Front Runner 2 Lesson 4

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Lesson 4

 

全訳

➊年齢を重ねるにつれて,一年一年が(以前)より早く過ぎるように思えると感じることがあるだろうか。➋この速度は加速しているばかりのように思える,特にソーシャルメディアとともに。➌配信されるオンライン・ニュース,更新された近況やコメントは,だれかの成功,すばらしい休暇,だれかが食べたおいしい料理といった情報で(私たちのまわりに)あふれている。➍そして,(まるで)ほかの人の人生があなたの目の前を電子的に通りすぎ[かけぬけ],あなたは取り残されたかのように感じられることが時にはある。

➊人によっては,(他人の)こういったすべての体験を目にすると,ほかの人の生活(の最新情報)についていこうという大きなプレッシャーを感じることがある。➋彼らは,珍しいことに挑戦したり,お金をもうけたり,節約したりする機会を1つも見逃したくないのだ。➌この不安がひどい症状の人は,FOMO,つまり乗り遅れ恐怖症((情報や好機を)見逃してしまうことへの恐怖)にかかった人である。➍彼らは,自分が誤った決断をするのではないかとか,最新の機器が手に入らないのではないかと心配する傾向がある。

➊最新のものを見逃さないというプレッシャーは,私(=筆者)が特に日本で気づいたことだ。➋たくさんの食べ物や飲み物のパッケージには,「期間限定」という意味の4文字の漢字がある〔書かれている〕。➌そして多くのレストランでは,近頃「数量限定」という意味の別の4文字の漢字を目にする。➍それは客にこういう物を買わせるいい方法である。というのも,私たちは「明日死ぬこともあるのだから,人生を十分に[心ゆくまで]生きて〔充実した人生を送って〕,手に入るあらゆる機会をつかむように」とよく言われているのだから。

➊私は奈良でシカの群れに遭遇して以来(ずっと),好機を決して見逃さないというこの必要性に,新たな考え方をするようになった。➋私はそれ(=シカと遭遇した体験)を臨死体験とまでは言わないが,非常に恐ろしかった。➌私は写真を撮るために友人から離れてぶらぶら歩いていて,シカのふんがついていないかどうか自分の(片方の)靴を調べていると,バーンという音とそのあとに雷がとどろくような音が聞こえた。➍顔を上げると,シカの大群がまっすぐ私に向かって全速力で走ってくるのが見えた。➎私は動けなくなり,こう思った。「これで(一巻の)終わりなの?こういうふうにして私は死ぬの?シカのふんがついているかどうか靴を調べている間に,あわてふためいたシカに踏みつけられて?肉食動物でさえないものに殺されるの?本当に(こんなにあっけなく私は死ぬの)?」

➊ありがたいことに,そのシカたちは私よりも賢く,最後の瞬間に〔土壇場で〕向きを変えた。➋私は自分の人生やだれかほかの人の人生が,私の目の前をかけぬける〔走馬灯のように流れる〕のは見えなかった。➌ただ,その日のほとんどを友人と過ごせてありがたく感じただけだった。➍それで,私は悟った[気づいた]のだ,人生はすでに非常に多くのもので満たされているので,私たちは実際には決して何も見逃すことはないのだと。➎だから,何か目新しいものを探そうとするのではなく,今私たちの身のまわりにあるものの中から楽しめることに注意を払う[向ける]べきなのです。➏そうです,(確かに)人生は期間限定です。でも人生を満たす方法は?➐そうです,それには限りがないのですよ。

 

各段落の要約

段落

日本語要約

英語要約

多くの情報に囲まれて,私たちは取り残されたように感じることもある。

Surrounded by a lot of information, we sometimes feel as if we have been left behind.

ほかの人の生活に(遅れずに)ついていこうという大きなプレッシャーを感じる人もいる。

Some people feel a lot of pressure to keep up with the lives of others.

日本では,最新のものを見逃さないというプレッシャーを示唆する4文字の漢字を見ることができる。

In Japan, we can see four kanji suggesting the pressure not to miss out on the latest thing.

私は奈良でシカにあやうく殺されそうになった経験を通して,新たな考え方をするようになった。

I’ve got a new perspective through the experience of almost being killed by deer in Nara.

私たちは何か目新しいものを探すのではなく,今あるものを存分に楽しむべきだ,と私は気づいた。

I have realized that we should fully enjoy what we have now instead of looking for something new.