おい!いつまで手の話が続くのか?と思われているかとおもいますが、もう少し
手術後の私は、あの酷い痛みから解放されていました。
そして、リハビリの成果も徐々に出てきたようで、指が動く様になり、グーパーが少し出来る様な感じ、でも何より腫れの引きが見た目に判る様になり、指がまだかたさはあったけど、すこしづつうごくようになった
術後2週間で抜糸して、即退院の予定だった
8月9日、2、3日前にレントゲンを撮っていたから、そろそろ手首を動かす?と言う話になると思っていた
その日の夕方、熊五郎が病室に来た
夫が来たら話をしたいと、珍しく真顔だった
5時過ぎに夫が来て、カンファレンス室と言う場所でパソコンを見ながら話をした
〇〇さん、退院出来ません
はあ?なんで?
から始まった話は、私の想像を遥かに超えていて、受け止めることが出来ず、他人事の様に聞いていました
夫は既に話を知っていて、うちの両親にも話に行ったと、後で聞いた話だけど
うちの母親が「あの子にはレントゲンを見せないで欲しい」と言っていたみたいだけど、夫が「今、見せないといけない」と譲らず、私にしっかり見ろと全部見せてもらいました
私は「しっかり見ろ」と言った夫が、あまりにも悲しい顔をしていたから、そっちの方がショックだった
良かったのか悪かったのか、検査結果が全て陰性でした
理由がわかりません
だから、今は投薬で様子を見て、見守ると言う熊五郎
熊五郎、この日から私に対して、この「見守る」と言う言葉を頻繁に使う様になりますw
私が「患者強っての希望」を頻繁に使うのと同じぐらい
この時は、なんにも考えれない、何にも見ない、ただただ塗り絵をしていただけ
だって、指は全く元通りになっていたから。
ただちょっと痛い、痺れる、ある部分は痛かったけど、一時に比べたら、凄く楽になったようでした
その日から、強さで言うと抗がん剤の少し弱いぐらいの投薬が始まりました
自分の免疫も壊すぐらいの薬の為、初めの週は週末の外泊も認めてもらえず、熱が出たりして外泊もダメになり、ようやく1泊自宅に帰れた時は嬉しかった
先が全くわからない
着地点など私にはわからない
どうしたいのか?と聞かれたら、前の体に戻りたいと言う思いしかない
でも、どう悔やんでもこうなってしまった事だけが事実で、あーでもない、こーでもないと考えたところで、現実はなんにも変わらない
開き直るしか、自分の気持ちを守る方法がおもいつかなかった
どうしてとかやっぱり思ったけど、なってしまったのだから、コレとは一生付き合って生きていくしかない
痛いと思う事はしないでください
パンツあげるのさえ、痛いよーw
今は笑えるけど、その時は
パンツもあげれない女よりパンツあげれる女がいいに決まってると夫に言って
なら、パンツ履かなきゃいいだろ?とお前は両手じゃないとパンツはけないのか?と言われておりました
完全に超こじらせ女
超迷惑だったと思う
私、高校卒業して専門学校行くまで左利きでした
だから、全て左が使えます
なりたい職業が右じゃないといけないから、右に直しただけ
だから、実はそんなに困る事はないのかと考え直し始めます
仕事しながら、ゆるゆるの入院生活
今年は骨休めの時だ!とばかり、いかに入院生活を楽しむか、そこに重点を置くようになっていきました
整形外科の急性期病棟と言うのは入れ替わりが激しい
病院生活が長いと、だんだん気持ちまで病んできます
わたし、人見知りですが、病院に長くいる為、話しかけられる事も多いのです
ある日、夜夫が面会を終えてバイバイ!してると、手を繋ぎ歩く、見た目60ぐらいのカップル
談話室のソファに2人で並んで座り、手を繋ぎ見つめ合う
談話室の照明は、動く物に反応して点いたり消えたりするタイプ
真っ暗な談話室のソファの所にいる還暦カップル
夫婦ではない
今にもチューしそうなくらい顔が近い
おじさんは、毎日6時には来てる
そして7時に帰っていく
面会時間は8時まで、9時には職員専用以外のエレベーターは止まり、階段に行くドアも開かない
見かけて10日過ぎた頃、おばさんの娘さんらしい人が来ていたみたいで、おじさんを見かけて
〇ちゃんのお父さん!と呼んでいた
無邪気に、おばちゃんは?と聞いていて、おじさんが「今日たまたま近くに来たから、そう言えばっと思って寄ったんだよ」と言ってる声を聞いてピン!!ときた
子供の知り合いのママ友の旦那だったんだと判明した
通りで、夫婦であれはない!と、病棟内で仲良くなった人達とはなしていたんだよね
もしかしたら、第二の人生タイプ?とも思っていたけどさ
還暦の不倫カップルほど、気持ち悪いものはないね
いつも、おばさんの院内着(甚平さんみたいなやつ)がはだけてて、もっと胸元閉じるか、中に何か着れば?と思っていたんだよね
それから、私や仲良しさん達は、毎晩そのソファの隣にあるテレビカードの機械に近づき、振り返りガン見をする事になる
おばさん、嫌そうな顔でキャッって言ってたけど、こちらガン無視
夫が忙しい時の過ごし方のひとつになったw