否決、延期や撤回の可能性も浮上
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-12/PO9NSL6JTSE801
メイ英首相が欧州連合(EU)から取り付けた修正を加えたEU離脱案を、英議会は12日否決した。英国の政治情勢は一段と危機的状況となり、離脱の延期あるいは撤回の可能性さえ浮上している。
メイ首相は11日遅く、EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長と離脱条件の見直しで合意を成立させたが、この合意案は12日夜に反対391、賛成は242で否決された。今年1月に当初の離脱案が否決された際は230票の歴史的な大差だったが、今回はそこまでの差はつかなかった。
コックス英法務長官はインタビューで、今月29日の離脱期限の延期は「不可避」だと語った。
修正離脱案の承認がほとんど見込めなくなったことから、下院は恐らく週内に離脱延期の採決を行うとみられる。一部閣僚も含めた議員らは、政府に対し離脱プランをいったん白紙に戻し、再び一からやり直すよう求める可能性が高い。
下院は13日に合意なき離脱の是非を採決する見通し。メイ首相は保守党議員にも自由な投票を認めると述べた。(後略)』
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-12/PO9NSL6JTSE801
メイ英首相が欧州連合(EU)から取り付けた修正を加えたEU離脱案を、英議会は12日否決した。英国の政治情勢は一段と危機的状況となり、離脱の延期あるいは撤回の可能性さえ浮上している。
メイ首相は11日遅く、EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長と離脱条件の見直しで合意を成立させたが、この合意案は12日夜に反対391、賛成は242で否決された。今年1月に当初の離脱案が否決された際は230票の歴史的な大差だったが、今回はそこまでの差はつかなかった。
コックス英法務長官はインタビューで、今月29日の離脱期限の延期は「不可避」だと語った。
修正離脱案の承認がほとんど見込めなくなったことから、下院は恐らく週内に離脱延期の採決を行うとみられる。一部閣僚も含めた議員らは、政府に対し離脱プランをいったん白紙に戻し、再び一からやり直すよう求める可能性が高い。
下院は13日に合意なき離脱の是非を採決する見通し。メイ首相は保守党議員にも自由な投票を認めると述べた。(後略)』
今回の離脱案が否決されたことで、いわゆる「合意なき離脱」の確率がかなり高まった感触です。
何しろ、EU側としては「3度目はない」と大見えを切っている以上、離脱延期の検討はするかもしれませんが、イギリス側が、
「これこれこういう理由で、これだけの期間延長したい」
といった理屈がないと認めないでしょう。
実際、トゥスク常任議長の報道官は、「離脱延期とその期間には信頼できる理由」が必要と語っています。
結局、グローバリズム路線というのは、一度、採用してしまうと、そう簡単に「バスを降りる」はできないという話です。
「バスに乗り遅れる。乗ってみて、ダメだったら降りればいい」
などと寝言を言っている連中は、何も考えていないか、自己利益のためにグローバリズムを推進したいのか、いずれかと考えて間違いありません。
これは、農協改革などの国内の規制でも同じです。例えば、今後、農協解体的な農協改革に対し批判が高まり、「元に戻そう」となったとき、
「一体、いかなる形で元に戻すのか?」
という点において、農協内部ですら意見が分裂し、ましてや国民的な合意を得ることは難しく、ブレグジットのように紛糾することになるのでしょう。
もっとも、種子法の場合は、単に「多少の修正を加えて、元の条文の法律を復活させる」で対応できると思います。とはいえ、日本の種子が民間依存になり、都道府県や農協、農家からタネ生産の技術やノウハウが消えてしまったら、完全に手遅れです。もはや、バスから降りることはできません。
種子法廃止、農協改革、発送電分離、水道民営化、そして「移民法」、いずれのグローバリズム政策も、簡単にバスから降りることはできないのです。そんなことは分かっているからこそ、グローバリストは、
「バスに乗り遅れる!」
と、煽り、懸念に対しては「乗ってダメなら降りればいい」と適当なレトリックでなだめ、二度と元には戻せないグローバリズムのトリニティを推進するわけです。
一度、やってしまえば簡単には元に戻せないことは、彼らの方が十二分に理解しているのです。
水道民営化の場合は、水道を公営に戻す際に、契約違反ということで、地元住民なり国家が数百億円規模の違約金支払いを求められるでしょう。他国の過去の事例を見る限り、いずこもそうなっています。
また、移民に至っては、数十万、数百万の外国人労働者とその家族の「人生」「生活」を大幅に「修正」させることになるわけです。人権だ、寛容だとうるさい現代において、先進国が「数十万、数百万の外国人を追い出す」などといったことが、現実にできるのか、分かりません。
つまりは、グローバリズム路線とは基本的には「バスから降りられない」と認識し、バスに乗ってしまったならば、ダメージが少ないうちに飛び降りることを考えるべきなのです。
飛び降りると怪我をするかも知れませんが、「二度と戻れない場所」に連れていかれるよりはマシでございます。
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