引き続き、2014年7月1日(火)のこと。
迷った末に、術前化学療法を決断した私。
一般的に、
『術前』に化学療法(抗がん剤)をする目的は、
癌を小さくして、温存手術をする
ことのようですが、
(これは、私にとっては何ら関係ない。
たとえ早期でも私は全摘を選ぶから。
その辺りは、価値観、感覚は人それぞれ、
ということで、温存を選ぶ方を否定する
ものではありません。)
私にとっての
『術前』目的(メリット)は、
・一刻を争う遠隔転移防止
・抗がん剤の効果が見えること
▼FEC
乳癌では、FECまたはACという、
アンスラサイクリン系の、強烈な❗
抗がん剤が、まず 最初に使われます。
・F フルオロウラシル
(その後の臨床試験結果で、FECと
ECやACで効果が変わらなかった、
という結果が出て、効果が疑問視
されているようです)
・E エピルビシン
赤い色を付けてある、
アンスラサイクリン系の薬剤
アドリアマイシンよりも心臓障害の軽い
薬を目指して開発されたらしい。
どの医師も、大差ないと言っていた。
薬価はアドリアマイシンより高い
(効果は同じ、とどの医師も言っていた)
・C シクロホスファミド
抗がん剤の元祖、マスタードガスを元に
開発されたのよね、、
T先生から、FECの副作用の説明を
受けました。
「脱毛は必発❗❗❗
最初の1回で、僕よりもっとぺんぺん草に
なるから、急いで、かつらとか用意した方
がいいですよ。」
6月20日の初診療、27日の確定診断、
そして7月1日、と、3回とも、
T先生は、脱毛を強調
されました。
髪の毛が抜けることも、
(手術で)乳房がなくなることも、
ほとんど何とも思っていなかった私は、
心の中で、
何でそんなに脱毛のことばっかり一生懸命
説明してくれるんだろう⁉
脱毛は気にしないって、何度も言ったのにな
また生えてくるんだから
い~じゃん、クドイ❗
心毒性が一番気になってるんですけど…
髪の毛が全部なくなっても
死なないけど、
心臓が止まったら死ぬんですけど…
と呟きながらも、
きっとT先生にとっては、
髪の毛がと~っても重要なんだろうなぁ、
と、T先生のぺんぺん草を眺めながら、
大人な対応で、神妙に聞いておきました。😅
後からT先生や看護士さんに、
『髪の毛が抜けるのが嫌で抗がん剤はしない』
っていう患者さんも多いし、
ほとんど皆さん、脱毛を気にされるので、
先生は一生懸命説明するのだ、
「みゆさんみたいな患者さんの方が
とっても珍しい。」
と言われました。
知りたいことや、迷ったポイント、
ゴネどころが、多くの乳癌患者さんと
違ったようです。(^^;

2018年末にpCRと予後の相関の
メタ解析結果が出され、
(HER2陽性、特にHER2タイプ、
トリネガはpCRすれば予後がよい)
ザンクトガレン2019で、
pCRしなかった患者への
・HER2陽性の場合、術後カドサイラの追加
・トリネガへのゼローダの追加
のコンセンサスが形成され
予後の悪いHER2陽性やトリネガは
術前化学療法が、よりスタンダードに
なってきたと思います。
私としては、やっぱりね、の一言。
後輩患者さんたちのために、
喜ばしい方向だと感じています。
(2019/10/27 紫字追記)