☆分子標的薬とは | HER2タイプ乳癌ステージ3C 経過観察中シングルマザー

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HER2タイプ乳癌のこと、治療のことなどを書き残しておこうと思います。温かい目で見守っていただければ、幸いです。アメンバー申請、コメント、メッセージ、リブログについては、「はじめに(私のスタンス)」テーマ内の記事をご一読下さい。

(元投稿: 12/29 16:20)

ご訪問ありがとうございます。

直前の記事
で、ご紹介したものも、

この次の記事でご紹介しようと思う
ネラチニブも、
そして今後も開発されていくであろう薬剤も
分子標的薬であろうと思います。


分子標的薬と無縁な方々には、

昔ながらの殺細胞性抗がん剤も
分子標的薬も
ともに「抗がん剤」
として捉えられているだけかもしれないし、

※勿論、分子標的薬も、広義の抗がん剤では
  あります。

本庶先生のノーベル賞で沸いた
免疫チェックポイント阻害剤が
「免疫療法」として
抗がん剤と別物の、何か夢の治療のように
捉えられたり

※自己免疫(T細胞)が癌を攻撃しない仕組み
  を解明して、
  その攻撃しない仕組みのブレーキを外す、
  という発想で開発された点が画期的であり
  偉大な研究だったから、
  ノーベル賞を受賞された、ということに、
  免疫療法にも期待する一乳癌罹患者として
  本当に嬉しく喜ばしく思いましたが、
  免疫チェックポイント阻害薬剤も
  モノクローナル抗体、分子標的薬であり、
  広義の抗がん剤ですよ…。

光免疫療法っていうと、また、さらに
全く新しい、夢の治療のように
捉えられていたり

※光免疫療法が目印をつけている仕組みも
  抗EGFR(HER1)モノクローナル抗体、
  分子標的薬~今のところセツキシマブ~
  を使っていますよ。

しているようですので、

次の記事を発信する前に、
少し、分子標的薬の基礎知識を
書いておこうかと思います。

※HERタイプ乳癌でハーセプチンで腫瘍が縮小
   しなかったから、なぜ?って普通に疑問を感じた
   経験者、当事者だから詳しくもなります(^^)

ググれば、Wikiさんにも出ていることでは
ありますが(^^;


分子標的と昔ながらの抗がん剤の違い

・昔ながらの抗がん剤(殺細胞性抗がん剤)
    は、ざっくり言えば、増殖の速い細胞を
    傷害する、毒(薬)をもって毒(癌細胞)を
    制す薬。
    増殖の速い正常細胞~例えば髪の毛とか
    爪とか皮膚とか白血球とか~
    も無差別に傷害されちゃう。

  ー 細胞増殖のどの仕組みを傷害するかで
       種類分けはされています。

・分子標的薬は、癌細胞に特徴的に発現
    している特定の分子(抗原)
     ~主に細胞増殖に関わる分子。
         免疫チェックポイント阻害剤は違って
         その違いが偉大だったのですが…~
    にくっつくように、あるいはその分子の
    働きを阻害するように開発された薬剤。
    殺細胞性抗がん剤に比べれば、
    効く人には画期的に効くケースもあり、
    副作用は総じて少ないけれど、
    正常細胞にも発現しているものがあって
    HER2は正常細胞での発現は少ないけれど
    ないことはない、心筋は問題だよね…
    HER1=EGFRは正常細胞での発現も多く、
    正常細胞にも働いちゃう、
    また、作り方からして、アレルギー的な
    副作用や、殺細胞性抗がん剤とは
    別のタイプの副作用もあります。


分子標的薬の種類
    
抗がん剤としての分子標的薬には
大きくは、次の2種類があって、
名前(一般名、商品名じゃないよ)の付け方
が決まっているので、
薬品名(一般名)で見分けがつきます。


モノクローナル抗体

・末尾に「mab マブ」って付く
   原理的には、大きくて細胞膜の中に入り
   込めないから、癌細胞そのものを傷害する
   わけじゃない。
   高分子のタンパク製剤だから、製造費用
   もかかるし、経口薬に出来ない。

例えば、
乳癌に使われる
・トラスツズマブ(ハーセプチン)抗HER2薬
・ペルツズマブ(パージェタ)抗HER2薬
・ベバシズマブ(アバスチン)血管新生阻害剤
や、
免疫チェックポイント阻害剤
・ニボルマブ(オプジーボ)
・ペンブロリズマブ(キイトルーダ)
・アテゾリズマブ(テセントリク)

※更に因み「mabマブ」の直前に
  ・ 「zuズ」って付いていたら
       「ヒト化抗体
      キメラ抗体よりもマウスの抗体の部分を
      少なくしてヒトの抗体に近づけたもの

  ・  「xiキシ」って付いていたら
       「キメラ抗体
       ヒトの抗体を作る遺伝子をマウスに
       導入して作られた抗体。ヒトの部分と
       マウスの部分が混じっている

  素人の直感的には、「ヒト化抗体」の方が
  「キメラ抗体」よりもアレルギー反応が
  少なそうに思えますよね。
     (多分、当たっていると思います)

  更に更に因みに、「zu」や「xi」の前の
 「tu」は、腫瘍を標的にしてるって意味。


低分子化合物
      チロシンキナーゼ阻害剤
      (増殖シグナル伝達を阻害する薬剤)
      とか、
      PARP阻害剤、CDK阻害剤など

・末尾に「ib イブ」って付く
    低分子で小さいから細胞膜や核の中に
    入り込んで癌細胞を傷害する

例えば、
乳癌に使われる
・ラパチニブ(タイケルブ)チロシンキナーゼ阻害剤
・オラパリブ(リムパーザ)PARP阻害剤
・パルボシクリブ(イブランス)CDK阻害剤
・アベマシクリブ(ベージニオ)CDK阻害剤

肺癌に使われる
・ゲフィチニブ(イレッサ)チロシンキナーゼ阻害剤
・エルロチニブ(タルセバ)チロシンキナーゼ阻害剤


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