一昨年書いたものですが、
今のところ、
定義そのものは変わらないはずですので
再掲します。(ガイドライン再掲3)
医療の進歩、最新の医療を正しく理解し
玉石混淆の情報で怪しい治療に流されない
ためには、
まず、「標準治療≒保険診療」を
知っておこうよ、押さえておこうよ、
※「標準治療≒保険診療」とは、
今ある科学的データを最大限尊重しながら
それに、
医療者側の豊富な臨床経験
患者側の人生観、価値観が加味されて
一つひとつの医療が実践されていく
現時点の最良の診療
ガイドラインを拠り所となるツールとして、
それぞれの治療のメリット、デメリットを
主治医と話し合って
(場合によっては、セカンドオピニオンも
受けて)
患者自身が納得して治療選択する、
場合によっては、人によっては、
先進医療や臨床試験も検討してみる、とか
その上で、代替療法(補完療法)は、
追加で、考えようよ
※自由診療や代替治療は、科学的根拠、
すなわち、学会や厚労省が認めるための
「患者集団の臨床試験結果」
(効果と安全性を客観的に示せる根拠)
のない治療、です。
というのが王道で、
年齢や基礎疾患や、癌の種類、状態や
それぞれの価値観で、
選択は変わってくるのだと思います。
ー◆ー◆ー◆ー
(元投稿:2017/11/6)
ご訪問ありがとうございます。
過去記事の中でも何回か書いたとは
思いますが、
『標準治療』=松竹梅の『竹』と
勘違いされている方も、
依然として多いようですので、
改めて、書いておきたいと思います。
『標準』=standard 拠りどころって感じ?
医療に限らず、組織で仕事をされている方は
サービス(仕事)の質を保つために
ガイドラインやマニュアルなどが作成され
それに沿って仕事をしている方も多いのでは
ないでしょうか。
お仕事、業界によって、位置付けは幅が
あるかと思いますが、
そういうのが『標準』であって、
医療には医療の『標準』があります。
医療の場合について、特に、私は乳癌に
ついてブログ記事を書いていますので、
日本乳癌学会の
『患者さんのための診療ガイドライン』
から、抜粋しますね。
【医療の『標準』について】
※ガイドライン委員会委員長・向井博文先生
・医療の世界では、医療現場の医師たちが
「診療ガイドライン」を参考にして、
患者の診療にあたる。
・現在、「診療ガイドライン」は、よくある
疾患に対しては概ね作成されており、
医学の進歩とともに定期的に新しく
されている。
・乳癌の「診療ガイドライン」は初版が
2004年に作られ、現在、2年毎に改訂
されている。
・さらに、乳癌については、
その「診療ガイドライン」に基づき、
「患者さんのための診療ガイドライン」も
編集、公開されています。
※私が、まず、最初に読むことをお勧めし
(でも、なかなかお読みいただけない
ようなので…)
標準治療について、要約転記して記事を
書いたのは、正規の情報源から正確な
情報を伝えるためです。
・それらの情報は、原則として
根拠と科学的データに裏付けられたもの
で、まさに乳がんに関する本としては
最も信頼性の高いもの
・根拠と科学的データに裏付けられた情報
といっても、確からしさには幅があり、
(強くそういえるものから、
十分なデータはないが、
これまでの慣習で、そう信じられている
というものまで)
また、全くデータのない事項も
少なからずある。
・今ある
科学的データを最大限尊重
しながら、それに
医療者側の豊富な臨床経験
患者側の人生観、価値観
が加味されて
一つひとつの医療が実践されていくことが
最良の診療であると考えられる。
ーーー
まさに、仰る通り、
私の臨む医療の姿です。
特に、紫字が重要かと。
私としては、何ら、異論はありません。
問題があるとすれば、臨床現場で、
その通り運用されているかどうか、
すなわち、
巡りあった医療者に「豊富な臨床経験」が
あるか否か、
患者側の人生観、価値観が加味されている
かどうか、
ということでしょうか。
(私の巡りあった医療者に問題があった
わけではないです、研修医以外は。
ブログで時々、問題をお見かけするし、
標準に疑問を持つ医師の、問題点指摘本
や記事も、お見かけしますので…)
=====
国立がん研究センターのHPより
標準治療とは、
科学的根拠に基づいた観点で
現在利用できる最良の治療
であることが示され、
ある状態の一般的な患者さんに行われる
ことが推奨される治療をいいます。
=====
上記で述べられている、科学的根拠とは、
患者集団の臨床試験結果(など)です。
※それを「科学的」と呼ぶのに、
私は若干、違和感を覚えますが。
大雑把にいえば、
患者集団の数が多ければ信頼度が高い、
とされています。
患者集団の選び方、均質化について、
私は疑問を感じていますが…
現場の医師は、命に関わる仕事ですから
「標準」、「診療ガイドライン」を超えた
リスクのある治療は、基本的にしません。
「標準治療」が、
保険診療として、現在受けられるMAX治療
であると言えます。
それ以外の自由診療や代替治療は、
科学的根拠、すなわち、
学会や厚労省が認めるための、
「患者集団の臨床試験結果」
(効果と安全性を客観的に示せる根拠)
のない治療、です。
=====
抗がん剤の量については、
既往症や高齢といった考慮点がない限り、
「標準治療」=最大耐用量
です。
少量の抗がん剤治療や、
術後補助化学療法としての
抗がん剤(タキサン)なしのハーセプチンも
保険診療として認められているそうですが
※梅澤医師のブログ記載情報
臨床試験結果がないということで、
「標準治療」ではないというのが、
勝俣先生と、三好先生、梅澤先生の
バッシングし合っている主要な論点です。
もう1つの大きな論点は、
「自由診療」(昨今は、特に「免疫療法」)
や「代替治療」に対する許容度の相違
のようです。
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