日経の大機小機の記事を引用し、塚崎公義さんが次の記事を投稿されていた。


経済学理論より、活きた経済を観察している人が経済政策を論じるべき | COMEMO

https://comemo.io/entries/4656



感想を記事にしました。

「活きた経済を観察している人」であっても、財政クライエンテリズムの罠に落ちた人の意見は聞くに値しないどころか害悪だ、と。


2013年に開催された消費増税決定会合は、その人選に「善意で増税多数派工作する団体」が大きく関わっていたと聞きます。

そのおかげでしょうか、会合に出席した「有識者」などとされる人々などの約7割が消費増税に賛成していました(*1)。


消費税率引き上げによる影響は夏場を過ぎれば回復する、との論調や、中には、消費増税の悪影響を隠したいような言説(*2)も散見されました。


復興増税を含む提言(*3)に賛成した学者が多数おられたことも残念です。復興財源に必要な財源は当時約11兆円と言われていましたが、日銀による復興国債全額買入で増税によらない復興財源を確保することを国会議員の211人が主張されていましたが、(規制で守られた)テレビや新聞では報道されていませんでした。


課税平準化の観点からは、千年に一度の大災害に対応するための財源を現役世代に過度に負担させる復興増税は愚策と言えるでしょう。日銀のQQEでは年間80兆円の長期国債を増やすほど買入をしているのに、物価上昇率はコアCPIで対前年比+1.5%になったのが最高で、大した問題は起きていません。日銀が復興国債を11兆円買入しても何の問題も起きなかったでしょう(増税出来ない、ということを除いては)。


元の大機小機の記事は「海外のノーベル経済学賞受賞者が来日し、消費税増税を急がずとも日本の財政に問題はない、という趣旨の発言をする」ことを問題視しているような印象を受けます。


しかし、財政クライエンテリズムの罠に落ちてしまう人が散見される国では、ノーベル経済学賞をとってすらいない「権威」が政治利用されている疑義(*4)すらあります。


『みんなの意見は案外正しい』(著:スロウィッキー)によれば、

1意見の多様性

2独立性

3分散化

が群衆知が良いものとなる条件だそうです。


財政クライエンテリズムの罠に落ちている人の意見には、多様性は無く、独立というよりもネタ元に従属したかのような意見があり、偏っている恐れがあります。

"「マクロ経済学を学ぶ目的の1つは、ジャーナリストや評論家や政治家にだまされないようにするためである」"(*5) とあります。

経済紙にもマクロ経済を学んでいないかのような内容が散見されます。注意が必要ですね



(*1)消費増税予定通りの上げに賛否拮抗、増減税一体論も浮上

https://jp.reuters.com/article/l4n0gs0yc-wrapup-sales-tax-meeting-idJPTJE97Q00W20130827


(*2)質問者2「ノーモア野菜不足」

https://ameblo.jp/shinchanchi2015/entry-12170016967.html


(*3)共同提言者・賛同者(2011年6月15日10:00現在)(敬称略)

http://www3.grips.ac.jp/~t-ito/j_fukkou2011_list.htm


(*4)「権威の政治利用」の危険性はノーベル賞に限らない | COMEMO

https://comemo.io/entries/2902


(*5)≪【本】マクロ経済学基礎講義 <第3版>≫

(著:浅田 統一郎,2016.06.01)

http://amzn.to/292bWOl